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Best Friend〜姿を変えた君と〜


私はただ走った。

あの、健くんと優の居る、彼の場所へ。

愛生と、何故か担任と保健室の先生と一緒に。

保健室のはまだ良いとして、担任は。

授業無いのかよ。

そんな事を考えながら走っていたら、いつもより早く
着いた。

「健っ!」

私は健くんに思い切り飛びついた。

「わっ!」

健くんはそれを受け止められる、強い身体の持ち主。

「健〜っ」

「じゃあっ!あたしもっ!」

そう言って愛生は優に飛びついた。

「うわっ、愛生?」

「しょうがないから」

そして大人二人が見つめ合ってる。

「うーーっわっ!」

私達 四人の声が同時に言う。

「すっげぇ〜っ」

健もビックリ。

「生徒の前で!?」

愛生、バカにしすぎ。

「まさかの〜?」

優、言ってあげる?

「キーッス!」

私は叫ぶように言った。

「引くわぁ。もっと美男美女の見たかった……テンション
だだ下がり〜」

愛生、本気で下がってる。

そしてそれを気にせず長めにするいい年した大人二人。

「健、ごめんね……」

「夕里、くん取れた!」

愛生が嬉しそうに言う。

「俺もごめん……」

「違う、私、いろいろ探ってた」

「うわうわうわ」

優が場を盛り上げるように引く。

「だからそんなに分かったんだ」

「嫌じゃないの?」

「別に?」

いいんだ。

「俺、怖かったけど、嬉しかった」

「まった健は難しい事言い出して」

愛生が近所のおばさんみたいに言う。

「そんだけ、怖いって思うほど。分かってもらえて」

「健っ」

「あっ、もう聞くけどさ、健とミヤカワ先生の関係って何なの?」

「あっ、全く関係なんて無いわよ?」

「はぁ!?」

これには私達四人もビックリ。

絶対何かあると思ったのに。

「しかも、私の名前はミヤカワじゃなくてミヤガワね?」

『ガワ』を強調する、ミヤカワ先生。

やっぱりミヤカワが呼びやすい。

「んじゃあ、健と担任のこの男は?」

「宮本?名前で呼びなさい?」

「はぁ?いいだろ?あたしらただの生徒と教師じゃ
ねぇんだから」

「はぁ!?」

これにも私達四人はビックリ。

愛生と、担任の先生以外の四人。

「何だっけ?ウチの親の兄弟の友達………みたいな」

「遠っ!」

「はぁい、ピッタリのいただきましたぁ」

「嘘なの?」

愛生は少し必死に否定した。

本当なんだ。

「あっ、健、転校生ね、久城 杏梨だって」

「えっ、ほんとに?」

「えっ、久城杏梨って、健の……」

「そっ。みんな以外の大切な人っ」

みんな以外とか。

可愛すぎない?

またこの笑顔もね。

「やっぱり健は笑ってないとっ」

やっと言えた。

ずっと、言いたかった事。

もう、今なら良いよね。

今なら言っても無理に笑ったりしなそう。

「あれっ、何してんの?」

その声が聞こえると愛生と健はいけないものを聞いたような顔で見合った。

先生二人はその場からどいた。

「姉ちゃん……」

「翔……」

愛生のお姉さんと翔くん。

「あたしたち付き合ったのっ!」

「はぁ!?」

私達、何回驚いたらいいんだろう。

「バーカ。嘘だよ」

「はぁ〜?」

本当にピッタリ。

「健くん、笑えるようになったね」

「あっ、どうも」

「やっぱり健くんは笑ってたほうがいいよ?可愛い」

健は恥ずかしそうに笑った。

それも最高に可愛かった。

それを見て笑う翔くんも、同じ笑顔だった。

「よしっ!彼にお礼しに行くよっ!」

「イェーイ!」

私達四人と、翔くんと愛生のお姉さんは銀杏の木に
向かって猛ダッシュ。

そして真っ青に晴れ渡る空に向かい、お礼の一言。

「ありがとうございましたっ!」

これからも、よろしくね。

「って、翔くん、学校は?」

「あぁっ!」

「はぁい!あんたらも行きなさい?」

愛生のお姉さんの言葉を合図に、私達は再び走りだした。

何も、考えずに。

無になって。

健、これからは笑って過ごそうね。

って思ってるそばから泣いてる健。

えっ、泣いてる?

「健?どうした?」

「泣いてねぇし」

「超泣いてっから」

「泣いてねぇし」

「笑えて良かったね」

「みんなが居たから…」

あっ、止まっちゃったよ。

みんなもすぐに気付き、戻ってくる。

「何〜?夕里ったら男の子泣かせちゃったの?」

「勝手に泣いたのよ!?」

「みんなに泣かされた」

「健〜っ!」

健はみんなに頭を撫でられたり、抱きつかれたり。

もうぐしゃぐしゃ。

なのにかっこいいのね。

さすが、宮河 健。

「はーい、戻りなさい!」

私達は再び走りだした。

健も、すぐに泣き止んで笑った。

どうか、こんな時を、ずっと続けて。

これからも、私達を見守ってて。

この、Best Friendとの、スクールライフを。

イチョウの木に、姿を変えた君への、私の願い。


今回も最後まで、本当にありがとうございました。

もしかしたら、続編も書くかもしれません。

その時は、よろしくお願いします。

そしてこれからも、よろしくお願いします。

<2016/08/02 18:57 秋の空>消しゴム
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