「トイレで着替えてきなよ。」
そう言って、ジャージを渡す。
「分かりました。わざわざありがとうございます!……で、どこですか?」
あぁ。教えないと分からないよな。
いや、分かってたら怖いけども。
「んーっと。そこの角を左。あ、着替えたら二階に来て。」
「はいっ!」
君は、精一杯の笑顔を俺に向けてくれた。
楽しそうな笑顔を見て思う。
今日だけ、『子役』を忘れさせてあげることができるだろうか。
というか、普通の生徒の日常なんて
体験して面白いのか……?
俺はもう飽き飽きしてるところなんだけど…。
とりあえず、階段を上がった。
元々あまり散らかっていない部屋をパパッと片付ける。
うん。まぁ、いい感じ。
几帳面な方で良かった、と思う。
そのとき、トイレのドアを開ける音が聞こえた。そして、階段を上がる音がする。
「せんぱーいっ!着替えました!」
その声を聞いて部屋を出た。
「こっち。」
「はいっ!」
あーー、やっぱり大きかったか。
パッと見て思った。
裾は、考えて折ったらしかったが
、袖が……。
まくっても落ちてくるっぽい。
「やっぱり先輩の大きいですねー。」
そういいながら、腕をパタパタしている。
すぐに、袖がおちてきた。
なんか…小鳥みたいで可愛らしい。
「えへへー、萌え袖ですねぇー。」
さすが、子役。
いつもダサく見えてるジャージが
なぜだかダサく見えない。
「まぁ、今日は、それ着てていいから。また、返してくれれば。」
濡れた制服来て帰れ、だなんて言えないしな。
「ありがとうございますっ!……でも、明日から新しいドラマの撮影があるので、返すときがないんですよねー。学校にも、またしばらく行けないですし。」
笑いながら少し困った顔をした。
「そっか。ん?次はいつがあいてんの?」
あ。これは、プライベートか。
人気子役のスケジュールなんて
聞いちゃいけなかったよな。
けど、君はちゃんと答えてくれた。
「明日の撮影が終わったあとなら……空いてますよ。でも、夜なんですよねぇー。」
夜か。わざわざ来てもらうのは、危ない。
「じゃ、暇なときでいい。夜は危険だし。」
誘拐なんかされてみろ。
全国ニュースになるぞ。
「迷惑かけてすいませんっ!!感謝ですっ!」
ん?迷惑……?いやいや。
こっちも、日常が壊してくれて大感謝だよ。
思ったけど、言わなかった。
無駄話をしてると日がくれる。
その前に、気分転換させてあげないと。
「大丈夫だから、きにすんな。ところで、何する?」
すると、腕を組んで考え始めた。
腕を組んで下唇を噛んでいるだけなのに
絵になっているのはなんでなんだろう。
「そうですねー。勉強、ですかね?」
は?
出そうになったところを、無理矢理飲み込む。
「それでいいの?」
「はいっ!教えてください!数学を!」
「あ。苦手なんだ?」
たまたま俺の得意教科。良かった。
「しょーがないじゃないですかっ!数学なのに、アルファベットが出てくるし!文章題とか、もう国語!!」
そーとー苦手なようだ。
「はいはい。とりあえず、問題集とか持ってこい。教えてやるから。」
君は、「やったぁ~!」と嬉しそうに言って
玄関へカバンを取りに行った。
すぐに、戻ってくる。
「これなんですけどー。」
そういって、見せてきたのは
「一時関数の方程式の利用」の応用問題。
基礎はできてるってことか。
そのまま、俺による数学の授業が始まった。
なんとか、ついてくる姿が可愛らしい。
「よしっ。解けたな。」
十分で解いたらいい方だろう。
なかなか頭いいじゃん。
「んふふっ、楽しいですねー!学生な感じがしますっ!」
「ま、実際学生なんだけどな。」
「いいんですよ!細かい事はっ!」
そのまま、笑った。
「じゃ、次いこう。何する?」
「そーーですねぇ。あ!アドレスの交換とか!」
「ちょっと、待て。」
俺の言葉に首をかしげる。
「こんな、ただの男子生徒と交換すんのか?というか、事務所で止められてたりしない?」
「大丈夫ですよ!止められたことありませんからっ!……そもそも交換したことないんで…。生徒とは。」
「なんで。」
言いにくそうな顔をした。
触れちゃまずかったか。
反射でそう思った。
「友達がいないんですよ…。なんか、遠い存在としてしか見られてないらしくて。だから、せめて後輩としてみてくれる先輩と交換出来たらなって……。ダメですか!?」
いや、断る理由なんて見つからないけど。
「じゃ、しよう。」
その言葉で、君はホッとした表情になった。
「じゃ、次は……。」
そう言って、ジャージを渡す。
「分かりました。わざわざありがとうございます!……で、どこですか?」
あぁ。教えないと分からないよな。
いや、分かってたら怖いけども。
「んーっと。そこの角を左。あ、着替えたら二階に来て。」
「はいっ!」
君は、精一杯の笑顔を俺に向けてくれた。
楽しそうな笑顔を見て思う。
今日だけ、『子役』を忘れさせてあげることができるだろうか。
というか、普通の生徒の日常なんて
体験して面白いのか……?
俺はもう飽き飽きしてるところなんだけど…。
とりあえず、階段を上がった。
元々あまり散らかっていない部屋をパパッと片付ける。
うん。まぁ、いい感じ。
几帳面な方で良かった、と思う。
そのとき、トイレのドアを開ける音が聞こえた。そして、階段を上がる音がする。
「せんぱーいっ!着替えました!」
その声を聞いて部屋を出た。
「こっち。」
「はいっ!」
あーー、やっぱり大きかったか。
パッと見て思った。
裾は、考えて折ったらしかったが
、袖が……。
まくっても落ちてくるっぽい。
「やっぱり先輩の大きいですねー。」
そういいながら、腕をパタパタしている。
すぐに、袖がおちてきた。
なんか…小鳥みたいで可愛らしい。
「えへへー、萌え袖ですねぇー。」
さすが、子役。
いつもダサく見えてるジャージが
なぜだかダサく見えない。
「まぁ、今日は、それ着てていいから。また、返してくれれば。」
濡れた制服来て帰れ、だなんて言えないしな。
「ありがとうございますっ!……でも、明日から新しいドラマの撮影があるので、返すときがないんですよねー。学校にも、またしばらく行けないですし。」
笑いながら少し困った顔をした。
「そっか。ん?次はいつがあいてんの?」
あ。これは、プライベートか。
人気子役のスケジュールなんて
聞いちゃいけなかったよな。
けど、君はちゃんと答えてくれた。
「明日の撮影が終わったあとなら……空いてますよ。でも、夜なんですよねぇー。」
夜か。わざわざ来てもらうのは、危ない。
「じゃ、暇なときでいい。夜は危険だし。」
誘拐なんかされてみろ。
全国ニュースになるぞ。
「迷惑かけてすいませんっ!!感謝ですっ!」
ん?迷惑……?いやいや。
こっちも、日常が壊してくれて大感謝だよ。
思ったけど、言わなかった。
無駄話をしてると日がくれる。
その前に、気分転換させてあげないと。
「大丈夫だから、きにすんな。ところで、何する?」
すると、腕を組んで考え始めた。
腕を組んで下唇を噛んでいるだけなのに
絵になっているのはなんでなんだろう。
「そうですねー。勉強、ですかね?」
は?
出そうになったところを、無理矢理飲み込む。
「それでいいの?」
「はいっ!教えてください!数学を!」
「あ。苦手なんだ?」
たまたま俺の得意教科。良かった。
「しょーがないじゃないですかっ!数学なのに、アルファベットが出てくるし!文章題とか、もう国語!!」
そーとー苦手なようだ。
「はいはい。とりあえず、問題集とか持ってこい。教えてやるから。」
君は、「やったぁ~!」と嬉しそうに言って
玄関へカバンを取りに行った。
すぐに、戻ってくる。
「これなんですけどー。」
そういって、見せてきたのは
「一時関数の方程式の利用」の応用問題。
基礎はできてるってことか。
そのまま、俺による数学の授業が始まった。
なんとか、ついてくる姿が可愛らしい。
「よしっ。解けたな。」
十分で解いたらいい方だろう。
なかなか頭いいじゃん。
「んふふっ、楽しいですねー!学生な感じがしますっ!」
「ま、実際学生なんだけどな。」
「いいんですよ!細かい事はっ!」
そのまま、笑った。
「じゃ、次いこう。何する?」
「そーーですねぇ。あ!アドレスの交換とか!」
「ちょっと、待て。」
俺の言葉に首をかしげる。
「こんな、ただの男子生徒と交換すんのか?というか、事務所で止められてたりしない?」
「大丈夫ですよ!止められたことありませんからっ!……そもそも交換したことないんで…。生徒とは。」
「なんで。」
言いにくそうな顔をした。
触れちゃまずかったか。
反射でそう思った。
「友達がいないんですよ…。なんか、遠い存在としてしか見られてないらしくて。だから、せめて後輩としてみてくれる先輩と交換出来たらなって……。ダメですか!?」
いや、断る理由なんて見つからないけど。
「じゃ、しよう。」
その言葉で、君はホッとした表情になった。
「じゃ、次は……。」
