学校の帰り道。
健くんの普段と全く変わらない、変わらなすぎる泣き顔が頭から離れなかった。
『ゆり……』
私の名前を呼んでくれた、健くん。
私はあの健くんの声と顔を思い出しながら、あの場所へ。
君の居る、この場所。
唯一君に会える場所。
「また来ちゃった……」
私は君の木に話しかけるように一人で呟いた。
「私は……健くんに、何が出来るかな……」
何も聴こえない。
誰も、何も言わない。
けど、それがこの場所。
誰も来ない場所。
一人に、なれる場所。
君に見守ってもらえる場所。
「ねぇ……」
私の頬を伝う涙は、今朝よりよっぽど多く、勢いも
あった。
私は今日もこの場に座った。
もう一度だけ、私にヒントをちょうだい……
私に、出来る事を教えて……
健くんは、あなたと同じ事を望んでる?
なら分かるんだけど、健くん……何か……
私は今回もしばらく泣いた。
私はやっと自分の部屋へ。
部屋では泣かなかった。
ただ、健くんの事は考えずにいられなかった。
「夕里〜っ?」
お母さん。
「は〜い?」
「ちょっとさぁ、卵買ってきて〜っ」
卵。
自分で行けば良いじゃない。
けどそんな事を言ったら命が危ない。
「今行ってくる〜っ」
はぁ。
私は仕方なく着替えを始めた。
「ってきまーす」
「ごめんねー?」
本当だよ。
こっちゃ考え事してるのに。
健くんの事を考えていたらスーパーに居た。
「卵、か」
独り言。
悲しいね。
私は卵売り場へ直行した。
私は少しでも早く帰りたかったから早歩きで向かった。
その時、誰かに勢い良くぶつかる。
「あっ!ごめんなさい……」
「いえ」
「あれっ?」
「夕里じゃん」
「愛生じゃん」
「なぁにしてんの?こんなとこで」
「お母さんに頼まれてね」
私は買い物カゴを見せながら言った。
「何頼まれたの?」
「とりあえず、卵だって。他に飲み物とかお菓子も
買っちゃうけど」
「ハハハッ、怒られんなよ〜?」
「ふふっ、慣れてるから大丈夫よ。じゃあ、また明日」
「うっす」
私は適当に卵を1パック取り、飲み物売り場へ。
結構余計なものをカゴに入れ、レジへ。
「ただいまぁ〜っ」
「おっ、夕里、おかえり。ありがとね」
「とっても疲れましたわ」
「ふーん」
怖い言い方。
私はお菓子とジュースを持って自分の部屋へ。
私は少し早いけど布団を敷き、そこに座った。
「もー寝ちゃおっかな〜っ」
なんとなく一人で騒いでみる。
余計寂しくなっただけだったけど。
『俺……ゆりさん……』
『ごめん……まだ…だめかも……』
何を言おうとしてたんだろう。
この、私に。
今の私がやるべきことは、健くんにあの後の言葉を
言わせてあげる事。
私から悟ってあげても良いんだけど、きっと健くんは自分で伝えたいだろう。
健くんは、きっとそういう人。
「あっ」
後で連絡先、教えてあげよっかな。
何考えてるんだろう。
連絡先、か。
私は部屋の中の雰囲気を明るくするために、
テレビをつけた。
なんとなく、寂しかったから。
愛生と健くんとは中学に入ってから知り合った。
私と優も、愛生と健くんと同じように保育園の頃からの
幼馴染。
あの二人は幼稚園だったみたいだけどね。
それで小学校は違って、中学 高校一緒。
5歳から12歳くらいまでを違う所で過ごしてきた私達。
よくここまで仲良くなったと思う。
愛生のことは呼び捨てだし。
愛生も優のこと呼び捨てだし。
優と愛生はみんな呼び捨てかも。
私は健くんだけくんが付いてる。
健って感じじゃないんだよね。
健くん。
それが一番しっくりくる。
優と愛生は優と愛生でいいんだよね。
けど、健くんは健くん。
「あっ……」
またやってしまった。
頭の中ごちゃごちゃ。
私は布団にもぐった。
テレビの音も聞こえない。
部屋の明かりも見えない。
あの人が居なくなってすぐの、あの場所にも行けなかった頃みたい。
あの人が居ないという事実から逃げてただけの、あの頃。
信じたくなかった。
信じられなかった。
居ないなんて。
会えないなんて。
今も思い出しただけで泣きそう。
健くんの前では泣かなければ良いか。
私は絶対、健くんの前では泣かない。
私が泣いたら、健くんが泣けないから。
健くんがまたさらに、自分で居られなくなっちゃうから。
私はただ、健くんが自分で居られるお手伝いをしたい
だけ。
だから、健くんが自分で居られるようになったらまた
ただの友達になる。
今もただの友達なんだろうけど。
親友って、どんなものなんだろう。
健くんにとって私も、そんな存在になれたらいいな。
いつか、全てをさらけ出せる場所になってあげたい。
全て流して、笑わせてあげられるような、存在に。
それには私が強くならないと。
優しくならないと。
健くんを、優しさで包み込めるように。
健くんを、強さで勇気づけられるように。
私にとってのあの人みたいになりたい。
健くんも、あの人みたいになるのかな。
あの人だって最初は健くんみたいな感じだった。
なのに、今は居なきゃいけない人。
私の太陽。
私の人生の暗闇を照らしてくれる、太陽。
それが失くなったら私はどうなるよ。
こうなった。
自分で今の自分を分かってないんだけど。
気付いたら私は泣いていた。
健くんの普段と全く変わらない、変わらなすぎる泣き顔が頭から離れなかった。
『ゆり……』
私の名前を呼んでくれた、健くん。
私はあの健くんの声と顔を思い出しながら、あの場所へ。
君の居る、この場所。
唯一君に会える場所。
「また来ちゃった……」
私は君の木に話しかけるように一人で呟いた。
「私は……健くんに、何が出来るかな……」
何も聴こえない。
誰も、何も言わない。
けど、それがこの場所。
誰も来ない場所。
一人に、なれる場所。
君に見守ってもらえる場所。
「ねぇ……」
私の頬を伝う涙は、今朝よりよっぽど多く、勢いも
あった。
私は今日もこの場に座った。
もう一度だけ、私にヒントをちょうだい……
私に、出来る事を教えて……
健くんは、あなたと同じ事を望んでる?
なら分かるんだけど、健くん……何か……
私は今回もしばらく泣いた。
私はやっと自分の部屋へ。
部屋では泣かなかった。
ただ、健くんの事は考えずにいられなかった。
「夕里〜っ?」
お母さん。
「は〜い?」
「ちょっとさぁ、卵買ってきて〜っ」
卵。
自分で行けば良いじゃない。
けどそんな事を言ったら命が危ない。
「今行ってくる〜っ」
はぁ。
私は仕方なく着替えを始めた。
「ってきまーす」
「ごめんねー?」
本当だよ。
こっちゃ考え事してるのに。
健くんの事を考えていたらスーパーに居た。
「卵、か」
独り言。
悲しいね。
私は卵売り場へ直行した。
私は少しでも早く帰りたかったから早歩きで向かった。
その時、誰かに勢い良くぶつかる。
「あっ!ごめんなさい……」
「いえ」
「あれっ?」
「夕里じゃん」
「愛生じゃん」
「なぁにしてんの?こんなとこで」
「お母さんに頼まれてね」
私は買い物カゴを見せながら言った。
「何頼まれたの?」
「とりあえず、卵だって。他に飲み物とかお菓子も
買っちゃうけど」
「ハハハッ、怒られんなよ〜?」
「ふふっ、慣れてるから大丈夫よ。じゃあ、また明日」
「うっす」
私は適当に卵を1パック取り、飲み物売り場へ。
結構余計なものをカゴに入れ、レジへ。
「ただいまぁ〜っ」
「おっ、夕里、おかえり。ありがとね」
「とっても疲れましたわ」
「ふーん」
怖い言い方。
私はお菓子とジュースを持って自分の部屋へ。
私は少し早いけど布団を敷き、そこに座った。
「もー寝ちゃおっかな〜っ」
なんとなく一人で騒いでみる。
余計寂しくなっただけだったけど。
『俺……ゆりさん……』
『ごめん……まだ…だめかも……』
何を言おうとしてたんだろう。
この、私に。
今の私がやるべきことは、健くんにあの後の言葉を
言わせてあげる事。
私から悟ってあげても良いんだけど、きっと健くんは自分で伝えたいだろう。
健くんは、きっとそういう人。
「あっ」
後で連絡先、教えてあげよっかな。
何考えてるんだろう。
連絡先、か。
私は部屋の中の雰囲気を明るくするために、
テレビをつけた。
なんとなく、寂しかったから。
愛生と健くんとは中学に入ってから知り合った。
私と優も、愛生と健くんと同じように保育園の頃からの
幼馴染。
あの二人は幼稚園だったみたいだけどね。
それで小学校は違って、中学 高校一緒。
5歳から12歳くらいまでを違う所で過ごしてきた私達。
よくここまで仲良くなったと思う。
愛生のことは呼び捨てだし。
愛生も優のこと呼び捨てだし。
優と愛生はみんな呼び捨てかも。
私は健くんだけくんが付いてる。
健って感じじゃないんだよね。
健くん。
それが一番しっくりくる。
優と愛生は優と愛生でいいんだよね。
けど、健くんは健くん。
「あっ……」
またやってしまった。
頭の中ごちゃごちゃ。
私は布団にもぐった。
テレビの音も聞こえない。
部屋の明かりも見えない。
あの人が居なくなってすぐの、あの場所にも行けなかった頃みたい。
あの人が居ないという事実から逃げてただけの、あの頃。
信じたくなかった。
信じられなかった。
居ないなんて。
会えないなんて。
今も思い出しただけで泣きそう。
健くんの前では泣かなければ良いか。
私は絶対、健くんの前では泣かない。
私が泣いたら、健くんが泣けないから。
健くんがまたさらに、自分で居られなくなっちゃうから。
私はただ、健くんが自分で居られるお手伝いをしたい
だけ。
だから、健くんが自分で居られるようになったらまた
ただの友達になる。
今もただの友達なんだろうけど。
親友って、どんなものなんだろう。
健くんにとって私も、そんな存在になれたらいいな。
いつか、全てをさらけ出せる場所になってあげたい。
全て流して、笑わせてあげられるような、存在に。
それには私が強くならないと。
優しくならないと。
健くんを、優しさで包み込めるように。
健くんを、強さで勇気づけられるように。
私にとってのあの人みたいになりたい。
健くんも、あの人みたいになるのかな。
あの人だって最初は健くんみたいな感じだった。
なのに、今は居なきゃいけない人。
私の太陽。
私の人生の暗闇を照らしてくれる、太陽。
それが失くなったら私はどうなるよ。
こうなった。
自分で今の自分を分かってないんだけど。
気付いたら私は泣いていた。
