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まだ君の記憶に僕がいたのなら。


僕は現実をつきつけられた思いだった。やっぱり記憶は失っていた。心の準備をしていたはずなのに、前から知っていたのに。一瞬泣きそうになった自分がいた。
「あ‥僕は大村瞬っていうんだ」
笑顔で言ったけど、上手く笑えているだろうか。今、鏡を見たらきっと上手く笑えていないんだろうなあー。
「大村‥瞬?私のお友達なの?」
優希は首を傾げていった。
「そう、大村瞬。君の‥友達だよ」
あ、やべえ。僕もう泣きそうだわ。そんな僕を見て聖一郎は泣きそうなのを悟ったみたいだ。僕に近寄り耳元で
「廊下出てろ」
と囁いた。僕は頷いて、トイレ行ってくると言って廊下に出た。病室の中からは明るく自己紹介をしている聖一郎の声、玲音の声、若葉の声が聞こえた。僕は静かに泣いた。
「あの、大村瞬さんですか」
男の人に話しかけられたと思ったら優希の担当らしき医師だった。僕が頷くとその医師に普段は面談室として使われているところへ連れて行かれた。僕はそこで優希のことについて詳しく聞かされた。
「ええと、彼女の記憶がなくなったと3ヶ月ほど前に言ったと思いますが、そのことについて詳しくお教えしますね」

「まず、彼女が記憶を失った理由としては頭を強く打ってしまったことが1番の理由となりますが、事故のショックによるものも考えられるでしょう。最初の方は自分がなぜここにいるのか。なぜ骨折しているのか。自分が一体誰なのかも分からない状態でした。今では、自分が誰なのか、なぜここにいたのかということや、家族のことは分かります。ですが‥」
医師は少し間をおいて、
「それ以外のことはほとんど分かりません」
と言った。
「君のことも分からないはずです。ですが、全くというわけではなく何かしら覚えているとは思いますよ」
「そう‥ですか。」
それ以外の言葉はみつからなかった。
「今はとても悲しいとおもいます。ですが、何か思い出すきっかけがあれば思い出すことはあります。‥思い出せないままのこともありますが。」
「思い出してもらうにはどうすれば‥」
医師はそうですねーと言っていくつか方法を教えてくれた。
・思い出の物や思い出の場所などにふれあうこと
・優希の好きだった食べ物、歌などを聞かせる
・十分な睡眠をとること
が主な方法だそうだ。
「しかし、思い出そうとすると頭が痛くなることがあります。その時は無理させないように。くれぐれも気をつけてくださいね。記憶が戻ることを‥祈っております」
「はい。必ず記憶を戻します。」
僕が絶対、戻す。そしてあの時言えなかったことを今度は‥言うんだ。僕は病室へ戻った。

今回も読んでくれた方、ありがとうございます!
まだまだ未熟ですが、応援してくれると嬉しいです‼︎
次回もどうぞよろしくお願いします。
<2016/08/06 22:38 ちゃんみお>消しゴム
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