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涙星~ずっとキミの傍で~
- ー捨て猫ー -

外は、もう真っ暗になってて。
キイィ。
窓を開けて、風に当たる。
雨の匂いがまだ少し残ってた。
___不思議な人、だったな。
あの人から香る、コーヒーの香り。
なぜだが落ち着いた。

暗い闇の中、キラキラと控えめに輝く星。
「あっ、今日は満月なんだ...。」
ボーッとそんなことを考える。
___猫になりたかった。
自由奔放に、誰にも指図されずに。
そんな猫に、わたしはなりたかった。



       ◇   ◆   ◇


次の日の朝。
わたしは憂鬱な気分で起きた。
月曜日、また学校が始まる。
そう思うと、自然と足取りが重くなる。
カチャ。
昇降口に着き靴箱を開けると、当然のように無い上靴。
仕方なく職員室に、スリッパを借りに行く。

スリッパを借りて、ぺたぺたと足音を響かせながら教室に行く。
ドアを開けて、真っ先に目に入ってくる黒板。
“死ね„ “出ていけ„ “消えろ„
チョークで書かれたその文字。
「............」
無言で消す。
もちろん、手伝ってくれる人はいない。
それどころか、くすくすと笑い声さえ聞こえる。
「ねぇ、見てよ、ひとみぃ。ちょーうけるんですけどー、てかさっさと出てけばいいのにねー。」
「たしかにーアンナの言う通りだよねー。出ーてーけ、出ーてーけ!」
手拍子と共に、出てけコールが始まる。
その手拍子は次第に大きくなり、わたしは自虐的な笑みを浮かべた。













<2016/05/29 19:36 ラジカル>消しゴム
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