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Best Friend〜姿を変えた君と〜


私は今日も学校へ。

隣の席には愛生が居る。

愛生は私を信じてる。

だから、きっと何でも教えてくれる。

そうだよね。

愛生、ちゃん。

楽しくて笑顔が溢れる。

「何か良い事でもあった?」

この席替えの結果よ。

「ううん。何も?」

「なんか楽しそうだったよ?」

「愛生と隣になれたからかな?」

「ハハッ、あたしも嬉しいよ」

ほら。

簡単な子。

けど、あなたには少し教えて欲しい事があるだけでね。

そのためにこうしたの。

健くんには、席も少し離れてもらった。

これが一番良い。

これだけ離れていれば。

健くんも聞こえないでしょう。

少しの間、待っててね。

今度の席替えまでに全て知っておくから。

そうしたら、また隣になろうね?

私が隣にしてあげる。

私が頼めば何でもしてくれる人が居るから。

ねっ。

先生?

本当に楽しい。

「ねぇ、愛生?」

「ん?」

「一つね、ずっと気になってた事があるの……」

私は少し下を向いて言った。

「何?」

かかった。

心の中で控えめにガッツポーズ。

「保健室の、宮河先生って、居るじゃない?」

「なんかよく分かんない人ね?」

私は頷き、続けた。

「あの人って、健くんと何か関係がある人なのかな?」

私が言うと、愛生の顔つきが明らかに変わった。

これは少し計算外。

「愛生?」

「あっ、いや、どうだろうね?分かんない」

「そっかぁ。私達、何も分かってあげられてないね……」

私、達。

あなたも同じ。

「そうだね……」

認めたね?

健くん、今あなたが一緒に居る人、何も分かってないよ?

私の方が分かってるかもよ?

まぁ、ゆっくりで良いよ。

そのうち、分かってくれるでしょうからね。

あなたなら、健くんなら。

「健くん、今までどれくらい辛い思いしてきたんだろう…」

「どうだろうね。あたしたちが知らないところでも、
かなり頑張ってたんだろうね……」

この人、何も知らないじゃん。

私の方が知ってそう。

ダメだよ。

必死になっちゃ。

この子にだけは負けないんだから。

負ける理由なんて見当たらないでしょ?

こんな事、考えてる時点で負けてるのかな。

いや違う。

そう思ってしまう程気にしてるの。

そうよ。

気にしてるの。

健くんを。

健くんの事だけを、ずっと。

ずっと気にしてて、考えてて。

一番に、最優先に。

自分の事よりも、友達の事よりも。

あなたのことを、最優先に。

「いやぁ、凄いね」

少しわざとらしい愛生の言い方。

「愛生?」

「こんなに男子が居るのに。女子より男子の方が
多いのに」

「どういうこと?」

「あたしたち、よく席隣になったね」

愛生はかっこいい、チャームポイントの猫のような目で
私を見た。

「そうだねぇ。何かあるのかもっ。ふふっ、なんてね?」

「本当。何か、あるみたいね。何か」

何、この子。

私がこうしたことに気付いてるの?

ならそのまま言いなさいよ。

こんな分かりづらく言わないで。

結構めんどくさい女。

ただ健くんの事を教えてもらうためだけに隣になって
あげたのに。

本当はもっとかっこいい男の子と隣が良かったわよ。

けど私は、あなたの大切な大切な幼馴染のためにこうしてあげたの。

ちゃんと、仲の良い優くんと隣にしてあげたしね。

感謝してほしいわ。

「運命ってやつかなぁ?」

「ふふっ、そうかもね。運命」

この自信あり気な態度がたまらなくムカつく。

少し綺麗な顔してるからって。

人間、顔じゃないのよ。

そのうち、あなたにも分からせてあげるわ。

健くんが分ってくれればこのバカ女も分かるはずよ。

いくら、バカでもね。

今までずっとそばに居た幼馴染が急に私の方に来たら。

分かる、わよね?

私があなたに勝ったの。

「ふふっ」

その時が、楽しみね。

まぁ、そう遠くはないでしょうけど?

ね?

健くん?

そうだよね。

健くん、そして空の上の、あなたも。


<2016/08/02 13:16 秋の空>消しゴム
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