道徳の授業。隣の席の齋藤 絵梨花(さいとう えりか)が、僕に耳打ちした。
「この嫌われモノのAさんって、綿橋に似てるよね。」
心臓を捕まれたような気分だった。
僕は何も言わず、にこりと笑う。
それを肯定と捉えたのか、齋藤はニヤニヤと笑って自分の前の席の桐島にも同じことを言った。
桐島は僕と違って、「それな!」と声を潜めて笑う。
毒虫の羽が、無駄に多い足が齋藤と桐島に被った。
「絵梨花、臨も縁も私語は慎んで。」
担任の平野先生に怒られた。
スッキリなんかするわけもない。
綿橋を気の毒に思いながら、また黒板に書かれた課題に向き直った。
「絵梨花がさ、あれめっちゃ錬に似てるって。笑ったわ。」
「マジで?!確かにっ!!」
鮫島と桐島は楽しそうだ。
自分も合わせて笑う。 回りの目が、酷く気になった。
「っつか、呼んでもないのについてきてウザイ。綿橋マジどーにかなんねーんかな。」
「アニメの話とかよくわかんねーし?」
「...趣味、恥ずかしいと思わないのかな。」
うそうそ。
不振に思われないように。
正当防衛だ。 ...ちょっと違うか。
でも、本心じゃないんだ。
僕はまだ毒虫じゃない。
サナギだ。
ほんものじゃない。
自分を正当化して、逃げなければ、今の僕には到底背負えないモノを背負うことになる。
それは、怖すぎるから。
「この嫌われモノのAさんって、綿橋に似てるよね。」
心臓を捕まれたような気分だった。
僕は何も言わず、にこりと笑う。
それを肯定と捉えたのか、齋藤はニヤニヤと笑って自分の前の席の桐島にも同じことを言った。
桐島は僕と違って、「それな!」と声を潜めて笑う。
毒虫の羽が、無駄に多い足が齋藤と桐島に被った。
「絵梨花、臨も縁も私語は慎んで。」
担任の平野先生に怒られた。
スッキリなんかするわけもない。
綿橋を気の毒に思いながら、また黒板に書かれた課題に向き直った。
「絵梨花がさ、あれめっちゃ錬に似てるって。笑ったわ。」
「マジで?!確かにっ!!」
鮫島と桐島は楽しそうだ。
自分も合わせて笑う。 回りの目が、酷く気になった。
「っつか、呼んでもないのについてきてウザイ。綿橋マジどーにかなんねーんかな。」
「アニメの話とかよくわかんねーし?」
「...趣味、恥ずかしいと思わないのかな。」
うそうそ。
不振に思われないように。
正当防衛だ。 ...ちょっと違うか。
でも、本心じゃないんだ。
僕はまだ毒虫じゃない。
サナギだ。
ほんものじゃない。
自分を正当化して、逃げなければ、今の僕には到底背負えないモノを背負うことになる。
それは、怖すぎるから。
