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Best Friend〜姿を変えた君と〜 2


『宮河くん、バイバイ……』

『バイバ〜イ』

何故か、あの二人の声が重なった。

声が低いから、かな。

愛生は、居なくなんないよね。

今まで、ずっと一緒に居てくれた。

そんな愛生が、そう急には……

そう思うと、また泣きそうになった。

何があってこんなに泣くのか。

自分でも分からない。

最近いつも泣いてる気がする。

その日泣けば、次の日は笑えると、うまく行くと信じて。

けど今はもう少し我慢。

ドアの方から視線を感じる。

母親。

その時、言った。

『そうやって逃げてる。だから変わらない』

あの、言葉を。

俺はその言葉に何も返せなかった。

その通りだったから。

あの時の俺は、その言葉のままだったから。

そして何も答えずに泣いた。

また。

そして母親は、最後にこう言った。

『行けるときは行きなさい』と。

それがどういう意味かは分からない。

今も、分かってない。

愛生のように優しい意味なのか、早く行けるようになれ
という、少し厳しめの意味なのか。

俺は、あの時から全く変わってないから。

あの時のまま、動けてないから。

けど、今はこういう時なんだよね。

そのうち、時がどうにかしてくれる。

そう信じて、今までやってきた。

これが、ダメなんだよね。

分かってる。

けど、今 自分に出来る事なんて分からない。

無い、かもしれないし……

今の俺に、出来る事なんて。

何一つ。

無いかもしれない。


<2016/08/04 13:16 秋の空>消しゴム
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