あたしは健を呼びにカーテンの外へ。
「居ない?」
あ、ドアが開く音してた気も。
あたしは保健室の外へ。
「大正解」
「何?」
「ちょっ」
健はあたしの腕を軽く引き、踊り場へ。
「何?」
「傷、どうだった?」
「あっ、本当にぶつけたのかもよ?ちょっと擦ってただけだから」
「そうか。もうさ、昨日あんな話したばっかだからさ」
「可愛いのね。心配になっちゃった?」
「幼馴染として、な?」
幼馴染をやたら強調する健。
すごく可愛かった。
「心配するのは、怪我の方より体調だね」
「ん?」
そこは分かんないんだ。
「そんな擦っちゃうほど勢い良くぶつかったってこと
でしょ?そんなに酷い目眩してたら危なくない?」
「あぁ、はいはい」
可愛い。
気付かなかったのが恥ずかしかったのかな。
「どこ行くの?」
「保健室」
声が低くなった。
分かりやすい子。
あたしはそんな健についていった。
「みや、かわくん?」
「久城」
「宮河くん……」
久城さんは心底安心したように健の名前を呼んだ。
「久城?大丈夫?」
「急にみんな居なくなっちゃうから……」
そんな可愛い事言っちゃって。
「外、行こうとも思ったけど……」
久城さんはそこまで言って言うのをやめてしまった。
「ん?」
健の優しい声。
貴重だねぇ。
あたしに向かってこんな声出さないもんね。
まぁ、出されても戸惑うだけなんだけど。
「何でもない……」
「そっか。辛かったら言ってね?」
何この話し方。
ビックリなんですけど。
「健?」
「ん?」
『ん?』
この一文字だけでこんなに違う?
今の健はどこ行った。
一気にトーン下がったんですけど。
「何」
「別に」
「ふふっ、二人とも素直じゃないんだね」
あたしと健の視線は久城さんへ。
「二人ともお互いが好きなんでしょ?」
「久城?後で覚えとけ?」
健がそう言う時は必ず何もない。
ただその場でビビらせるだけ。
健、案外優しいからね。
その時、久城さんが立ち上がった。
「わっ……」
健、反射神経が。
「ちょっ、久城?大人しくしといてよ」
「んっ、教…室」
「はっ?」
健、遂に素が顔を出す。
「にも……つ…」
「帰る?」
健の優しくなった声に久城さんは小さく頷いた。
「じゃあ、あたしが」
「おっ、わりぃ」
どうせあんなに人居る中に行けないんだから。
まったく。
あたしは軽く走って教室に向かった。
「宮本っ!」
男の声。
何だか嫌な予感。
「はい」
嫌な予感、的中。
出た。
ウチの親の兄弟の友達……みたいな人。
「何?あたし、急いでんだけど」
「久城、か?」
「だったら何」
「いや、気を付けて帰るように伝えてほしい……」
それだけで止めたのかよ。
いい感じに息切れてきた頃に止められるとか。
この後走れないやつじゃん。
あたしはそんな状態で再び走り出した。
「っだあ!」
「宮田」
「あ?宮本、な?」
学級イチのイケメン。
「どうした?」
何コイツ。
なんでこんなに話し掛けてくるかな。
しかも名前間違ってるし。
「いや、久城さん早退するんで」
「そう……か」
もうなんなの?
さっきから担任といいコイツといい。
何故こんなに止めるかな。
あたしはなんとなく苛つきながら久城さんの準備をした。
「あのさっ」
学級イチのイケメンがあたしを呼び止める。
「気を付けて、帰るように……言っといてくれ」
「えっ、あぁ。いいけど」
「頼む」
なんでみんなそんなに気を付けて欲しいんだろう。
可愛いからかな。
あたしは久城さんの荷物を持って廊下や階段を走った。
「久城さんっ!」
「愛生」
「久城さんは?」
「ちょっと辛かったみたい」
「そう……」
弱いんだね。
身体。
だからかな。
あたしも今言いたくなった。
『気を付けてね』って。
「大丈夫かな?」
「え?」
「呼吸。深さが安定してない」
「ほんとだ。しばらく休めば大丈夫だろ。
まっ、俺の体験談だけどな」
なんか信用出来ないのはあたしだけ?
「ゲホッゲホッ……」
風邪引いてるのかな?
「久城?」
「あっ、宮河くん……宮本さんも」
あたしは久城さんに笑顔を見せた。
「良いよ。二人で送ってくよ」
「やめてっ」
「久城さん?」
「あっ、ごめん……」
「ううん。嫌なら良いよ。健は?」
「ひとりで……かえる…」
「そっか。学級イチのイケメンと、担任が気を付けて
って」
「はい……」
久城さんはあたしからバッグを受け取り、ふらついた
足取りで保健室を出た。
「なっ」
どういう意味で出た言葉が分からなかったから健を見た。
「心配もされてるし、人気もあるんだけどな」
「え?」
「まっ、こっちが怖くちゃしょうがねぇわな」
よく分からなかったけど、ねっと返しておいた。
「んじゃ、俺らもしばらくここに」
健がベッドに横になりながら言った。
保健室のベッドでも寝るんじゃん。
「あっ、戻らないのね」
「戻りたきゃ戻って良いぞ?」
健がなんとなくムカつく言い方で言う。
「別に?」
「大好きな健くんと居たいからな?」
「バッカじゃねぇの?」
「愛生ほどじゃない」
「あたし頭は良いから!」
「へぇ~?」
ムカつくわ〜。
「仲良いのね。羨ましっ」
「だから怖えんだよ」
「ならもっと怖い教室に戻っても良いのよ?」
「脅しだ。事件だ事件」
「愛生大事にすんの好きだよなぁ」
好きじゃないけど。
健との、こんな時間を待ってた。
「健」
「何急に」
「また、調子悪かったら言ってね?」
「愛生……」
不思議そうな顔であたしを見る健に笑顔を見せた。
やっぱり久城さん、健に似てるから。
思い出すよね。
だからもう、今度こそ本当に無理してほしくなかった。
どうか、二度と健の笑顔を消さないで。
あたしは、空の彼に願った。
彼が消したわけじゃないのにね。
いつも、ごめんね。
でも、健には笑ってて欲しいから。
「居ない?」
あ、ドアが開く音してた気も。
あたしは保健室の外へ。
「大正解」
「何?」
「ちょっ」
健はあたしの腕を軽く引き、踊り場へ。
「何?」
「傷、どうだった?」
「あっ、本当にぶつけたのかもよ?ちょっと擦ってただけだから」
「そうか。もうさ、昨日あんな話したばっかだからさ」
「可愛いのね。心配になっちゃった?」
「幼馴染として、な?」
幼馴染をやたら強調する健。
すごく可愛かった。
「心配するのは、怪我の方より体調だね」
「ん?」
そこは分かんないんだ。
「そんな擦っちゃうほど勢い良くぶつかったってこと
でしょ?そんなに酷い目眩してたら危なくない?」
「あぁ、はいはい」
可愛い。
気付かなかったのが恥ずかしかったのかな。
「どこ行くの?」
「保健室」
声が低くなった。
分かりやすい子。
あたしはそんな健についていった。
「みや、かわくん?」
「久城」
「宮河くん……」
久城さんは心底安心したように健の名前を呼んだ。
「久城?大丈夫?」
「急にみんな居なくなっちゃうから……」
そんな可愛い事言っちゃって。
「外、行こうとも思ったけど……」
久城さんはそこまで言って言うのをやめてしまった。
「ん?」
健の優しい声。
貴重だねぇ。
あたしに向かってこんな声出さないもんね。
まぁ、出されても戸惑うだけなんだけど。
「何でもない……」
「そっか。辛かったら言ってね?」
何この話し方。
ビックリなんですけど。
「健?」
「ん?」
『ん?』
この一文字だけでこんなに違う?
今の健はどこ行った。
一気にトーン下がったんですけど。
「何」
「別に」
「ふふっ、二人とも素直じゃないんだね」
あたしと健の視線は久城さんへ。
「二人ともお互いが好きなんでしょ?」
「久城?後で覚えとけ?」
健がそう言う時は必ず何もない。
ただその場でビビらせるだけ。
健、案外優しいからね。
その時、久城さんが立ち上がった。
「わっ……」
健、反射神経が。
「ちょっ、久城?大人しくしといてよ」
「んっ、教…室」
「はっ?」
健、遂に素が顔を出す。
「にも……つ…」
「帰る?」
健の優しくなった声に久城さんは小さく頷いた。
「じゃあ、あたしが」
「おっ、わりぃ」
どうせあんなに人居る中に行けないんだから。
まったく。
あたしは軽く走って教室に向かった。
「宮本っ!」
男の声。
何だか嫌な予感。
「はい」
嫌な予感、的中。
出た。
ウチの親の兄弟の友達……みたいな人。
「何?あたし、急いでんだけど」
「久城、か?」
「だったら何」
「いや、気を付けて帰るように伝えてほしい……」
それだけで止めたのかよ。
いい感じに息切れてきた頃に止められるとか。
この後走れないやつじゃん。
あたしはそんな状態で再び走り出した。
「っだあ!」
「宮田」
「あ?宮本、な?」
学級イチのイケメン。
「どうした?」
何コイツ。
なんでこんなに話し掛けてくるかな。
しかも名前間違ってるし。
「いや、久城さん早退するんで」
「そう……か」
もうなんなの?
さっきから担任といいコイツといい。
何故こんなに止めるかな。
あたしはなんとなく苛つきながら久城さんの準備をした。
「あのさっ」
学級イチのイケメンがあたしを呼び止める。
「気を付けて、帰るように……言っといてくれ」
「えっ、あぁ。いいけど」
「頼む」
なんでみんなそんなに気を付けて欲しいんだろう。
可愛いからかな。
あたしは久城さんの荷物を持って廊下や階段を走った。
「久城さんっ!」
「愛生」
「久城さんは?」
「ちょっと辛かったみたい」
「そう……」
弱いんだね。
身体。
だからかな。
あたしも今言いたくなった。
『気を付けてね』って。
「大丈夫かな?」
「え?」
「呼吸。深さが安定してない」
「ほんとだ。しばらく休めば大丈夫だろ。
まっ、俺の体験談だけどな」
なんか信用出来ないのはあたしだけ?
「ゲホッゲホッ……」
風邪引いてるのかな?
「久城?」
「あっ、宮河くん……宮本さんも」
あたしは久城さんに笑顔を見せた。
「良いよ。二人で送ってくよ」
「やめてっ」
「久城さん?」
「あっ、ごめん……」
「ううん。嫌なら良いよ。健は?」
「ひとりで……かえる…」
「そっか。学級イチのイケメンと、担任が気を付けて
って」
「はい……」
久城さんはあたしからバッグを受け取り、ふらついた
足取りで保健室を出た。
「なっ」
どういう意味で出た言葉が分からなかったから健を見た。
「心配もされてるし、人気もあるんだけどな」
「え?」
「まっ、こっちが怖くちゃしょうがねぇわな」
よく分からなかったけど、ねっと返しておいた。
「んじゃ、俺らもしばらくここに」
健がベッドに横になりながら言った。
保健室のベッドでも寝るんじゃん。
「あっ、戻らないのね」
「戻りたきゃ戻って良いぞ?」
健がなんとなくムカつく言い方で言う。
「別に?」
「大好きな健くんと居たいからな?」
「バッカじゃねぇの?」
「愛生ほどじゃない」
「あたし頭は良いから!」
「へぇ~?」
ムカつくわ〜。
「仲良いのね。羨ましっ」
「だから怖えんだよ」
「ならもっと怖い教室に戻っても良いのよ?」
「脅しだ。事件だ事件」
「愛生大事にすんの好きだよなぁ」
好きじゃないけど。
健との、こんな時間を待ってた。
「健」
「何急に」
「また、調子悪かったら言ってね?」
「愛生……」
不思議そうな顔であたしを見る健に笑顔を見せた。
やっぱり久城さん、健に似てるから。
思い出すよね。
だからもう、今度こそ本当に無理してほしくなかった。
どうか、二度と健の笑顔を消さないで。
あたしは、空の彼に願った。
彼が消したわけじゃないのにね。
いつも、ごめんね。
でも、健には笑ってて欲しいから。
