おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
Best Friend〜姿を変えた君と〜


今日も気付けば朝になっていた。

俺は少し急いで準備をして家を出た。

「わっ!朝から何……」

「ふふっ、一緒に行ってくれるんでしょ?」

「行くんだけど……」

隠れてないでよ。

「目ぇ覚めたっしょ?」

「はい」

そう言わないと終わらない。

俺は隣を歩く夕里を見た。

綺麗な髪の間から見える彼女の顔はとても暗かった。

「大丈夫だよ」

「うん」

夕里はなんとか笑っている感じだった。

健、来るのかな。





俺らは教室に。

そこには愛生だけが居り、他はまだ誰も来ていなかった。

健、も。

「おっはーっ」

「はぁい。朝からお元気で」

「とっても元気よ?」

何か怖い。

けど、愛生にはこれくらいで居てほしい。

なんの無理もしないで、この姿で。

「健くん……」

夕里が自分の席で健の席を見つめながら名前を呟く。

「夕里、何かあったの?」

愛生が心配そうに俺に聞く。

「ちょっと健が心配みたい」

「昨日、帰っちゃったもんな……今日、来れんのかな」

「どうだろうね。でも落ち着けば来れるようになるよ」

「だと、良いんだけどな……」

俺はなんとなく窓の前に立ち、外を見てみた。

そこに健らしき人はいなかった。

「いる?」

俺は愛生の言葉に首を振り、席に戻った。

「健くん……」

軽く泣きそうになってる夕里。

「大丈夫だよ。もし今日は来なくても明日来るかしれないし」

「うーん」

「はいっ、そんなに心配しないで」

俺はそう言って夕里を席に座らせた。

2、3日休むようならちょっと危ないかもね。






今日、健は来なかった。

しばらく遅刻で来ることも期待していたが、もう午後。

無理なら、無理で良いんだよ。

やっと、少し分かったみたいだね。

無理なら無理。

無理に来る必要はない。

夕里は、もう持たなそう。

もう、いろいろ。

「夕里っ!」

「あっ、愛生……」

「気にすんなって。明日は来るかもよ?」

「うん……」

もう今にも泣きそうな夕里。

「大丈夫だよ。一緒に帰ろ?」

俺の言葉に小さく頷く夕里。

もう健くん大好きなんだね。





俺は愛生と一緒に夕里を家まで送り、家に帰った。


健、しばらく何も考えないで休んで。

そして、最高の笑顔を夕里に見せてあげて。

それまで、夕里は俺らが支えてるから。

1日も早くその日が訪れることを、俺らは願っている。


<2016/07/31 20:57 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.