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死者ゲイム
- 俺は死んだ。なのに、なぜ"いる"________ -

かつて、突然の病気で死んだ人間がいる。
彼の名はイグザ。
世界の名医と名高い、ブレイスルの息子として知名度も高かった青年である。
生前、彼は人の"命"を守りたい事を理想として抱いていた。
その理想の要因としては、彼が幼い頃彼の母が病にあい、死にゆくまでを黙って見過ごす事しか出来なかったという悲しみと、後悔があったからだ。
彼は、その経験から"死"は必ず迎える運命(さだめ)であり、必ずそれを視てしまうものだと知る。
同時に彼は、守りたいという意志を持つ。
彼は父に習って医学を学ぶ。
難しく、複雑なものを覚えるという険しい道を進む事となったが、それを学ぶうちに彼は"守りたい"という簡単な欲求の意志ではなく、"守る"という確かな決意を秘めた意志を持つようになる。
彼は、徐々にけれども着々と人を守れるだけ"守れる"医師として成長していく。
だがある時、"狂人"という概念を除く全ての"人"という生き物が恐れる、"死"を自らが迎える時がきたのだった。

1236年、イギリス。
ブレイスルの実の息子として生まれ、自らもまたブレイスルに劣らぬ名医となった少年。
守ると、決意した少年。
死を恐れながらも、多くの人の命を救った英雄にして名医の、天才少年。
そして今の彼になるための力をくれた、名医である父に憧れた少年。
イグザ=ペウルス。
17歳という若さで、伝説となった少年は永く眠った。
そして後のイギリスで、伝説として語られるであろう。

あれ?ここはどこだ?
俺は死んだはずだ。
なのに______

どうして、目を開けているのだろう。
どうして、手は動くのだろう。
どうして、足で立てているのだろう。
どうして、心臓がどくどくと振動するのだろう。
どうして、死んだら聞こえないはずのあの心地いい風の音が、聞こえるのだろう。
どうして、どうして、どうして?
おかしい。おかしすぎるじゃないか。
生きてるんじゃないのだろう。もし死んだら、夢を見ずにぐっすりと永く眠ってしまうのだろう。
これは夢じゃない。俺は不死身の怪物とか、そんなものには分類されないれっきとした"ヒト"だ!!
"ヒト"が生き返るって、あり得ない!!
どんなに強い生命力があっても、生き物というのは必ず終わりを迎えるはずだ!
ここは天国なのか、地獄なのか?
いや、そういったものには感じられない。
明らかに現実世界に近いものばかりだ。
荒廃した街の数々。
窓のガラスが飛んでいるものや、潰れた家。どこかの斜塔みたいに曲がった建物。
明らかにガラクタみたいな"建物の数々じゃないか。
でもここは、俺がいた"現実"とは違う。
もしやここは、天国でも地獄でもない"死んでからの世界"なのか?
そんなところに俺は何故いる?
俺は天国行きか、地獄行きのはずだ!
俺は、どうなったというんだ!
教えてくれ!
俺は何故、こうなってしまったんだぁぁあああああああああああ!!!!!
心の中で叫んでいたつもりが、死んだはずの俺は心の中でなく、声として叫んでんでいた。
ただの問いではなく、強さと意思をこめた言葉として。

その時、天から光の声が届く。
女神と思わしき神聖なる声が。
イグザの、決死の問いに答えるかのように。
「あなたは、"選ばれた"のです。このゲームに。」
ゲーム?
遊びという意味の単語.....のはずだが.....
果たして、どんな意味で言っている?
その答えに、女神は少しためらってからあの神聖なる声で、続ける。
「ゲームと聞いて、分からないのでしょう。この"遊び"は、神によって選ばれた死者が生き残りを駆けて挑むサバイバルゲームです。ここでの仮の"死者"を武器というもので、殺し合うデスゲームでもあるので
す。たった一人の生き残りだけが、現実に帰れるのです」
さらにつけ加えると、締め切りはイグザが最後だそうだ。
つまり、そのデスゲームはもう始まっている。
現実に帰れる?なら、決まっている。

俺は、現実に帰れるならば、帰ってみせる!!!!

彼はそう、決心したのである。






Veraです。
サイエンテンションも書いていますが、暗いファンタジーを書きたいなぁという気分転換に書いてみました。
設定はちょっとヘビーですが、グロいのにするのはなるべく避けたいなあと思います。
というわけで、この作品の事も宜しくお願いします!
では、この辺りで!

<2016/08/11 23:24 Vera>消しゴム
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