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Best Friend〜姿を変えた君と〜


あたしは健の気持ちに中学の頃、やっと気付いた。

幼稚園の頃から一緒だったのに。

幼稚園から小学校に上がった時は普通に大人しい子だと
思ってた。

小学から中学に上がった頃。

少しずつ休むようになった。

前は数カ月に……

くらいで全く分からなかった。

それが徐々に頻繁になって。

最終的には来なくなった。

きっと夕里と優は知らないだろう。

高校で一緒になった子だと思ってるかも。

『どう思ってても良い』

そう言っちゃえばそれまでだけど。

「はぁ」

なんでもう少し早く気付いてあげられなかったかな。

先生に頼まれて連絡することも何度もあった。

けど、いつもと変わらなかった。

きっと、そうしてたんだろうね。

健……

ごめんね。

今、あたしに出来る事は何かないか。

アイツ、なんか教えてくんないかな。

あたしにが、健にしてあげられること。

無いなら無いであたしはなるべく関わらないようにする。

してあげられることの無いあたしに、唯一出来ること。

なるべく人と関わる時間を短くしてあげる。

ただ、それだけ。

健、大丈夫かな。

あたしが心配したところで元気になるわけでもないけど。

健……

「やべっ……」

健は泣かせるの得意だよね。

泣くのは苦手なくせに。

いつか、あたしらの前で泣ける日が来るといいね。

健、明日も来んのかな。

『無理すんな』

そう言ったところで何も変わらないだろうけど。

でも、本当に無理すんなよ……

良い事なんてねぇのに。

「けんのやつ……」

健の事考えて泣いたのはどれくらいあっただろう。

「愛生〜っ」

マジか……

「何?」

聞こえたかな。

「ちょい、あきぃ〜っ?」

怖い怖い。

「何?」

あたしは部屋のドアを開けた。

「あれっ、どーした?」

「いや、んでもない……」

あたしは目元の涙を腕で拭った。

「で、何?」

「何でもない。ごめんね?」

あたしは閉めたドアに寄りかかり、そのまま流れるように
ドアの前に座った。

姉ちゃんに気遣わせるってよっぽどだな。

あの人は誰にも気を遣わない。

風邪引いて高熱出した時くらいかな。

7℃くらいなら平気で買い物行かされる。

まぁ、世のお母さん方は普通にそうしてるんだろうけど。

「はぁ」

健に明日なんて声掛けよう。

夕里にメールしても良いけど、今は健の事で頭いっぱい
だろう。

あたしなんかより、もっと。

夕里は健だけじゃなくて、アイツも、だからな。

あたしは窓の前に行き、空を見た。

気付いたら真っ暗になってしまっていた、空を。

「あれっ」

あたしは部屋の天井を見た。

電気、ついてるね。

そのまま窓を見た。

カーテン、開いてるね。

中、見えてるね。

あたしは急いでカーテンを閉めた。

「はぁ」

何やってんだか。

今までやった事なかったのに。

つける前にカーテン閉めてた。

あたしはベッドに飛び込み、天井を見つめた。

何もない、真っ白な天井。

何も、ない。

こともないみたい。

虫。

「マジか」

届かないけど。

そのうちいなくなるか。

今はこの虫とお話でも。

クモ、だね。

クモ。

「あぁ〜っ、ダメだ」

全身ウズウズしてきた。

あたしはリビングに逃げた。


<2016/07/30 10:42 秋の空>消しゴム
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