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サイエンテンション
- もう一つの現実 -

僕は、西谷八矢(にしやはちや)。
今は、09高校2年に所属している。
僕は目立った特技はあまりない素人だが、一つだけ得意といえるのは、絵を描くことだ。
自信をもって描くというよりかは、純粋に"良いもの"を仕上げたいという思いで描いている。
たったそれだけ簡単な思いなのに、センスがあるせいか、美術の先生にも絶賛された。
とはいっても、美術全体が得意ではないので、美術部には入っていない。
手先が細かい事は嫌うが、不便なく大抵の事はこなしている。
僕は考えた事はないが、こう振り返ってみて思うと、意外に器用な素人なんだなぁと実感する。

そういえば、僕には友達がいた。
天視鈴美。僕のクラスメイトだ。
彼女は中学時代からの親友で、よく世間話をしあって楽しんでいる。
僕は東京育ちだが、彼女は新潟から東京に引っ越して来たそうだ。
20階建てのマンションに一人暮らししているそうだから、家事は器用なのだろう。
僕だって、昔からそういうのには頼りきりだったものの、親に言われるうちに次第にできるようになったということがある。
僕が勉強好きという事もあるかもしれない。昔から学問における勉強に限らず、色々な世間の事を"勉強"して知りたくなるものだ。
彼女は、こんな僕とは真逆で勉強嫌いだそうだ。
テレビアニメにはまって以来、"楽しいもの"が詰まった"もう一つの現実"を求めるようになったとのことだ。
彼女の言う通り、勉強とは誰もが通る困難な道である事は確かだ。
努力をするかしないかの世界。
確かにそれを、面倒だと感じる人は沢山いる。
"面倒"という無数の菌が、思考という様々なものが入れまじった空間を独占し始める。
それが、勉強から逃げたくなる一端だろう。
彼女は、それをもはや"日常"としまっている。
だが、彼女の気持ちには共感する。
僕だって、そういう気持ちにはたびたびなるものだ。
それをたびたび押し殺して、勉強に臨んでいるつもりだ。
だが、彼女のように"面倒"という菌の誘惑に負けてしまっては、不思議とだらだらし始めている。
ただそれでも、いざ勉強に集中し始めるとすぐにはまり出してしまう勉強好きである事は変わらない。
話を変えるが、彼女は僕の理想とする女性の容姿に近い姿をしている。
短く引き締まった木のような茶色のショートヘアを、首の後ろまでややかけている。
そのショートヘアは、耳にかかっており、しかもいたんでいない綺麗な髪質をしている。
瞳は綺麗に澄んでいるが、どこか少年のような勢いも少なからずある薄茶色をしている。
顔立ちとしてはとても整っているが、どこか男っぽさもある凛々しいものとなっている。
体としても細く引き締まっていて、胸も小さく、身長もやや大きいため、男にも女にも見える。
このような容姿の故、他のクラスメイトの男性と間違われる。
僕はこんなに特徴がある容姿ではなく、平凡なのだからこのような彼女がうらやましい。

''本当に、うらやましい。自分ももう少し格好よく生まれてくればなぁ....''

僕が、彼女のあの姿を見るたびいつも心でこう呟くのは、そういったちょっとした嫉妬なのだろうか。
まあ、いい。仕方がない。
友達に嫉妬を抱くのは、ちょっとおかしい事なのだが。
あ、そうそう。
学校の事で思い出したが、入学式があった昨日に、彼女は突然頭が痛い事を理由に早退したが、痛そうにに見せる演技っぽくも見えた。本当は痛くなかったのだろうか。
クラスメイトには言っていないそうだが、彼女曰く自作自演で相手を驚かせるという趣味が持っているとの事だ。何とも悪い趣味なのだろう。
いやいや、やっていい時はやっていいのだ。
しかし彼女は良し悪し考えず、平気でやるそうなので困る。
彼女に不安を抱くとするならば、それくらいである。
彼女が楽しい現実を求めようとする姿には、唯一無二の親友として励まされ、元気が出る。
彼女はダメダメだけど、僕にとってかけがえのない一生の友だ。
そう心に誓っている。
そうだよね、鈴美。


ふぅ、今日も"楽しく"過ごした。
やはり、東京はいいものだ。
ん?な、何なのこれ?

とある散らかさったマンションの部屋にいた少女。
怪しげな沈黙をしているその部屋で、唯一目立っていたのは.....
テレビに映った怪しげな黒ローブ。
テレビ番組では、ない。
慌てて少女......天視鈴美は、散らかった物に紛れていたリモコンの電源ボタンを押す。
だが、消えない。
黒ローブは人形のように暫く沈黙していたが、やがて言葉を紡ぐ。
暗く、機械のノイズと混ざった人の声で。
「もう一つの現実、サイエンシックに来ないか?君がサイエンシックで貢献すれば、君の理想にたどり着くだろう。どうかね?」
黒ローブは、まるで彼女を察しているかのような口ぶりだった。
「決意したならば、明日の午後10時で君の返答を待つ」
サイエンシックという謎の言葉を残したまま、黒ローブは黄色のエフェクトに包まれ、消滅する。
少女は勧誘に乗るのか。







どうも、Veraです。
構想は早くできましたが、書き出しに時間がかかりました。
今回は、天視鈴美の友、西谷八矢が登場しました。
鈴美の事も少し判明しましたが、八矢くんの事も触れました。
そこで、謎のサイエンシックという言葉。
謎の黒ローブ。一体その正体とは?
更に、次回から新キャラクターも一人くらい出る予定です。
次回もお楽しみに!(更新は、約一週間遅れる予定です)
<2016/08/10 21:19 Vera>消しゴム
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