「夕里〜?起きて〜?」
もう起きてる。
「はーい」
私は着替えながらドアの向こうにいるお母さんに応えた。
「しっ。行くか」
私は部屋を出て、そのまま家の外に。
緊張が凄い。
こんなに緊張したの初めてかも。
なんで?
健くん?
そんなに?
私は自分の顔を叩いた。
「ふ〜っ」
よし。
大丈夫。
私は学校へ向かった。
薄暗い、朝の道を歩いて。
あっ、健くん……
今日も来たんだ。
クールモード入ってるんだね。
誰にも、声を掛けられないように。
私は1メートルほど離れて健くんの隣を歩いた。
ちょっと近いかな。
「あっ」
気付いた。
「おはよっ」
健くんは軽く頭を下げた。
先輩じゃないんだから。
そう思いながら健くんに笑顔を見せた。
私はなるべく自然に健くんにペースを合わせながら
教室へ。
嫌だったかな。
もう、すぐ隣に居るけど。
昨日と同じ。
健くんは自分の両腕の制服を掴んでる。
けど、そんな様子を見せてくれるのが少しだけ嬉し
かった。
昨日の健くんはなんか、怖かった。
えっ、隠し切れないほど、とか?
体が少し揺れてる気がする。
『大丈夫だよ』
そう言っても落ち着けるわけがない。
私には、あまり分かってあげられないけど。
けど、あのお方が教えてくれる。
私は空を見た。
さっきより、暗くなってしまった空を。
空くらい笑っててよ。
空までそんなに暗い、今にも泣き出しそうな顔。
私は隣の健くんを見た。
こっちに伝わるほど、緊張してるから。
これで声掛けたら、余計ダメだよね。
私はいつの間にか来てた愛生の席に行くことにした。
「はよっ」
「イェーイ」
うん。
楽しそうでは、ないね。
「愛生?」
少し目が腫れてる気がする。
「何?」
「何かあった?」
「つまんないくらい何も……」
嘘つきが。
「そう…」
愛生がそう言う時は何も聞かれたくない時。
だから私も何も言わせない。
誰でも、隠したい事くらいあるから。
「健のそばに居てあげて」
私は愛生の優しすぎる言い方に愛生を見た。
それに気付いた愛生はニコッと笑った。
私は頷き、自分の席へ。
本当に、大丈夫かな。
そばに居て辛くなってくる。
けど、健くんはもっとだもんね。
今日も呼吸は速く、手元はまるで真冬。
緊張で冷たくなってるんだろうね。
私はあの時、彼にしてあげてたことを思い出していた。
そうだ。
こっちが普通で居てあげればいいんだ。
そんな当たり前な事を忘れていた自分に軽い苛立ちを
抱きながら、私は自然に居た。
いつものように机の中をあさってみたり、外見たり。
こっちの緊張がうつっちゃうのは一番ダメだからね。
なんで忘れたかな。
自分のこういうところ大嫌い。
自分のこと自体好きじゃないけど。
私は机に突っ伏した。
無。
無になるために。
楽しくも、つまらなくも何ともない、無。
無になるには暗いかな。
私は顔を上げ、少し下を見つめた。
これが私の無になる方法。
あれっ、この体制、少し前に……
健くん?
全然無になれなくなってる。
ダメ。
何も考えない。
ただ、そこを見てればいい。
しばらくそうしてると、健くんから伝わってくる緊張が、ほんの少し和らいだ気がした。
嬉しかった。
こうしてまた無から離れる。
ダメ。
まだ健くんの緊張がほぐれたわけじゃない。
そう自分に言い聞かせ、再び無の世界へ迷い込む。
もう起きてる。
「はーい」
私は着替えながらドアの向こうにいるお母さんに応えた。
「しっ。行くか」
私は部屋を出て、そのまま家の外に。
緊張が凄い。
こんなに緊張したの初めてかも。
なんで?
健くん?
そんなに?
私は自分の顔を叩いた。
「ふ〜っ」
よし。
大丈夫。
私は学校へ向かった。
薄暗い、朝の道を歩いて。
あっ、健くん……
今日も来たんだ。
クールモード入ってるんだね。
誰にも、声を掛けられないように。
私は1メートルほど離れて健くんの隣を歩いた。
ちょっと近いかな。
「あっ」
気付いた。
「おはよっ」
健くんは軽く頭を下げた。
先輩じゃないんだから。
そう思いながら健くんに笑顔を見せた。
私はなるべく自然に健くんにペースを合わせながら
教室へ。
嫌だったかな。
もう、すぐ隣に居るけど。
昨日と同じ。
健くんは自分の両腕の制服を掴んでる。
けど、そんな様子を見せてくれるのが少しだけ嬉し
かった。
昨日の健くんはなんか、怖かった。
えっ、隠し切れないほど、とか?
体が少し揺れてる気がする。
『大丈夫だよ』
そう言っても落ち着けるわけがない。
私には、あまり分かってあげられないけど。
けど、あのお方が教えてくれる。
私は空を見た。
さっきより、暗くなってしまった空を。
空くらい笑っててよ。
空までそんなに暗い、今にも泣き出しそうな顔。
私は隣の健くんを見た。
こっちに伝わるほど、緊張してるから。
これで声掛けたら、余計ダメだよね。
私はいつの間にか来てた愛生の席に行くことにした。
「はよっ」
「イェーイ」
うん。
楽しそうでは、ないね。
「愛生?」
少し目が腫れてる気がする。
「何?」
「何かあった?」
「つまんないくらい何も……」
嘘つきが。
「そう…」
愛生がそう言う時は何も聞かれたくない時。
だから私も何も言わせない。
誰でも、隠したい事くらいあるから。
「健のそばに居てあげて」
私は愛生の優しすぎる言い方に愛生を見た。
それに気付いた愛生はニコッと笑った。
私は頷き、自分の席へ。
本当に、大丈夫かな。
そばに居て辛くなってくる。
けど、健くんはもっとだもんね。
今日も呼吸は速く、手元はまるで真冬。
緊張で冷たくなってるんだろうね。
私はあの時、彼にしてあげてたことを思い出していた。
そうだ。
こっちが普通で居てあげればいいんだ。
そんな当たり前な事を忘れていた自分に軽い苛立ちを
抱きながら、私は自然に居た。
いつものように机の中をあさってみたり、外見たり。
こっちの緊張がうつっちゃうのは一番ダメだからね。
なんで忘れたかな。
自分のこういうところ大嫌い。
自分のこと自体好きじゃないけど。
私は机に突っ伏した。
無。
無になるために。
楽しくも、つまらなくも何ともない、無。
無になるには暗いかな。
私は顔を上げ、少し下を見つめた。
これが私の無になる方法。
あれっ、この体制、少し前に……
健くん?
全然無になれなくなってる。
ダメ。
何も考えない。
ただ、そこを見てればいい。
しばらくそうしてると、健くんから伝わってくる緊張が、ほんの少し和らいだ気がした。
嬉しかった。
こうしてまた無から離れる。
ダメ。
まだ健くんの緊張がほぐれたわけじゃない。
そう自分に言い聞かせ、再び無の世界へ迷い込む。
