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紅き焔を操る妖と夕暮れの神社
- 第五話「夜」 -

神社の紅い鳥居の上に座って、
空を見上げれば思った。
最近、天気悪いな。
その代わりに殺す人も減って良いけど。
でもさ。暇なんだよね。
誰も来ないし。
夜だけだな。月だけは綺麗に見れる。
夕日の事をさ、こう言った奴が居たな。
”紅い綺麗な月のようにも見えますね”
ってさ。
太陽すら月なのか。と思ったけど…
今頃に分かった。
月も銀色のようで金色でもある太陽。
太陽も白いようで紅くも見える月。
月は夜が短い分に夜、綺麗に見える。
太陽は長く出る分、最後に夕方に輝く。
昼間にも月は出るが太陽には劣る。
夜には太陽が出ない分に月は輝く。
きっと、そういう事なのだろう。
「…本当に暇。
何で…これなんだろ。」
…自分は何故に妖なのだろうか。
嫌だな。
人間だったら…まだ。
生きていく時間も限られてて
その短い時を大切に過ごす。
楽しいんじゃないか?
何故に人は永く生きたいんだか。
短くても後悔しなきゃ良い。
後悔しないようにさ?大切に生きれば良い。
そう思うんだよな…
どんなに辛くても、泣いても悲しんでも。
その後悔をプラスにしないから…
リスカやら自殺があるのか?
自分を傷つけて存在を確認するとか…
馬鹿らしく思うのだろうな、
今の俺は。
「つーか…無視は虐めか…?」
何言ってんだろ、俺。
何年か前に…
無視されてる子が神社に来てたな。
無視され続けてて…
最後には俺に殺される直前になった。
俺が姿を眩ませて着いてきてたのを…
分かってた。それで、転んでもさ。
「…あぁ、疲れたな……」
ってさ、休むふりをした。
知識があったのだろうな。
見送り狼の事。
あれから数年経ったが…
何してんだろ。
……こんな夜中に人…………?
…………いや、幽霊だ。
「…どーした?そこの幽霊さん。」
俺は鳥居から下りて話し掛けた。
「……」
俺に気づけば
少し怯えた表情をして消えた。
まぁ…いいや。
「さて…今日はもう寝るか。」
少し伸びをすれば欠伸をした。
そして空を見上げて…
神社の奥に入っていった。

<2016/09/28 16:28 漓夜月 澪>消しゴム
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