おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
Best Friend〜姿を変えた君と〜 2


あの日から数ヶ月。

俺はただの小学生からただの中学生になっていた。

急だった。

彼女が消えたのも、キス、も。

この世の中、急な事ばかりだね。

少し前まで、すぐそこに居た人が、居ない。

俺はあの時、久城が立っていた地面に触れてみた。

決して温もりなんてものは、残っていなかった。

彼女が、立っていた形跡も。

辺りがやたら明るく感じた。

俺の、心の中の太陽が姿を消したから。

この、夏の太陽は世の中を照らしてる。

俺の心も、照らしてくれたらいいのにね。

そんな事を考えていたら、数粒の涙が地面を濡らした。

この頃、俺はまだ夕里と優の存在知らなかった。

名前は、とりあえず知っていた。

そんな俺は、朝から泣いて学校へ向かった。










やたら騒がしい教室内。

俺の苦手な場所。

騒がしく、人が多い。

けどそれが、学校。

「ねぇ、健?」

「何」

「最近元気なくね?」

「別に」

これがきっと、今まで愛生にとってきた態度で一番悪いと思う。

あの時より、強烈だったかと。

「何かあった?」

「何も」

「何かあったら言いな?」

別に人に言って変わる事じゃない。

変わるなら、久城に会えるなら、きっと話すだろう。

何故ここまで久城が好きなのかは分からない。

好き、なのかな。

それも分からないほど。

けど、ずっとそばに居て欲しかった。

俺には、久城だけだった。

久城杏梨は、俺の人生の暗闇を照らす、太陽だった。


<2016/08/04 10:59 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.