健くん、大丈夫かな。
優が戻ってきたってことは今、愛生と居るのかな。
私もそばに居てあげたいのに。
健くんが、それを望んでるかは分からないけど。
私は今日も空を見上げた。
君を思って。
君のことだけを、考えて。
会いたい。
それで、もう一度だけ、私に答えを教えてほしい。
健くんに、私が出来る事を。
無いなら無いと、教えてほしい。
私は自分が今、健くんに出来る事を何も知らない。
何かをしてあげたい、支えてあげたい。
そんな気持ちは、こんなにあるのに。
健くんにとって私がどんな存在なのかも、分かってない。
ただウザくてしつこい同級生なのか、頼れる、大事な友達なのか。
自分ではただのしつこい同級生だと思ってる。
だから、健くんが保健室に居るなんて知らなくて
よかった。
行きたくなるから。
行っちゃうから。
優でもその場に居られないほどだったのかな。
健くん、結構優のことは好きそうなのに。
好きとか嫌いの問題じゃないんだろうけどね。
その時、健くんがどんな精神状態かで、私達の必要性は
大きく変わる。
一人が嫌な時は、ただそっと、余計な事は何も言わずに
そばに居てあげればいい。
私はしばらく空を見たあと、前を向いた。
「宮田さーん?お空にどんな夢を描いてるのかな?」
空に描く、夢。
それは元気になった健くんと、愛生と優と居ること。
ただそれだけ。
けど、今の私達には、すごく難しい。
あの人が、居ないから。
答えを、ヒントを教えてくれないから。
「みーやーたー。いい加減にー?」
「夕里ちゃん?健くんのこと?」
後ろの女の子が心配そうに言う。
「ううん。大丈夫」
私は前を向いた。
「あっ、そういえば宮河居ないな」
今気付いたんだ。
私も、優に聞くまで知らなかったけど。
「宮河は?」
「保健室に、居るはずです……」
そう言った優の声が、なんとなく暗かった。
「あいつ大丈夫かな」
うーん。
私達が居なければ大丈夫じゃないですか?
「最近何か変だよな」
先生のその言葉で、生徒たちの視線はみんな私の隣の
席へ。
私の、視線も。
「あの、先生何かって……」
「分からない。けど、何か……」
ダメダメじゃん。
何かが変って。
その何かが知りたいの。
「はぁ」
何よ。
先生に八つ当たり?
くだらない事して。
しかも心の中でそれをする。
バカみたい。
私は両手で顔を覆った。
「宮田?」
「すみません。授業、続けて下さい」
「あっ、おぉ……」
健くんのことだけを考え、今回の授業も終わった。
というか、今日がそんな感じで終わりそう。
健くん、無駄な心配してごめんね。
健くんは、一人でも大丈夫なんだろうに。
健くんは、きっと強いから。
負けないから。
どんな事にも。
私とは、全て違うから。
真逆だから。
そうだよね。
健くん。
「宮崎!」
先生が慌てて優を呼ぶ。
「はい」
それに優も驚いているよう。
「宮河と宮本が居ない!」
私は優を見た。
優は首を振った。
「宮河と宮本は二人でいたんだろ?」
「はい」
「二人で……デートか」
先生のふざけたような本気の言葉に生徒全員がずっこけ
そうになる。
「何ふざけた事言ってるんですか!」
気付けば、叫ぶように私はそう言っていた。
教室内は一気に静かになる。
「もう、もうそっとしといてあげましょ?」
「夕里?」
いろんな呼び方で呼ばれる。
けど一番最初に聞こえたのは、優の心配そうな声だった。
「宮田、何か知ってるのか?」
私は首を振った。
「放っとくの?」
初めて話すような子に聞かれる。
私はもちろんその言葉にも首を振った。
「放っとくじゃない。そっとしといてあげるの」
「ん?どーゆー意味?」
「放っとくって、ただ何にも考えないで、何もしないって感じじゃん?そっとしとくのは、その人の事を思って
何もしないの。私は、そう思ってる」
「宮川くん、今そうしなきゃいけない状態なの?」
私は少し独特な女の子の声に頷いた。
「宮田、やっぱお前なんか知ってんのか」
「そんなに詳しいことは知りませんよ」
「けど、全く知らないってわけでもないんだろ?」
私は下を向いた。
もう、何も聞かれないように。
何も答えたくなかったから。
健くんの、ためにも。
「宮田、俺には教えてくれよ」
先生が必死に聞こうとする。
「嫌です」
私は絶対に言わない。
こんな、必死になってるような人には。
もっと冷静に考えられる人じゃないと。
しかも、学校の人たちは健くんから見たら全員敵。
敵に現状を伝えるなんて。
「保健室、か。宮河先生なら」
そう言って教室を出ようとする先生。
「やめてください!」
そう言った私の声は、とても綺麗なものではなかった。
それが効いたのか、先生は振り返った。
「もう、言ったじゃないですか。そっとしといて
あげましょうよ。それが、今の健くんに私達ができる
最も良い事です」
「宮田……」
再びいろんな人がいろんな呼び方で私を呼ぶ。
それで教室内はざわつく。
そのざわつきと私の叫び声を聞いた先生が数人、教室の
前に集まってくる。
「どうしたんですか?」
女の人の、優しめな声。
「すみません。何でもありません。失礼します」
私はとてもその場には居られず、今日は帰った。
優が戻ってきたってことは今、愛生と居るのかな。
私もそばに居てあげたいのに。
健くんが、それを望んでるかは分からないけど。
私は今日も空を見上げた。
君を思って。
君のことだけを、考えて。
会いたい。
それで、もう一度だけ、私に答えを教えてほしい。
健くんに、私が出来る事を。
無いなら無いと、教えてほしい。
私は自分が今、健くんに出来る事を何も知らない。
何かをしてあげたい、支えてあげたい。
そんな気持ちは、こんなにあるのに。
健くんにとって私がどんな存在なのかも、分かってない。
ただウザくてしつこい同級生なのか、頼れる、大事な友達なのか。
自分ではただのしつこい同級生だと思ってる。
だから、健くんが保健室に居るなんて知らなくて
よかった。
行きたくなるから。
行っちゃうから。
優でもその場に居られないほどだったのかな。
健くん、結構優のことは好きそうなのに。
好きとか嫌いの問題じゃないんだろうけどね。
その時、健くんがどんな精神状態かで、私達の必要性は
大きく変わる。
一人が嫌な時は、ただそっと、余計な事は何も言わずに
そばに居てあげればいい。
私はしばらく空を見たあと、前を向いた。
「宮田さーん?お空にどんな夢を描いてるのかな?」
空に描く、夢。
それは元気になった健くんと、愛生と優と居ること。
ただそれだけ。
けど、今の私達には、すごく難しい。
あの人が、居ないから。
答えを、ヒントを教えてくれないから。
「みーやーたー。いい加減にー?」
「夕里ちゃん?健くんのこと?」
後ろの女の子が心配そうに言う。
「ううん。大丈夫」
私は前を向いた。
「あっ、そういえば宮河居ないな」
今気付いたんだ。
私も、優に聞くまで知らなかったけど。
「宮河は?」
「保健室に、居るはずです……」
そう言った優の声が、なんとなく暗かった。
「あいつ大丈夫かな」
うーん。
私達が居なければ大丈夫じゃないですか?
「最近何か変だよな」
先生のその言葉で、生徒たちの視線はみんな私の隣の
席へ。
私の、視線も。
「あの、先生何かって……」
「分からない。けど、何か……」
ダメダメじゃん。
何かが変って。
その何かが知りたいの。
「はぁ」
何よ。
先生に八つ当たり?
くだらない事して。
しかも心の中でそれをする。
バカみたい。
私は両手で顔を覆った。
「宮田?」
「すみません。授業、続けて下さい」
「あっ、おぉ……」
健くんのことだけを考え、今回の授業も終わった。
というか、今日がそんな感じで終わりそう。
健くん、無駄な心配してごめんね。
健くんは、一人でも大丈夫なんだろうに。
健くんは、きっと強いから。
負けないから。
どんな事にも。
私とは、全て違うから。
真逆だから。
そうだよね。
健くん。
「宮崎!」
先生が慌てて優を呼ぶ。
「はい」
それに優も驚いているよう。
「宮河と宮本が居ない!」
私は優を見た。
優は首を振った。
「宮河と宮本は二人でいたんだろ?」
「はい」
「二人で……デートか」
先生のふざけたような本気の言葉に生徒全員がずっこけ
そうになる。
「何ふざけた事言ってるんですか!」
気付けば、叫ぶように私はそう言っていた。
教室内は一気に静かになる。
「もう、もうそっとしといてあげましょ?」
「夕里?」
いろんな呼び方で呼ばれる。
けど一番最初に聞こえたのは、優の心配そうな声だった。
「宮田、何か知ってるのか?」
私は首を振った。
「放っとくの?」
初めて話すような子に聞かれる。
私はもちろんその言葉にも首を振った。
「放っとくじゃない。そっとしといてあげるの」
「ん?どーゆー意味?」
「放っとくって、ただ何にも考えないで、何もしないって感じじゃん?そっとしとくのは、その人の事を思って
何もしないの。私は、そう思ってる」
「宮川くん、今そうしなきゃいけない状態なの?」
私は少し独特な女の子の声に頷いた。
「宮田、やっぱお前なんか知ってんのか」
「そんなに詳しいことは知りませんよ」
「けど、全く知らないってわけでもないんだろ?」
私は下を向いた。
もう、何も聞かれないように。
何も答えたくなかったから。
健くんの、ためにも。
「宮田、俺には教えてくれよ」
先生が必死に聞こうとする。
「嫌です」
私は絶対に言わない。
こんな、必死になってるような人には。
もっと冷静に考えられる人じゃないと。
しかも、学校の人たちは健くんから見たら全員敵。
敵に現状を伝えるなんて。
「保健室、か。宮河先生なら」
そう言って教室を出ようとする先生。
「やめてください!」
そう言った私の声は、とても綺麗なものではなかった。
それが効いたのか、先生は振り返った。
「もう、言ったじゃないですか。そっとしといて
あげましょうよ。それが、今の健くんに私達ができる
最も良い事です」
「宮田……」
再びいろんな人がいろんな呼び方で私を呼ぶ。
それで教室内はざわつく。
そのざわつきと私の叫び声を聞いた先生が数人、教室の
前に集まってくる。
「どうしたんですか?」
女の人の、優しめな声。
「すみません。何でもありません。失礼します」
私はとてもその場には居られず、今日は帰った。
