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君の笑顔を


あれから少ししてから中澤さんを連れて森さんが戻って
来た。

「相原?」

「寝ちゃいました」

中澤さんの顔が一気に心配に満ちた。

「最近、調子悪かったみたいだな……」

中澤さんは知ってるんだ。

で、今相原くんはどんな状態なの?

ただの風邪程度なのか、もっと、大変なのか。

「相原くん、どうなんですか?」

「やっぱり言ってないか」

「相原の事だ。言いそうに見えるか?」

中澤さんは森さんの言葉にほんの少し笑って首を振った。

「あっ、二人とも、座ってください……」

「大丈夫……」

中澤さん、それどころじゃないみたい。

森さんは何も言わない。

そういう感じの人なんだね。

「今なら寝てるから、今のうちに話すか」

どっちから聞く事になるんだろう。

そんな、関係の無いことを考えてしまった。

「相原、最近休んでたろ」

最初に話し始めたのは森さんだった。

「あっ、はい」

「その頃から体調は悪かった」

「あの、それって……」

「ハハッ、風邪風邪。けど、全く良くならなくてな……」

「そう、なんですか……」

相原くん、なんでそんな状態で来たの?

もう少し休めば良かったのに。

「で、その久々に来た日の前日」

もう、怖いよ。

それから先を聞くのが。

「奥寺に会いたい」

最初から話してた森さんと、さっきまで黙ってた中澤さん
が同時に言った。

私はその二人を見た。

二人はそれを確認する事もなく続けた。

「相原が、そう言った。もちろん俺らは止めたよ?」

「けど聞かなくてな」

「相原くん……」

「気付いてた?調子悪そうなの」

「ただ話してただけじゃ分かりませんでした……」

「他の何かで気付いたの?」

私は森さんの言葉に頷き、続けた。

「少し、痩せたかな…って……」

「そうか……まぁそりゃそうだわな」

「えっ…?」

「食欲もないらしくて」

本当にただの風邪なのかな。

まぁ、小さい頃から一緒にいる二人が言うんだからそう
なんだろうけど。

「それで確かに痩せた」

「で、何回か抱いたでしょ?」

「抱き上げた、っていうか……」

「最近それ、出来た?」

私は中澤さんの言葉に首を振った。

「分かっちゃうから。抱かれたら」

「重さでも、触った感じでも」

重さで分かるって、そんなに?

「まぁ、そんな感じ」

いやいや、どんな感じですか。

「だから、傍に居てやってくれ」

「もちろんですけど……」

二人は笑ってくれた。

私達は三人でカーテンの中へ。


<2016/08/06 23:45 秋の空>消しゴム
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