今日は…
見送る人がやけに多い。
山道や神社の出入りが多いのだ。
……あぁ、転んじゃったねー……
今日は曇りだけども……
山道や神社の帰りに俺が見送るまでに
転んでしまったら……
その場で殺すのではなく、
……焔に落とすのだ。
夕日が綺麗な日と同じく。
「あははっ、転んじゃったねー…
死んでもらうよ。」
神社に連れて行かないと儀式的には
駄目だけど、焼き付くした。
…………骨すら無くなるように。
灰を神聖な真っ白の紙袋に入れれば、
神社に持ち帰り、また火に入れる。
それで輪廻に入れるのだ。
「はぁ……もう嫌だな、
この仕事。殺しちゃうのは良いけど…
面倒。何でわざわざ燃やすんだろ。」
神社に着き、神社の前にある広場の
イスに座れば思った。
意味が理解できない。
一応、父親が見送り狼の一代目。
初代だ。俺で二代目。
父親が居て母親が居ないといけない。
意外とそれは違ったのだ。
父親が死に際に俺を作り出した…
つまり俺は、父親の死に目にも会えず
亡骸を見て存在が完全となる。
“産む“というわけではなく、
作られた。との方が確実なのだ。
ちなみに、少し前の少女…
母親を怖がっていた少女に聞かせた話は
父親の話。父親の友人から聞いた話だ。
その友人も今や居ないが。
妖は既に死んでいるが、
魂の固まりと考えた方が楽だ。
魂があるという事は生きている。
妖は魂が完全に消えれば死んだと言える。
霊にもならないのだ。
………最近は憂鬱な日が多い…
何故だ?
いや、知らない。
何故に知らない?
知らないから知らない。
……自問自答か。
俺って…こんなだっけ。
前はまだ…こんなじゃなかった。
明るかっただろうし、
心の底から笑った事が良くあった。
今はそんな事は無い。
独りになってるから。
何も無い無機質な日。
晴れた日。
雨の降っている日。
彼奴等を思い出した日。
誰かと話している日。
焼き付くした日。
今日。
…心の中でも近い未来も独りだ。
いつか会いたい。また、会いたい。
そんなのは遠い未来だ。
「……はぁ。」
溜め息。
「あの時のお兄さん!」
…え?
ふと、振り向いた。
……あの日の少女だ。
「やぁ、お嬢さん。
……あの後、どうだった?」
「お母さんね、優しくなった!」
「おぉ、良かったねぇ?」
少女は笑顔を見せた。
邪念を祓う桃の蜂蜜漬け。
見送り狼が持つ心の道さえ正す能力。
二つとも周りにも効果があるのだ。
「うん!あっ、お兄さんは、なんて
お名前?私は美紀!」
「美紀、ね。俺は…
……神主とでも名乗っておくよ。」
あえて、俺は神主と名乗った。
[紅魁夕日]として
神社に祀られているからだ。
万が一、美紀という少女が母親に聞いたら
……驚かれてしまう。
「かんぬし?」
「そう、神主。」
「それが、お名前?」
「まぁ、違うけどね。」
「なんで?」
「何となくだよ。」
「へー。」
何とか大丈夫だった。
「ところで、神社に何か用?」
「あのね、お供え物の和菓子持ってきた!」
「そっかー… …一緒にお供えする?」
一瞬、普通に妖の姿で会って和菓子貰うとか…
考えたけど止めよう。
普通に怖いわな。
いくらこの前話したとはいえ…
「うん!」
美紀は元気よく頷いた。
「えっとねー。
お賽銭箱の近くに台があるでしょ?
そこに置けば大丈夫。」
台まで案内すれば美紀は行った。
「と、届かない……」
「わ、分かった。……っと。」
笑いを堪えれば少し持ち上げた。
「よいしょ。ありがとう!神主さん!」
「どういたしまして。」
少女が和菓子を台に乗せれば。
答えを返せば下ろした。
「ありがとう!じゃあ、帰るね!
またね~、神主さん!」
「はいはい、じゃあね~。」
少し手を振れば姿を眩ませて
見送った。そして…神社に戻る途中。
思った。
自分、そんなに独りじゃないのかもな。
…と。そう思ったのだ。
見送る人がやけに多い。
山道や神社の出入りが多いのだ。
……あぁ、転んじゃったねー……
今日は曇りだけども……
山道や神社の帰りに俺が見送るまでに
転んでしまったら……
その場で殺すのではなく、
……焔に落とすのだ。
夕日が綺麗な日と同じく。
「あははっ、転んじゃったねー…
死んでもらうよ。」
神社に連れて行かないと儀式的には
駄目だけど、焼き付くした。
…………骨すら無くなるように。
灰を神聖な真っ白の紙袋に入れれば、
神社に持ち帰り、また火に入れる。
それで輪廻に入れるのだ。
「はぁ……もう嫌だな、
この仕事。殺しちゃうのは良いけど…
面倒。何でわざわざ燃やすんだろ。」
神社に着き、神社の前にある広場の
イスに座れば思った。
意味が理解できない。
一応、父親が見送り狼の一代目。
初代だ。俺で二代目。
父親が居て母親が居ないといけない。
意外とそれは違ったのだ。
父親が死に際に俺を作り出した…
つまり俺は、父親の死に目にも会えず
亡骸を見て存在が完全となる。
“産む“というわけではなく、
作られた。との方が確実なのだ。
ちなみに、少し前の少女…
母親を怖がっていた少女に聞かせた話は
父親の話。父親の友人から聞いた話だ。
その友人も今や居ないが。
妖は既に死んでいるが、
魂の固まりと考えた方が楽だ。
魂があるという事は生きている。
妖は魂が完全に消えれば死んだと言える。
霊にもならないのだ。
………最近は憂鬱な日が多い…
何故だ?
いや、知らない。
何故に知らない?
知らないから知らない。
……自問自答か。
俺って…こんなだっけ。
前はまだ…こんなじゃなかった。
明るかっただろうし、
心の底から笑った事が良くあった。
今はそんな事は無い。
独りになってるから。
何も無い無機質な日。
晴れた日。
雨の降っている日。
彼奴等を思い出した日。
誰かと話している日。
焼き付くした日。
今日。
…心の中でも近い未来も独りだ。
いつか会いたい。また、会いたい。
そんなのは遠い未来だ。
「……はぁ。」
溜め息。
「あの時のお兄さん!」
…え?
ふと、振り向いた。
……あの日の少女だ。
「やぁ、お嬢さん。
……あの後、どうだった?」
「お母さんね、優しくなった!」
「おぉ、良かったねぇ?」
少女は笑顔を見せた。
邪念を祓う桃の蜂蜜漬け。
見送り狼が持つ心の道さえ正す能力。
二つとも周りにも効果があるのだ。
「うん!あっ、お兄さんは、なんて
お名前?私は美紀!」
「美紀、ね。俺は…
……神主とでも名乗っておくよ。」
あえて、俺は神主と名乗った。
[紅魁夕日]として
神社に祀られているからだ。
万が一、美紀という少女が母親に聞いたら
……驚かれてしまう。
「かんぬし?」
「そう、神主。」
「それが、お名前?」
「まぁ、違うけどね。」
「なんで?」
「何となくだよ。」
「へー。」
何とか大丈夫だった。
「ところで、神社に何か用?」
「あのね、お供え物の和菓子持ってきた!」
「そっかー… …一緒にお供えする?」
一瞬、普通に妖の姿で会って和菓子貰うとか…
考えたけど止めよう。
普通に怖いわな。
いくらこの前話したとはいえ…
「うん!」
美紀は元気よく頷いた。
「えっとねー。
お賽銭箱の近くに台があるでしょ?
そこに置けば大丈夫。」
台まで案内すれば美紀は行った。
「と、届かない……」
「わ、分かった。……っと。」
笑いを堪えれば少し持ち上げた。
「よいしょ。ありがとう!神主さん!」
「どういたしまして。」
少女が和菓子を台に乗せれば。
答えを返せば下ろした。
「ありがとう!じゃあ、帰るね!
またね~、神主さん!」
「はいはい、じゃあね~。」
少し手を振れば姿を眩ませて
見送った。そして…神社に戻る途中。
思った。
自分、そんなに独りじゃないのかもな。
…と。そう思ったのだ。
