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まだ君の記憶に僕がいたのなら。
- 退院。 -

僕はさっきの医師と優希の病室に入った。そして医師が退院できると優希に告げた。
聖一郎と目があった。僕は笑って見せた。聖一郎も笑って返した。また、優希と一緒にいられる。記憶が無いけどそれだけでも嬉しかった。

優希は自宅に帰った。その時僕は優希の両親に頭をさげられた。僕も頭をさげて返した。さげてる時、僕は事故が起こった時何もできなかったのに何で頭をさげられたのだろうと思ってた。でも、何もできなかったのは過去のことで今じゃない。僕はこれから優希のためになることをするのだ、優希の事は任せておいてくれという視線を両親に向けて顔をあげた。

「優希、本当に記憶が無かったね」
玲音がため息交じりに言った。それに若葉がうんうんと頷いていた。聖一郎は車を運転しながらただ無言で前を見ていた。
今僕らが乗っている車は聖一郎のものだ。玲音と若葉を乗せて来たらしい。あ、僕は事故の後少し経ってから車を購入した。もちろん前と同じものだ。
車の中はしばらく沈黙が続いた。その沈黙を破ったのは聖一郎だった。
「なあ、瞬。医師からなに聞かされたんだ?」
「優希の記憶を失った理由と‥記憶を戻すためにすることかな」
聖一郎は助手席に座っている僕に視線をやると、
「記憶が戻るには何をするんだ?」
と、聞いてきた。玲音も若葉も聞きたそうに僕に視線を送った。僕は医師から聞いたことを話した。短い沈黙になった。
「戻る可能性はあるけど‥戻らない可能性もあるのか」
「ああ。‥戻ってくれると言いけどな」
僕は視線を足元に向けた。聖一郎は僕を少しでも笑わせようとしたのか明るい声で、
「大丈夫だって!なんとかなるよ」
と言ってくれた。
「とりあえず、明日後藤さんを何処かに連れて行く計画立てようぜ!」
僕は聖一郎の言っていることがよくわからなかった。いや、分からなかったのは後ろに座っている2人だってきっとそうだ。‥きっと。
「は?なんでだよ」
僕は言っていたことがわからない3人を代表して聞いてみた。聖一郎はだからー、というように説明した。
「記憶を戻すきっかけは思い出の場所に連れってったりすればいいんだろ?」
あ、なるほどね。よくわかったよ。てか、その説明を先にしろよ。
「じゃ、明日俺ん家集合ね」
いや、勝手に決めんなよ。まあ、聖一郎らしいといえばらしいな。
外を見るともう暗くなって、星が見えていた。
てか‥聖一郎の家、きょうだい多すぎてうるさくね!
なんだか‥明日が不安になったきた。
後ろを見ると2人は眠っていた。

<2016/08/07 23:41 ちゃんみお>消しゴム
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