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Best Friend〜姿を変えた君と〜


「健くん」

何だろう。

この目、どこかで見たことある気がする。

宮河健。

そんな人居たっけ。

私が関わってきた中ではこの健くんが初めて。

健って人が居なかったもんね。

「ありがとね」

私が言うと、健くんの表情が少し変わった。

変わるんだね。

ただ見てたらどっちも無表情なんだけど、こうして
話しながら見てると、ほんの少し違う。

「いろいろ大変だよね」

健くんに見られてる。

ただ見られてるだけなのに、なんでこんなに緊張するの?

もう。

「だって、弟と一緒に居て、ね?」

「そのうち……どうにかなんだろ…」

かっこいい人。

顔もだけど、性格も。

「今まで…ずっと……そうしてきたから」

ずっと。

「ずっと?」

そんなにいろいろあったの?

「すっと、ってほどじゃない、かな?」

えっ、笑った?

今、笑った?

なんでこんなに嬉しいんだろう。

あの人が笑った時の感覚と、似てる。

えっ、あの目って、もしかして……

「ちょ、ごめんね?」

私は健くんの顔を覗き込んだ。

完全に変な人。

そう思われても良かった。

「えっ、えっ?」

「えっ?」

普通なところあるんだ。

普通に話すんだ。

今まで見てきた中で一番人間らしい。

つい健くんを見つめる。

健くんは何も言わず、私を見てる。

最初に目を逸らしたのは私だった。

無理だよ。

耐えられない。

そんな目で見られたら。

宮河ワールドに引き込まれる。

「大丈夫…」

「えっ?私?」

健くんの口だけが笑った。

なんとなく、だけどね。

けど、彼に表情があって安心した。

人間なんだね。

生きてる……

「あっ……」

じゃあ、あの人みたいに……

いつか……

嫌だ。

今のうちに、話したい事は話しておかないと。

彼が、教えてくれたから。

「健くん……」

私が呼ぶと少し優しくなった視線を私に送った。

「大丈夫?」

「ん?」

「いや、何でもない」

私はすぐに目を逸らした。

けど、健くんはしばらく私を見ている。

「健くん?」

健くんはほんの少し笑った。

確かに笑った。

自然な感じは、なかったけど。

「ちょっと、ごめんね?」

私は健くんの顔を覗き込んだ。

本日二度目。

この目、やっぱり絶対どこかで見た。

あ、目逸らされちゃった。

「ごめんね?」

「いや……」

何だろう。

何なんだろう。

凄い気になる。

これ絶対、いつかどこかで見たもん。

ダメだ。

何も分かってない。

前から思ってたけど、緊張、してる?

「ねぇ、健くん?」

健くんは何も言わず、下を向いていた。

『関わりたくない……』

やっぱりそうだ。

あの時の、あの人と同じ目だ。

私は視線を健くんの顔からそのまま健くんの手元に
下ろした。

震えて…る?

私はそっと健くんの震える手に触れようとした。

「あっ、ごめんごめん……」

あの人と同じだ。

この、反応。

「ねぇ、人が怖いの?」

健くんは何の反応もしなかった。

あの人より、重いかも。

大丈夫。

私が居てあげる。

どんな時も、そばに。

ごめんなさい。

内容『大丈夫』と同じですね。

苦手な方、すみませんでした。
<2016/07/29 20:45 秋の空>消しゴム
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