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Best Friend〜姿を変えた君と〜 2


私達は色々あったけど3年間で高校を卒業出来た。

宮河 健(みやかわ けん)

宮崎 優(みやざき ゆう)

宮田 夕里(みやた ゆり)

宮本 愛生(みやもと あき)

この、四人は。

一人、大切な女子が足りない。

久城 杏梨(くじょう あんり)

彼女は今、海外で生活しているらしい。

流石お嬢様です。

明日は年に一度、そんな彼女に会いに行く日。

10月25日。

彼女が日本を旅立った日。

それと同時に、彼女がひとつ歳を取る日。

そんな大切な日の前日の今日。

今、健は大切な彼女に電話を掛けてる。  

彼氏として。

「杏梨、出た?」

「杏梨、元気?」

「杏梨、無事?」

「チッ、おめぇら杏梨杏梨うっせぇんだよ」

『しょうがないわよ!私大人気なんだから!』

「うわっ、杏梨」

『みんなに祝ってもらうなんて嬉しいね〜っ!』

杏梨は明るい声で言い、よく分からない命令を続けた。

『私の20代最後の日!楽しんどきなさ〜い?』

「ちょっ、俺ら関係ねぇから」

『あらっ、失礼王子・宮河健!』

怒られてる。

いつもの事、か。

「誰がこうしてる」

『勝手にそうなってるんでしょ!?』

「はぁ?」

『何よ!』

本当に30代になろうとしてる人なのかな。

あの頃と、全く変わってない。

良い意味で。

私達はそんな二人の会話を聞きながら、自然と笑顔に
なった。

健はすでに笑ってる。

可愛くてキラキラした顔で。

綺麗に色づき始めたイチョウによく似た、眩しい笑顔。

どいつもこいつも眩しいよ。

私はそんな、大きな銀杏の木を眺めた。

「いやいや、だから………はい…」

宮河健、敗北。

私達はそんな二人の会話を聞きながら空を見上げて、
笑いながら涙を流した。

私と、優と愛生の三人は。

彼を思って。

「あっ、ちょい、杏梨っ」

「切られた〜?」

「ハハッ、いつもこんな感じ、だから」

「仲良いアピールしやがって!」

「健〜っ!」

健は今日も、ぐしゃぐしゃにされてる。

あの時と同じだ。

私は今日も、彼にお礼とお願いをした。

『健と杏梨を元気にしてくれてありがとう』

『元気になってくれてありがとう』

『これからも、二人の恋を見守っていて』

『どうか私達を、離さないで。別れさせないで』

『久城家の人達を、これからも仲良く居させて』と。

君も、見ててくれるかな。

杏梨が、20代から30代に姿を変える時を。

私達が、あなたがこのイチョウの木に姿を変えた、
あの瞬間を見たように。


続編、ちょっと早いですね。

こんな秋の空の作品を最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。
<2016/08/04 15:24 秋の空>消しゴム
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