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Best Friend〜姿を変えた君と〜


健は1時間授業を受けた。

今の健には凄すぎる事。

来てるだけでも凄いのに。

先生にも指されなかったし。

先生も指せなかったんだろうね。

あんなオーラ放ってたら。

今も放ってる。

あの誰も寄せ付けない感。

なんかクールってより不良みたい。

多分あたし以外一人しかいないね。

そんな健に、話し掛ける奴は。

「健くん」

うわ、掛けた。

「愛生?」

「ちょ、静かに」

もしもあそこに彼女が居たなら、相当、何か。

凄い奴。

足音を立てずに歩き、気配を消す。

あたしには絶対出来ない。

気付けば何かしら音を出してる。

んで必ず後ろに立てば気づかれる。

あたし独特の威圧感があるらしい。

まぁ、気にしてないけど。

「健くんよく来たねっ」

健、無視。

「無理しなくて良いんだよ?もう保健室行ったら?」

夕里、しつこい。

「健、くん?」

健、無視続行。

「なるほどねぇ」

「そういうことっ」

「あれさ、苦手じゃないよね」

あたしは何を言い出すか分からなくなってきた優を見た。

「あれ、苦手とか嫌いって感じじゃない」

鋭すぎない?

「怖がってね?」

てね?

「そうか?あたしにはそうは見えないけど」

優も正直少し気を付けた方が良いかも。

「さらに仲良くなったんでしょ?気付いてあげてよ」

気付いてるどころか分かってる。

けど、あなたには、ちょっと。

優と夕里は今も昔も仲が良い。

すると、二人して何を考えてるか分からない。

「気付いてあげたいけど、ほらあたし、鈍感だから」

「もうちょっと気にしてあげてね?」

かなり気にしてる。

「そうだよね」

あたしは健の近くに。

「あ、愛生っ」

「夕里っ」

夕里はいつもの笑顔を見せる。

「あら健くん、今日も機嫌悪いの?」

「別に」

「久々に聞けたぁっ!ずっと聞きたかったの!」

この明るさがまた怖い。

健ももう放ってるオーラ分かんないし。

「二人何かあったの?」

「何もないわよ?ねっ、健ちゃん」

健は鼻で笑った。

そう。

そんな感じ。

あれ、でもこの健が好きだったら……

って、この女は何考えてるの?

健は何も言わず、教室を出た。

「健くんが健くんになった!」

そう言ってあたしに抱きつく夕里。

やっぱり良い子なんじゃないの?

でも、健があんなにビクビクするって……

いろいろ不安定な時期だから?

ダメだ。

ワケが分からなくなってきた。

「良かったよぉ……」

えっ、泣いてるの?

「ゆ、ゆり?」

「ふふっ、健くんが……」

そんなに嫌な子の気がしないんだけどな。

けど健のカンってだいたい当たるよね。

今までずっとそうだった。

アイツなら、夕里をどう思うんだろう。

あたしは夕里に抱きつかれながら窓の外を見た。

その時、ポケットで携帯が振動する。

「ちょっ、ごめんね?」

あたしは教室を出ようとした。

「えっ……」

その時、背中に強烈な視線を感じた気がした。

あたしはその方を見た。

そこには、笑顔の夕里が。

あたしはその不気味な夕里の笑顔に笑い返し、廊下へ。

「どう」

「わっ、バカ。驚かすな」

「その気はなかったけど」

健、切り替えが上手すぎる。

踊り場での健はどこへ。

「で、どう。あっ」

健はあたしの腕を引き、何かの影に隠れた。

なんだろう、これ。

「はぁ……」

健は壁に寄りかかり、そのまましゃがんだ。

「で、どう」

「どうって何よ」

「夕里だよ」

「あんな短時間で本性暴けるわけ無いでしょ!?」

あたし、よく声抑えた。

やっぱり自分へのご褒美、買うべきだね。

「っか……」

「今度席替えあるじゃん?」

「あ、そうなんだ……」

「あたしが言ってあげる」

「何を」

「あたしと健を隣にしろって」

「は?」

健が可愛らしい顔であたしを見上げる。

「大丈夫っ。あたしなら出来るわ」

あたしはこの時、人生初のウインクをした。


<2016/08/02 10:37 秋の空>消しゴム
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