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君の笑顔を


やっぱり彼が来ると教室の空気は変わる。

王子様って言ってるのは誰ですか。

王子様が来てこの空気。

盛り上がるどころか恐怖感に包まれるっていう。

まぁ、確かにこの人冷たそうだけどさ。

そんなに?

クール王子なんてそんなもんでしょ。

そんな事を考えていた時、教室のドアが開いた。

今度は先生。

私は相原くんよりこの先生の方が嫌だけど。

10−0で相原くんが良い。

その時、私は気付いた。

先生の顔が少し変わった事に。

良い意味では、ないけど。

私はその視線を辿ってその先を見たいんだけど、分からない。

まぁこの人はそんな奴。

どこ見てるんだろう。

1日5回程思う。

「まぁ、いい……」

何が。

もうこの人、分からない。

分かりたくもないけど。

先生は出席を取り始めた。

相原翼。

一番最初に呼ばれる。

さっき顔が変わったの、相原くんの事かな。

相原くんの声が少し違った気がした。

気がしただけだからね。

なんの根拠もない。

「奥寺」

「わっ、はい」

「聞いとけ」

何イライラしてるのよ。

短気くんが。

短気な人苦手なんだよな。



そしてしばらくして全員の名前が呼ばれ終わった時。

相原くんは担任に呼ばれた。

担任と廊下に出て行く相原くん。

廊下でお話か。

誰に聞かれるかも分からないのに。

まぁ、私には何も関係ないけど。

あ、戻って来た。

結構短いお話で。

どうでも良いけど。

朝から嫌だな。

眠いし。

早く眠りたい。

寝て良いなら速攻夢の世界へ旅立つ。

この、他人の席で。

「マジ眠ぃんだけど」

「分かる〜っ!今すぐにでも寝れるし」

「もうヤバ〜い」

あなた達の方が、ヤバい気が。

すみません。

「っつーか、今日もう良いよね?」

「何が?」

「帰って。帰りてー」

もう帰ってしまえ。

「ハハッ、何それー?ほんとー?」

嘘言う程の事でもないでしょ。

「ウケんだけど〜」

うん。

私もウケる。

あなた達のその楽しそうな話し声に。

その時、相原くんが静かに教室を出た。

あの御方も何を考えてるか分からない方で。

「相原ってマジ怖くね?」

いや、私は相原くんよりあなた達の方が。

「分かる〜!超怖い」

相原くんってそんな怖いのかな。

確かに綺麗な顔立ちで常に無表情だけどさ。

それで凄い話す明るい人ならかっこいーって騒ぐん
でしょ?

「私はそうは思わないけどなぁ」

私は相原くんの出て行ったドアを見つめながら言った。

「あら何?好きな訳?」

何故そうなるかな。

「違うよ〜、ただの席が隣の男の子」

「へぇ~?」

何かを疑っているように言う、怖い女子と言えば、
私と同じくらいの確率で名前が出てくる女子。

誰が誰を好きだろうとどうでも良くない?

私だけなのかな。

「楓さ、基本クールだよね」

基本って何よ。

「分かる分かる!なんか何にも興味なさそう」

「かっこいいよねぇ」

別にかっこよさなんて求めてないけど。

「ザってヤツ」

ザ。

ザ、何よ。

「何がぁ?」

「そのかっこいい生き方」

かっこいい生き方。

どんな生き方。

「あたしもかっこよく生きたいなぁ」

ならこの仲良しごっこやめないとね。

「まぁ?この友達たくさんの時点でかっこ良かないけど」

「そう?誰とも仲良く出来るのってかっこいいと
思うよ?」

この子は彼女達が一時期目を付けてた女の子。

愛澄。(あずみ)

「ほーん。まぁそのかっこよさが分かってないからなぁ。あたし」

大丈夫。

私も分かってませんから。

何でこんな事考えながらも一緒に居るんだろう。

もっと心から仲良くなった方が良いのに。

そんな人、居ないか。

「あれっ、相原くん、なかなか帰って…来ないね?」

「そうだね。帰っちゃったんじゃん?」

「でも相原くん……」

「何か知ってるの?」

「楓さぁ、愛澄には優しいよね」

あなた達がイジメてたからだろ。

「んな事ないけど?」

「ほら!声が違うもんなぁ」

なんで私があなた達に優しく接しなきゃいけない。

「で?愛澄、何?」

相原くんの事、何か知ってるのかな。

それが分かったところで何になる訳じゃないけど。

「いやっ、ただ、大丈夫、かなって……」

やっぱりこの子達といると緊張するんだね。

「愛澄〜、もう安心しな?あたしら何もしないよ?」

その言い方が怖く感じるの私だけかな?

「あっ、うん……」

「あっ、戻って来た」

聞こえちゃいました?

私に相原様からキツめの視線が。

相原くん、怖いかも。

そんな人と友達になったらどうなるんだろう。

結構有名になりそう。

この、小さな学校の中で。


<2016/08/05 10:44 秋の空>消しゴム
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