僕の人生は狂ってしまった。
あんなやつらと戦うのはもう、嫌だ。
そんな願いも遠い意識の中であった。
「ーーーーナト....ーーーーカナト!?」
青年の声で目覚めたそこは、白い壁の天井である。重い脳を働かせてここが何処なのか察する。
槌野病院、病室17号室。
「ん...?」
「おいカナト!?迷惑掛けるんじゃねーよ...ったくよー..!!」
隣にいる青年は椅子におもいきり背を預けた。心底安心した様子だ。
その青年の名をシューヤという。
「シューヤ..なんで....」
「お前が駅でぶっ倒れてるのを見つけたんだよ」
ああ、そうだ。
この世界は可笑しくなってしまったんだ。
シューヤには到底わからないだろう。だが、カナトは何も言わなかった。
言ったところで信じるハズもない。
「カナト、何があったんだ?何かあってそれで耐えきれなくなった...とか無いか?」
「...大丈夫。少しぐらついただけ。それよりさ、僕の状態って?」
「貧血...いや、軽い過労だとよ」
過労、か。身体は嘘をつけない。自分が背負うには大きすぎた。
....脳裏に残る。
あの、メデューが。
あんな化け物、死んでしまえ。
いなくなってしまえばいい。死ね、消えろ、お願いだから...
僕の人生を狂わせないでくれ。
気付くと、シューヤがなだめながらカナトは肩を震わせ、下唇を噛み締めていた。鉄の味がじわじわと広がってゆくのを、黙って離した。
「大丈夫だ...カナト...」
何がわかるって言うんだ。何が大丈夫だ...。
そんな彼の優しさに、今は溺れてしまっていたかったのだ。目眩がする優しさに。
「良かったな、二日で退院できて」
「ああ、...ありがとうシューヤ」
病院からの帰り道、カナトは公園の時計を気にした。
...五時、三十七分。
あのセカイは夕方に発生するのだ。昨日は寝てしまっていたから、どうにも言えない。もしかすると昨日もなっていたかも知れないのだ。
「じゃあ俺、コンビニ寄るから」
シューヤはカナトと別の方向に行ってしまう。
「ちょ...ちょっと待って..!!」
嫌な予感しかしない。
やめろ、それだけは。
やめてくれーーーーーーーーーーーー!
カナトが駆けて、右手をシューヤの腕に掴もうとしている。
が、あっけなく宙を舞った。
まわりを包んでいく闇に血の気が引いた。
こんなセカイに慣れたくない。世界、に。
あんなやつらと戦うのはもう、嫌だ。
そんな願いも遠い意識の中であった。
「ーーーーナト....ーーーーカナト!?」
青年の声で目覚めたそこは、白い壁の天井である。重い脳を働かせてここが何処なのか察する。
槌野病院、病室17号室。
「ん...?」
「おいカナト!?迷惑掛けるんじゃねーよ...ったくよー..!!」
隣にいる青年は椅子におもいきり背を預けた。心底安心した様子だ。
その青年の名をシューヤという。
「シューヤ..なんで....」
「お前が駅でぶっ倒れてるのを見つけたんだよ」
ああ、そうだ。
この世界は可笑しくなってしまったんだ。
シューヤには到底わからないだろう。だが、カナトは何も言わなかった。
言ったところで信じるハズもない。
「カナト、何があったんだ?何かあってそれで耐えきれなくなった...とか無いか?」
「...大丈夫。少しぐらついただけ。それよりさ、僕の状態って?」
「貧血...いや、軽い過労だとよ」
過労、か。身体は嘘をつけない。自分が背負うには大きすぎた。
....脳裏に残る。
あの、メデューが。
あんな化け物、死んでしまえ。
いなくなってしまえばいい。死ね、消えろ、お願いだから...
僕の人生を狂わせないでくれ。
気付くと、シューヤがなだめながらカナトは肩を震わせ、下唇を噛み締めていた。鉄の味がじわじわと広がってゆくのを、黙って離した。
「大丈夫だ...カナト...」
何がわかるって言うんだ。何が大丈夫だ...。
そんな彼の優しさに、今は溺れてしまっていたかったのだ。目眩がする優しさに。
「良かったな、二日で退院できて」
「ああ、...ありがとうシューヤ」
病院からの帰り道、カナトは公園の時計を気にした。
...五時、三十七分。
あのセカイは夕方に発生するのだ。昨日は寝てしまっていたから、どうにも言えない。もしかすると昨日もなっていたかも知れないのだ。
「じゃあ俺、コンビニ寄るから」
シューヤはカナトと別の方向に行ってしまう。
「ちょ...ちょっと待って..!!」
嫌な予感しかしない。
やめろ、それだけは。
やめてくれーーーーーーーーーーーー!
カナトが駆けて、右手をシューヤの腕に掴もうとしている。
が、あっけなく宙を舞った。
まわりを包んでいく闇に血の気が引いた。
こんなセカイに慣れたくない。世界、に。
