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四月は君の嘘 ~君との幸せ~


僕は、彼女を家まで送っていた。退院して日は経っているものの、まだ本調子にはならない彼女を気遣い、ゆっくり歩いた。他愛のない話で盛り上がる。ちょっとした何気ないことにも目を輝かせる。彼女といると、暇になることがない。長い帰り道さえ短く感じるほどに。
「あーもう着いちゃった。」
「結構時間かかったよ?」
「好きな人と一緒にいたら時間は短く感じるでしょ!この鈍感!」
「いや、その、ごめん……。」
鈍感という言葉に反論しようがなくて謝った。
「嘘だよ。そこも君の良いところで、私の好きなところだもん。ちよっと意地悪しただけだよ。真に受けちゃって、君らしいけどね。そういうとこも好きだし。」
「恥ずかしいから好き好き言わないで……。」
「公生君の好きなとこあげはじめたらキリがないかな?君は私の好きなところ、キリがないくらい見つけてくれてる?」
彼女は意地悪な顔で人指し指をほっぺに当て、うろたえる僕を覗き込んでくる。
「それはまた今度言うよ。今日は遅いから、ご両親が心配するよ。」
僕は子供をなだめるように彼女を家へと押し込んだ。正確には家じゃなくてケーキ屋のドアだ。彼女の家はケーキ屋と一緒になっている。
「じゃ、また明日教えて!バイバイ!」
「わかったよ、バイバイ。」

<2016/08/05 20:56 小日向>消しゴム
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