死屍累々。まさにその一言に尽きる。
穏やかな陽光に照らされて、
屈強な男たちが、こんなお日柄には大変相応しくない、黒々しい銃器を手に、転がっていた。
着物パーカーを着た、見るからに不審者のグリードは、それをひとつひとつ物色して。
大きく立派で、売ったらさぞ良い値がつくであろう美しい羽を、目一杯縮こまらせたエリックは、木陰に隠れてガタガタ震え上がる。
わたしは木の上から、それらに1つ、ため息を吐いたのだ。
それを見兼ねたのか何なのか、グリードはよし!と大きく声を上げて、笑いかけた。
「追いはぎしよう!」
全てはその一言から始まる寸劇である。
–––––––––––
––––––
–
「…全員が素っ裸ァ⁈‼︎‼︎」
「…らしいっすよ、どうします?ヴァイパーさん」
食後のアフターヌーンティー(粗茶)を味わっていたヴァイパーは、鋭利で犯罪者顔負けの目つきに磨きをかけて、最高幹部 ローカスを睨んだ。
ローカスはその目から逃れるように瞼を伏せて、哀れみの意を込め「麒麟狩りは失敗です」とだけ告げた。
その言葉に、ヴァイパーはボロソファに鞭打って絶望する。
“麒麟狩り”。麒麟の幻獣師を始末する…それは、世界中に幅広く蔓延る文化である。
曰く、麒麟ながらにして麒麟に非ず。
曰く、生き物を食し枯れ草を嫌い、傲慢にも力だけを引き継いだ麒麟の幻獣師は、我ら人間に糞しか与えぬ糞野郎である。
曰く、奴は世界のウィルスである。
曰く、奴は世界の終わりである。
よって、奴は殺されるべきである。
麒麟の幻獣師。
それは、言わずもがな、第1幻獣師リンのことである。
第8幻獣師のヴァイパーは、深く長いため息を吐いた。
彼女の持つ力は強大かつ絶大。そのため、国が彼女を引っ捕えて、魔の棲みつく森に追い払ったのだが。
魔の棲みついていた森は、彼女が足を踏み入れた瞬間に、美しい元の姿を取り戻した。
「………麒麟は今、何してる」
「素っ裸にされた奴らによると、麒麟は高みの見物だったそうで。
そばについていた凄腕の剣士にやられたんだとか」
その言葉に、ヴァイパーはまた顔を顰めた。
「…剣士ィ?
そりゃあ和の国の者か?剣を宿すとか云われてる」
「いえ、顔は英(はなぶさ)の者です」
「じゃあなんでやられてんだ」
「さあ?奴らは騎馬民族と聞きましたが」
淡々と答えるローカス。
ダメだな、これは。瞬時に悟ったヴァイパーは、勢いよくソファから立ち上がり、その屈強な体に赤のコートをかけた。
身構えるローカスに、笑いかける。
クリ-チャ-
「“獣士”を集めろ。
目には目を。
歯には歯を。
獣には、獣だ。」
逆光になって、彼の表情はよく見えなかった。
それでも、ローカスはその瞳に暫く動けなかったのだ。
翡翠に光る、その瞳に。
穏やかな陽光に照らされて、
屈強な男たちが、こんなお日柄には大変相応しくない、黒々しい銃器を手に、転がっていた。
着物パーカーを着た、見るからに不審者のグリードは、それをひとつひとつ物色して。
大きく立派で、売ったらさぞ良い値がつくであろう美しい羽を、目一杯縮こまらせたエリックは、木陰に隠れてガタガタ震え上がる。
わたしは木の上から、それらに1つ、ため息を吐いたのだ。
それを見兼ねたのか何なのか、グリードはよし!と大きく声を上げて、笑いかけた。
「追いはぎしよう!」
全てはその一言から始まる寸劇である。
–––––––––––
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「…全員が素っ裸ァ⁈‼︎‼︎」
「…らしいっすよ、どうします?ヴァイパーさん」
食後のアフターヌーンティー(粗茶)を味わっていたヴァイパーは、鋭利で犯罪者顔負けの目つきに磨きをかけて、最高幹部 ローカスを睨んだ。
ローカスはその目から逃れるように瞼を伏せて、哀れみの意を込め「麒麟狩りは失敗です」とだけ告げた。
その言葉に、ヴァイパーはボロソファに鞭打って絶望する。
“麒麟狩り”。麒麟の幻獣師を始末する…それは、世界中に幅広く蔓延る文化である。
曰く、麒麟ながらにして麒麟に非ず。
曰く、生き物を食し枯れ草を嫌い、傲慢にも力だけを引き継いだ麒麟の幻獣師は、我ら人間に糞しか与えぬ糞野郎である。
曰く、奴は世界のウィルスである。
曰く、奴は世界の終わりである。
よって、奴は殺されるべきである。
麒麟の幻獣師。
それは、言わずもがな、第1幻獣師リンのことである。
第8幻獣師のヴァイパーは、深く長いため息を吐いた。
彼女の持つ力は強大かつ絶大。そのため、国が彼女を引っ捕えて、魔の棲みつく森に追い払ったのだが。
魔の棲みついていた森は、彼女が足を踏み入れた瞬間に、美しい元の姿を取り戻した。
「………麒麟は今、何してる」
「素っ裸にされた奴らによると、麒麟は高みの見物だったそうで。
そばについていた凄腕の剣士にやられたんだとか」
その言葉に、ヴァイパーはまた顔を顰めた。
「…剣士ィ?
そりゃあ和の国の者か?剣を宿すとか云われてる」
「いえ、顔は英(はなぶさ)の者です」
「じゃあなんでやられてんだ」
「さあ?奴らは騎馬民族と聞きましたが」
淡々と答えるローカス。
ダメだな、これは。瞬時に悟ったヴァイパーは、勢いよくソファから立ち上がり、その屈強な体に赤のコートをかけた。
身構えるローカスに、笑いかける。
クリ-チャ-
「“獣士”を集めろ。
目には目を。
歯には歯を。
獣には、獣だ。」
逆光になって、彼の表情はよく見えなかった。
それでも、ローカスはその瞳に暫く動けなかったのだ。
翡翠に光る、その瞳に。
