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君の笑顔を


私は明るい気分で、自分の部屋ではなくリビングへ
行った。

「楓、何してたのよ?」

お母さん、お怒り。

「いや、友達の家に」

「こんっな遅い時間まで」

「はい……」

「明日、その子に謝っときなさい」

「はい……」

うん。

間違っても寝てこの時間になったとは言えない。

命が、危ない。

道に迷うよりよっぽど危ない。

私は自分の部屋に逃げた。





『何か、寂しそうな目、してない?』

寂しそうな目、か。

何があったんだろう。

そして、相原くんが笑わなくなった理由。

ただ、あの見た目とのギャップだけなのか。

それならもう少し笑えるはずだと私は思っちゃうん
だけど。

本人にとっては、結構な悩みなのかな。

悩みって、相手には分からないからね。

大川先生もあれ以上は何も教えてくれない。

『相原が言う気になれば、教えてくれる』と。

相原くんが言う気になんてなる訳無いじゃん。

笑わないようにするためになるべく人とも関わらない
ようにしてるみたいだし。

最近じゃ話もしないって。

今日、良くあんなに話してくれたよね。

あんなに話してくれると、ただの何ともない男の子に
見えてきてしまう。

そんな事は、ないのにね。

私に、全て分かってあげる事は出来るのかな。

もしも出来なかったら、ごめんね。

そうしたらそっと、もっと分かってくれる人のところへ
行ってほしい。

その、大きな翼で。

『ハハッ』

初めて聞いた、相原くんの笑い声。

最高に可愛らしかった。

もっと、笑わせてあげる事は私には出来るだろうか。

もちろん、やれる事は全てやるつもり。

けど、もしもそれだけでは足りなかったら。

相原くんが、私では心から笑えなかったら。

そうしたら、どうかそっとその大きな翼を広げ、私の元を去って欲しい。

それまでは、私はずっと居るよ。

どんな時でも、君の傍に。

今日、笑ってくれたもんね。

だから、これからも笑ってくれるよね。

『いつでも会えるよ?』

『奥寺が望むなら』

『なら一生居る事になんぞ』

良いよ。

いつまででも居る。

私は、君の為なら一生という時を使える。

全てでも。

私の、初めて出来た、最高の友達だから。

「あれっ、そういえば」

私はカーテンを少し開け、外を見てみた。

「居ない、ね」

良かった。

帰れた、よね。

意外と方向音痴っぽいし。

私ほどじゃないだろうけど。

けど、私と相原くんが一緒になったら世界一の方向音痴になれそう。

そんな、気がする。

何となく似たとこありそうだよね。

まぁ、逆でもあるけど。

私は笑うようにして、相原くんは笑わないようにして。

お互い、本当の自分で学校生活を遅れるといいね。

何も考えずに、笑いたい時だけ笑う。

それで、良いんだよね。

分かってはいるけど、できない。

「んで」

結局相原くんは何で笑えなくなったの?


<2016/08/05 21:41 秋の空>消しゴム
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