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Best Friend〜姿を変えた君と〜 2


私は何も知らない宮河くんをある、大きな木がある場所に呼んだ。

今思えば、前に宮本さんと宮田さんが言ってたところに
よく似ている。

そんな所に、宮河くんは来てくれた。

「久城?あっ……」

宮河くんはすぐに私の家族に気付き、深めに頭を下げる。

「いきなり呼び出してごめんね……」

「全然」

この、本当に何も知らない宮河くんが……

「ごめんね。今日が、最後なの……」

「最後?」

この、なかなか伝わらないのがまた辛くなる。

もっと詳しく言わなきゃいけないから。

「私、家の都合で、海外に行かなきゃいけないの……」

家の都合。

どんな都合か。

私も分かってない。

「そっか。いつ帰って来るの?」

遂に涙が頬を伝った。

「それが、分からないの」

母親が優しく言う。

「そう……ですか」

「ごめんね……宮河くん…」

なんで、こいつらなんかのために宮河くんと離れなきゃ
いけないのよ。

「人生初であろうキス、私でも良い?」

「えっ……杏梨、さん?んっ……」

私は少し慌てる宮河くんの小さな唇にそっと自分の唇を
当てた。

重ねたなんて、丁寧じゃない。

「ごめんね、私で。じゃあね。いつでも、メールも電話もしてねっ」

私は、確かにそう言った。

最高の笑顔で。

「大丈夫?」

母親は優しいのにね。

「はい……宮河くん、バイバイ……」

「バイバイ、杏梨」

流石に父親もこれには怒らなかった。

これで怒ったら私がもう、ね。

「バイバイ、健」

私達、久城家の人間は宮河くんから少しずつ離れて
いった。

その日から、宮河くんの日々はまるで地獄のようなものへと変わった。

もちろん、私の日々も。

私が、宮河くんからの連絡を、全て無視したから。

もう、忘れて欲しかった。



その、一心で……

<2016/08/04 10:42 秋の空>消しゴム
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