夜。ラヘイド王国、スラム街跡地にて。
第八幻獣師、ヴァイパーは、集会を開いていた。
ヴァイパーの集会は、一週間に一度開かれる。内容は、革命部隊員の募集と、革命部隊員となった者へ、食料、水、家の提供である。
「いいか、同志達よ!
俺はこの力で、腐り果てたこの国を、変えてみせるぞ!!俺ならお前達を、必ず人にしてやる!
内輪揉めによって国民を惑わすような馬鹿な王族に、一泡吹かせてやろうじゃないか!!!」
なあ⁈と、同意を求めるように大声を張り上げれば、次々と、見窄らしい姿の貧民たちが、叫び散らした。
「ヴァイパーさん!!俺たちは一生あなた達に着いて行きます!!」
「俺たちの命を使ってくれ!!」
かなりの頻度で開かれるその集会は、家や飲食料を提供された革命部隊員も、毎度参加するほど、好評だった。
その堂々たる革命宣言を許されるのは、ひとえに王族が、下界を嫌っているからである。
この国は、見るからに破綻していた。
それを指摘したのは、他でもない、この国を救った、英雄だった。
彼は、王族に匹敵する 幻獣騎士の称号を持ちながら、決して権力に屈したりはしなかった。
だからこそ、元国軍にして、革命部隊幹部、ローカス・ルドルフは、彼に忠誠を誓ったのだ。
集会が終わって、ローカスは、自宅へ帰ろうと支度をしているヴァイパーのそばへと急いだ。ヴァイパーに水をあげて、そういえば、と続ける。
「ヴァイパー、飯はどうする」
「ああ…俺はいらない」
「…そろそろ食ってやったらどうだ?
ガキ共がぜひって言ってたぞ」
「俺はいらないと言っただろ」
ギロリと睨まれる。それに怯み、「悪かった」とだけ残して、ローカスは静かにヴァイパーの元を去った。
革命隊は、集合住宅の一部屋を貰う。そこで、風呂や飯などを済ませているのだが、革命隊の隊長、ヴァイパーは、未だに一度も、人前で飯を食うようなことはしなかった。
(幻獣師は特別な存在だと聞く。俺の踏み込んで良い領域じゃない。)
さっさと自分の飯を食おう。
…その時だった。
手持ちの部下から、信じられない報せを聞く。思わず、帰ろうとしていたヴァイパーの名を叫んだ。
「…ヴァイパー‼︎」
「…どうした、ローカス」
「盗賊のエヴァンが、戻ってきた!」
ヴァイパーの片眉がピクリと上がった。
“エヴァン”。それは、彼の薬を持って、“死の森”へと突っ込んでいったガキの名である。
彼の盗みの腕は確かなもので、王宮に仕入れられる薬をくすねてもらっていた。だから、ヴァイパーも信用していた。
今となっては、死んだ者とされていたが。
「…俺が行こう」
“死の森”には、2つの由来がある。
1つは、そこには野獣が住んでいて、人が入れば間違いなく食い殺される、というもの。
そして、もう1つは、国の英雄にして第八幻獣師 ヴァイパーを凌ぐ、第一幻獣師 リンの隔離される場所、というものである。
「アイツめ…余計な真似を」
…まあ、これに関しては、死に晒されるのはヴァイパーただひとりなのだが。
第八幻獣師、ヴァイパーは、集会を開いていた。
ヴァイパーの集会は、一週間に一度開かれる。内容は、革命部隊員の募集と、革命部隊員となった者へ、食料、水、家の提供である。
「いいか、同志達よ!
俺はこの力で、腐り果てたこの国を、変えてみせるぞ!!俺ならお前達を、必ず人にしてやる!
内輪揉めによって国民を惑わすような馬鹿な王族に、一泡吹かせてやろうじゃないか!!!」
なあ⁈と、同意を求めるように大声を張り上げれば、次々と、見窄らしい姿の貧民たちが、叫び散らした。
「ヴァイパーさん!!俺たちは一生あなた達に着いて行きます!!」
「俺たちの命を使ってくれ!!」
かなりの頻度で開かれるその集会は、家や飲食料を提供された革命部隊員も、毎度参加するほど、好評だった。
その堂々たる革命宣言を許されるのは、ひとえに王族が、下界を嫌っているからである。
この国は、見るからに破綻していた。
それを指摘したのは、他でもない、この国を救った、英雄だった。
彼は、王族に匹敵する 幻獣騎士の称号を持ちながら、決して権力に屈したりはしなかった。
だからこそ、元国軍にして、革命部隊幹部、ローカス・ルドルフは、彼に忠誠を誓ったのだ。
集会が終わって、ローカスは、自宅へ帰ろうと支度をしているヴァイパーのそばへと急いだ。ヴァイパーに水をあげて、そういえば、と続ける。
「ヴァイパー、飯はどうする」
「ああ…俺はいらない」
「…そろそろ食ってやったらどうだ?
ガキ共がぜひって言ってたぞ」
「俺はいらないと言っただろ」
ギロリと睨まれる。それに怯み、「悪かった」とだけ残して、ローカスは静かにヴァイパーの元を去った。
革命隊は、集合住宅の一部屋を貰う。そこで、風呂や飯などを済ませているのだが、革命隊の隊長、ヴァイパーは、未だに一度も、人前で飯を食うようなことはしなかった。
(幻獣師は特別な存在だと聞く。俺の踏み込んで良い領域じゃない。)
さっさと自分の飯を食おう。
…その時だった。
手持ちの部下から、信じられない報せを聞く。思わず、帰ろうとしていたヴァイパーの名を叫んだ。
「…ヴァイパー‼︎」
「…どうした、ローカス」
「盗賊のエヴァンが、戻ってきた!」
ヴァイパーの片眉がピクリと上がった。
“エヴァン”。それは、彼の薬を持って、“死の森”へと突っ込んでいったガキの名である。
彼の盗みの腕は確かなもので、王宮に仕入れられる薬をくすねてもらっていた。だから、ヴァイパーも信用していた。
今となっては、死んだ者とされていたが。
「…俺が行こう」
“死の森”には、2つの由来がある。
1つは、そこには野獣が住んでいて、人が入れば間違いなく食い殺される、というもの。
そして、もう1つは、国の英雄にして第八幻獣師 ヴァイパーを凌ぐ、第一幻獣師 リンの隔離される場所、というものである。
「アイツめ…余計な真似を」
…まあ、これに関しては、死に晒されるのはヴァイパーただひとりなのだが。
