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- 例えばそれは。 -

朝、いつもより遅く起きた私はいつもより遅く朝食を食べ、いつもより遅く家を出た。
そしていつもより遅い電車に乗るために駅のホームに立っている。
突然携帯の着信が鳴った。兄だった。めんどくさい。出たくない。という気持ちを抑え通話のボタンを押す
「絢葉!出るのおせぇよ!」
「あぁ。うん。ごめんごめん」
早く要件を言ってほしいという私の気持ちとは裏腹に、兄はなかなか言い出さない。
「だいたいそんな電話出るの遅かったら、友達減るんだからな!」
「はいはい。で、何。用が無いなら切るよ。」
と、いうと急に焦り、
「ちょ、待って!絢葉忘れ物してるんだけど、俺が届けたほうがいいの?これ。」
と、言ってきた。
忘れ物は、人に借りればいいと思った私は「いい。」と一言言って電話を切った。
丁度ついた電車に乗り込む。
通勤ラッシュを外れた電車だったから座席に座ることができた。
新しく買った本の表紙を眺めていると、
「次は~×○×駅~。×○×駅~。」
というアナウンスが入った。降りるために座席を立ち、スカートを伸ばした。
プシューーーーー!
と、音を立ててドアが開いた。
降りてすぐ私は目を奪われた

スマホを見下ろす 大きい目、長いまつげ。
風に吹かれるサラサラの髪。
鼻歌を歌うきれいな声。





<2016/07/20 22:24 八月>消しゴム
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