意味が、分からない。
開いた口が塞がらない。
目の前の彼は、何と言った?
震える体に鞭打って、蚊の鳴くような声で、それでも相手に伝わるように、言葉を紡ぐ。
「ぼく、僕は、裏切ってなんかない。信じてくれ、僕は、誓ってそんなことしてないよ。」
縋るようにルドルフを見る。彼は依然として冷え切っていた。
侮蔑を孕んだ視線から逃れたくて、僕は懸命に拳を握り、それに、と続けた。
メシア
「救世主だって?そんなの知らない、僕はただの、ヴァイパーお抱えの盗賊さ!」
そうだろう?お前だって、そうなんだろう!?
いつの間にかなにも言わなくなったルドルフに、そう問いかける。
メシア、救世主だって?僕は、間違ってもそんな貴い身分ではない。むしろ逆である。汚い男と汚い女のもとに生まれた、汚い盗賊。
生きるためなら何だってした。ヴァイパーのために、身を粉にして働いた。
盗みはもちろん、女の手引きや子供の売買…表立って言えないことなんて、それこそ星の数だけある。
でも、そうやってしか生きられないんだ。泥水を啜ってでも、地を這い蹲ってでも、生にありつけなくちゃ!
それが僕ら、底の民の生き様だ。そしてそれを、見込んで拾ってくれたのは、他でもない ヴァイパーたちだ。
そんな僕が、彼を裏切るものか。確かに麒麟ーーリンとは出会ったけれど、ルドルフの掲げた魔薬は、僕のものだ。
盗んでなんか、いない。
シン、と静まる独房に、やっと分かってくれたか。と、期待の色を滲ませた面をあげ、固まった。
「のんだのか」
その表情からは、何も受け取れなかった。
その言葉からは、何も感じれなかった。
怒りだ、いや、苦しみだ?ちがう、これは、落胆だ!
いいや、違う?
「ああ、なんてことだ、ちくしょう!!」
意味が、分からない。
「もうこれで、“何もできなくなってしまった”」
開いた口が塞がらない。
「お前の、お前のせいだぞ、裏切り者!!!」
「“麒麟狩りが、始まっちまう”」
目の前の彼は、何と言った?
開いた口が塞がらない。
目の前の彼は、何と言った?
震える体に鞭打って、蚊の鳴くような声で、それでも相手に伝わるように、言葉を紡ぐ。
「ぼく、僕は、裏切ってなんかない。信じてくれ、僕は、誓ってそんなことしてないよ。」
縋るようにルドルフを見る。彼は依然として冷え切っていた。
侮蔑を孕んだ視線から逃れたくて、僕は懸命に拳を握り、それに、と続けた。
メシア
「救世主だって?そんなの知らない、僕はただの、ヴァイパーお抱えの盗賊さ!」
そうだろう?お前だって、そうなんだろう!?
いつの間にかなにも言わなくなったルドルフに、そう問いかける。
メシア、救世主だって?僕は、間違ってもそんな貴い身分ではない。むしろ逆である。汚い男と汚い女のもとに生まれた、汚い盗賊。
生きるためなら何だってした。ヴァイパーのために、身を粉にして働いた。
盗みはもちろん、女の手引きや子供の売買…表立って言えないことなんて、それこそ星の数だけある。
でも、そうやってしか生きられないんだ。泥水を啜ってでも、地を這い蹲ってでも、生にありつけなくちゃ!
それが僕ら、底の民の生き様だ。そしてそれを、見込んで拾ってくれたのは、他でもない ヴァイパーたちだ。
そんな僕が、彼を裏切るものか。確かに麒麟ーーリンとは出会ったけれど、ルドルフの掲げた魔薬は、僕のものだ。
盗んでなんか、いない。
シン、と静まる独房に、やっと分かってくれたか。と、期待の色を滲ませた面をあげ、固まった。
「のんだのか」
その表情からは、何も受け取れなかった。
その言葉からは、何も感じれなかった。
怒りだ、いや、苦しみだ?ちがう、これは、落胆だ!
いいや、違う?
「ああ、なんてことだ、ちくしょう!!」
意味が、分からない。
「もうこれで、“何もできなくなってしまった”」
開いた口が塞がらない。
「お前の、お前のせいだぞ、裏切り者!!!」
「“麒麟狩りが、始まっちまう”」
目の前の彼は、何と言った?
