––––––いつか私は、神様になるのよ。
不意にそう言われて、僕は首を傾げた。
毛布にくるまって、顔を隠して、凛とした声で、彼女はそう言った。
彼女の名はエリー。黄金(こがね)の髪と瞳を持つ、この国の“國神さま”の1人。
彼女は、伝承通り、『神に愛された少女』である。
彼女の声は疫病を祓い、人々を救い、国を豊かにする。
半世紀前まで、僕らは「悪魔の子」として、あらゆる不遇を強いられていたのだから、十分な出世といえるだろう。
「…そして、貴方をずっと守るの」
彼女は、とても気丈な女性だった。
もし、彼女の美しい髪が、もしも、肩までしか無ければ、きっと、この国一の美男子と間違えられるだろうと思うほどに。
彼女が女性で居られるのは、きっと、絹のような髪のおかげだ。
だから、僕は違和感を覚えたのだ。
彼女は、弱々しく、まるで女性のように、泣きそうな声で、繰り返すものだから。
「貴方を、守るのよ」
「…うん」
戸惑いながらも、とっても素敵だ。素直にそう続ける。
すると途端に、彼女は元気よく、頭を上げてこちらを見た。
その目の白は赤く色づいていて、一目で彼女が良くない状態であることは瞭然だった。
でも、目の黄金は、星々に照らされて、きらきら、きらりと、いつもよりもさらに美しく、輝いていた。
「約束よ。貴方は、私に守られるの!」
嬉しそうに小指を差し出すので、僕もつられて嬉しくなった。
小指を絡み付けて、軽く揺らす。
「ああ、約束だ。」
遠い日の記憶。とても懐かしい思い出。
僕は心の中で繰り返した。
約束だ、約束。僕も絶対、彼女をずっと近くで守り、ずっと守られる。ずっと一緒にいる。
視界の端で、真白の翼が揺れた。
嗚呼、これが、破綻の前兆であると、誰が気づいてくれただろう。
どうして気づいてくれぬのだろう。
不意にそう言われて、僕は首を傾げた。
毛布にくるまって、顔を隠して、凛とした声で、彼女はそう言った。
彼女の名はエリー。黄金(こがね)の髪と瞳を持つ、この国の“國神さま”の1人。
彼女は、伝承通り、『神に愛された少女』である。
彼女の声は疫病を祓い、人々を救い、国を豊かにする。
半世紀前まで、僕らは「悪魔の子」として、あらゆる不遇を強いられていたのだから、十分な出世といえるだろう。
「…そして、貴方をずっと守るの」
彼女は、とても気丈な女性だった。
もし、彼女の美しい髪が、もしも、肩までしか無ければ、きっと、この国一の美男子と間違えられるだろうと思うほどに。
彼女が女性で居られるのは、きっと、絹のような髪のおかげだ。
だから、僕は違和感を覚えたのだ。
彼女は、弱々しく、まるで女性のように、泣きそうな声で、繰り返すものだから。
「貴方を、守るのよ」
「…うん」
戸惑いながらも、とっても素敵だ。素直にそう続ける。
すると途端に、彼女は元気よく、頭を上げてこちらを見た。
その目の白は赤く色づいていて、一目で彼女が良くない状態であることは瞭然だった。
でも、目の黄金は、星々に照らされて、きらきら、きらりと、いつもよりもさらに美しく、輝いていた。
「約束よ。貴方は、私に守られるの!」
嬉しそうに小指を差し出すので、僕もつられて嬉しくなった。
小指を絡み付けて、軽く揺らす。
「ああ、約束だ。」
遠い日の記憶。とても懐かしい思い出。
僕は心の中で繰り返した。
約束だ、約束。僕も絶対、彼女をずっと近くで守り、ずっと守られる。ずっと一緒にいる。
視界の端で、真白の翼が揺れた。
嗚呼、これが、破綻の前兆であると、誰が気づいてくれただろう。
どうして気づいてくれぬのだろう。
