今まで学校や人前で泣いたことはなかった。
けど、今日は泣いた。
別に泣きたかったわけでも耐えていたわけでもない。
気付いたら、泣いてた。
初めてだった。
あんなの。
泣きたかったわけじゃなのに泣いたのなんて。
俺はなんとなく公園にいた。
小さな子どもたちが楽しそうに遊んでる。
こんな、何もない場所で。
それがすごく可愛らしく見えた。
俺は空を見上げ、家に向かった。
「おっ、健」
玄関を開けると弟の翔がお出迎え。
「翔」
「ハハッ、何か良い事でもあった?」
「別に」
「いや健ね、良い事あった時はなんとなくスッキリした
ような顔してんの。んでなんとなく今日もそんな
気がしてさ」
翔はそう言ってリビングへ。
俺は自分の部屋へ。
自分の部屋。
自分のベッドの上。
最高に落ち着く場所。
ここなら誰も来ない。
それが今の俺には安心でもあった。
「健」
「うわっ、んだよ……」
「可愛い女の子が良かった?」
「バーカ」
「ハハッ、今日何が良い?」
別に何でも良いしお腹も空いてない。
「ねっ」
「ん?」
その言い方がなんとなく夕里さんに似ていた。
「あ、麺が良い」
「麺。ざっくり」
「じゃあパスタ」
「了解」
そう言って俺に軽く手を振り、部屋を出る翔。
俺にそっくりな。
前の写真なんか見てるといつも思う。
写真。
最近撮ってもないし見てもない。
中学の頃は小学の頃の写真ばかり見てた。
『あの頃に戻れたら……』
そんなような事を思いながら。
特別楽しかったわけでもない。
ただ毎日行って黒板に書かれてることをそのままノートに写すだけ。
休み時間は席で無になる。
その時間が好きだったのかもしれない。
パーカーのポケットに手を入れ、浅めに座って少し前の
辺りをただ見つめる。
どの時期でもパーカーは羽織ってた。
そのせいで上着はパーカーだけ。
素材が違うだけで色は黒が多い。
たまに派手なのもあるけど。
それは何回かしか着てない。
なんでそんなに目立つ色買ったのか。
今じゃ考えられない。
あっ。
写真といえば。
一枚、やたら気に入ってた写真が。
俺は机の収納スペースからその写真を取り出した。
そう、これ。
芝生が広がる中に一本の大きな銀杏の木があるだけの、
この一枚。
いつどこで撮ったのか。
全く覚えてない。
けど、凄く気に入ってる。
見てると、なんとなく落ち着く気がする。
なんでかは分からない。
本当に、なんとなく。
場所が分かってたら今もそこに居るだろう。
今は銀杏の時期じゃないけど。
これはちょうど時期の頃。
一面輝かしいくらいの銀杏の葉が落ちてる。
その木の真下だけ芝生が見えてる。
俺はその写真を見ながらまた泣いた。
いつもは一回泣けば大丈夫なのに。
『健、大丈夫?』
大丈夫。
そのうちどうにかなる。
今まで、ずっとそうだったから。
だから自分で動かなきゃいけないんだけどね。
分かってるのに、それができない。
前はそんな自分が嫌だった。
嫌でしょうがなかった。
それもいつか、なくなってた。
今はこういう時なんだと、思えるようになっていた。
甘えてるほどに。
俺は目元と写真の涙を拭いた。
けど、今日は泣いた。
別に泣きたかったわけでも耐えていたわけでもない。
気付いたら、泣いてた。
初めてだった。
あんなの。
泣きたかったわけじゃなのに泣いたのなんて。
俺はなんとなく公園にいた。
小さな子どもたちが楽しそうに遊んでる。
こんな、何もない場所で。
それがすごく可愛らしく見えた。
俺は空を見上げ、家に向かった。
「おっ、健」
玄関を開けると弟の翔がお出迎え。
「翔」
「ハハッ、何か良い事でもあった?」
「別に」
「いや健ね、良い事あった時はなんとなくスッキリした
ような顔してんの。んでなんとなく今日もそんな
気がしてさ」
翔はそう言ってリビングへ。
俺は自分の部屋へ。
自分の部屋。
自分のベッドの上。
最高に落ち着く場所。
ここなら誰も来ない。
それが今の俺には安心でもあった。
「健」
「うわっ、んだよ……」
「可愛い女の子が良かった?」
「バーカ」
「ハハッ、今日何が良い?」
別に何でも良いしお腹も空いてない。
「ねっ」
「ん?」
その言い方がなんとなく夕里さんに似ていた。
「あ、麺が良い」
「麺。ざっくり」
「じゃあパスタ」
「了解」
そう言って俺に軽く手を振り、部屋を出る翔。
俺にそっくりな。
前の写真なんか見てるといつも思う。
写真。
最近撮ってもないし見てもない。
中学の頃は小学の頃の写真ばかり見てた。
『あの頃に戻れたら……』
そんなような事を思いながら。
特別楽しかったわけでもない。
ただ毎日行って黒板に書かれてることをそのままノートに写すだけ。
休み時間は席で無になる。
その時間が好きだったのかもしれない。
パーカーのポケットに手を入れ、浅めに座って少し前の
辺りをただ見つめる。
どの時期でもパーカーは羽織ってた。
そのせいで上着はパーカーだけ。
素材が違うだけで色は黒が多い。
たまに派手なのもあるけど。
それは何回かしか着てない。
なんでそんなに目立つ色買ったのか。
今じゃ考えられない。
あっ。
写真といえば。
一枚、やたら気に入ってた写真が。
俺は机の収納スペースからその写真を取り出した。
そう、これ。
芝生が広がる中に一本の大きな銀杏の木があるだけの、
この一枚。
いつどこで撮ったのか。
全く覚えてない。
けど、凄く気に入ってる。
見てると、なんとなく落ち着く気がする。
なんでかは分からない。
本当に、なんとなく。
場所が分かってたら今もそこに居るだろう。
今は銀杏の時期じゃないけど。
これはちょうど時期の頃。
一面輝かしいくらいの銀杏の葉が落ちてる。
その木の真下だけ芝生が見えてる。
俺はその写真を見ながらまた泣いた。
いつもは一回泣けば大丈夫なのに。
『健、大丈夫?』
大丈夫。
そのうちどうにかなる。
今まで、ずっとそうだったから。
だから自分で動かなきゃいけないんだけどね。
分かってるのに、それができない。
前はそんな自分が嫌だった。
嫌でしょうがなかった。
それもいつか、なくなってた。
今はこういう時なんだと、思えるようになっていた。
甘えてるほどに。
俺は目元と写真の涙を拭いた。
