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君の笑顔を


私は時計を確認した。

もうすぐ帰りだね。

「あのっ、ここ…まで……」

これだよこれ。

相原くんの最高に可愛い声。

「私が連れて来た」

明らかに変わった相原くんの顔。

「嘘嘘。気付いた先輩が」

「先輩…」

「そう。私の仲の良い先輩がねっ」

「そっ…か……」

どうしたんだろ。

「あっ、先生…は……」

「どーこだろ?何か用でも?」

「あぁ、別に……」

相原くんは私から目を逸らした。

「大丈夫?」

「うん……」

何か、可愛いけど心配になる声。

私が好きなのはもうちょっと、違うんだよな。

「ちょっと、待っててね?」

「どっか、行くの…?」

「大丈夫、先生呼んでくるだけだよ?」

私は相原くんの小さな肩に手をのせて言った。

「一緒に行く?」

「あぁいや、大丈夫……」

「すぐ戻って来るから」

相原くんは小さく頷いた。

これがまた可愛くて。

私は少し申し訳ない気持ちになりながらも保健室を出た。



「あぁ、奥寺」

うわ、大川。

「大川先生」

「木下知らないか?」

「私も今、探してて……」

「そうか。つば、ん〜相原も居ないんだが」

翼って呼ぶんだ。

少し前まで相原でしたよね?

どうでも良いけどさ。

「あっ、じゃあここで……」

「一緒に」

んでそうなるかな。

お別れのお時間でしょうよ。

私は何故か大川と和菜ちゃんを探す事に。

「あぁ、森?」

「大川先生……翼が居ないんすけど」

「俺も今探してる。あぁ、木下見なかったか?」

「木下先生っすか?いやぁ、見てないっすね」

「そうか」

「すいません。あ、翼知らない?」

えぇ〜、保健室に居るなんて言えないよね。

「奥寺知ってんだろ」

大川、鋭い。

「保健、室?」

「えっ、翼、どうしたの?」

つか、誰この人。

何でこんな知らない人に教えなきゃいけないかな。

「ちょっと調子悪いみたい」

「そう、か……だから無理すんなって言ったのに…」

「無理?」

「あぁいや、何でもない。ありがとね」

「はあ……」

私達は再び和菜ちゃんを探す旅に。

「もう保健室戻って来たんじゃないの?」

「行ってみるか」

何があって探してるか知らないけどさ。



「木下っ」

もう少し丁寧に開けようね?

この学校、ボロそうだし。

「あら、大川先生。どうしました?」

そう言いながら私を見てる和菜ちゃん。

「いや、相原、居るか?」

大川が聞くと少し開いているのかカーテンの方を見る
和菜ちゃん。

「いえ」

「そうか……」

何そんな心配してるの?

私は少し疑問を抱きながらカーテンの中へ。

大川はそのままどこかへ。

「相原くん、どうした?」

「いや……」

話したくなかったのかな。

「そう。調子悪かったら言ってね?」

「うん……」

「あ、楓ちゃん、何?」

忙しいな。

「いや、ただ居なかったからどこ行ったかなって」

「そっ。まぁ、相原くんと居てあげて?」

「あっ、うん」

私は和菜ちゃんから相原くんに視線を移した。

「相原くん、無理しないでね?」

「はい……」

私は和菜ちゃんに生徒として軽く頭を下げ、カーテンを
閉めた。

「あっそうだ。森って男の子知ってる?」

「えっ」

相原くんの驚いた声。

こっちも驚きだけど。

そんな声出すんだね。

「いや、さっき先生探してる時に『だから無理すんなって
言ったのに』って言ってたから」

「そう…なんだ」

その後、相原くんは気にしなくて良いのに、と呟いた。

そうは言われても、友達として難しいんだよ。

森って子の気持ち、分かるな。

気を遣わせたくないっていう相原くんの気持ちも
分からなくはないんだけどね。

まぁこれで1人増えたね。

相原くんの事を教えてくれそうな子。

結構良い子そうだったし。

けど気は強そう。

私に普通に話し掛けて来たし。

良いんだけど、最近みんな敬語だから。

中澤さんと相原くんくらいだもんね。

あとはあの、森って子。


<2016/08/06 16:52 秋の空>消しゴム
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