『各地で勃発している【バラバラ殺人事件】。昨夜、東京渋谷にて新たな犠牲者が生まれました────』
「最近は物騒な世の中になったねー」
俺の妹である沙月(サツキ)は、テレビに流れるニュースを見ながら言った。
「あー、そうだなー」
俺はそんな気もない返事をしてから、朝食のトーストを頬張る。沙月は少しむっとした顔をしてから、俺のようにトーストを頬張った。
「でも怖いよね、【バラバラ殺人事件】。見つかった被害者、全員体バラバラにされて死んでるんだよ?」
沙月は、ブルブルと震えるような仕草をしながら言った。
「・・・・怖ぇよなぁ」
俺はそういいながら牛乳を飲み干す。
「しかも、目撃者の証言、すっごい抽象的だし」
「なんだっけ?【嗤う鬼】・・・・・・だっけ?」
「そうそ。意味わからないよねー」
沙月はそう言うと、トーストを平らげた。俺もトーストを全て食い、そして制服に着替える。
「お兄ちゃん、【バラバラ殺人】に巻き込まれないでね?」
冗談めかした風に言う沙月だが、どうやら本当に心配してくれているようで、目尻には少量の涙が溜まっていた。
「ああ、叔母さんの後を追うような真似はしないよ。しかも、今日は俺の誕生日だからな」
俺はそう言うと、悲しげな顔をする沙月に『行ってきます』と言ってから外に出た。
さて、俺の名前は白柳尚人(シロヤナギ・ナオト)。勉強も運動も平々凡々な、普通の高校二年生だ。
そんなまだ高二の俺が妹と暮らしている理由はこう。
父は沙月が生まれると共に他界し、母も沙月が五歳、俺が七歳の頃に交通事故でなくなった。そして今迄育ててくれた叔母さんは、昨年死亡。死因は、あの【バラバラ殺人事件】に巻き込まれたのだとか。警察からも、親戚からも詳しいことは伝えられていないから、【バラバラ殺人】のことは詳しい訳では無い。
そしてその【バラバラ殺人事件】だが、最近各地で勃発している、今期最大の【未解決事件】だ。
【血飛沫みたいな赤い霧】【紅の結晶】【謎の機械音】【嗤う鬼】。これらが目撃者の証言だというが、複数の目撃者の中、その答えはバラバラだった。まるで、誰かが意図的に消したかのように。
まあとにかく残酷卑劣な未解決事件というわけで、俺がそんな事件に巻き込まれることもなく────────
ゾワッ。
瞬間、俺の背筋が凍りついた。背中の上を凡そ百匹のムカデが這いずり回るような不快感、そして謎の【違和感】。
直感的に、『沙月に何かが起こった』と思った。
プシューと音を立てながら閉まる電車の扉に体を擦り込ませ、そして駅のホームの階段を駆け上がった。何度も人にぶつかって、駅員に注意を受けるもお構い無し。
ずっと走り続けていると、やっと家が見えてきた。
そして家の扉は何故か開いていた。
「沙月ィィィィ!!!」
俺は叫びながら家の中に入った。その瞬間、謎の激臭。
「なんだコレ・・・・・・臭・・・」
そして何故か、家の中は真っ暗。電気がついていなくてもここまで暗くはない。まるで、この家の中だけ深夜になったかのようだった。
べと。
気づけば俺の足は、ナニカを踏んでいた。ベトベトした、大きな物体を。
俺はスマートフォンの光でそのナニカを照らす。
人だった。
なんでこんなところに知らない人が?
俺はその人を触る。
べとべとべと。
何かベトベトした液体に、その人は包まれていた。
俺はその液体がついた手を見た。
赤色。
赤色のベトベトした液体。
つまり、【血】だった。
その人は、血塗れで俺の家で倒れていた。
「・・・・・・・・・は?」
俺はその人をよく見る。服は血で真っ赤だったが、その人の隣にある箱を見れば、その人の正体はすぐにわかった。
宅配便の人だ。
なんで他人である宅配便の担当が、俺の家で、血塗れで倒れているんだ?
しかしその答えは、思ってもみない形ですぐに知ることとなる。
「あれ?お兄ちゃん?」
暗闇の中から現れたのは、沙月だった。
「さ、つき?」
「そうだよー。何?何でそんなにビクビクしてるの?」
「・・・・・お、お前ソレ・・・・・・」
俺は沙月が持っているものを指さした。
沙月の右手には血に塗れた包丁、左手にはバチバチと稲妻の飛沫を飛ばすスタンガンが握られていた。
「あ、これ?これはねー、お兄ちゃんを『解剖』するための道具なんだー。『解剖』ってどうするかわからないからさー、ちょっとその人で試しちゃった」
待て、待ってくれ。沙月が、こいつが何を言っているのか理解出来ない。
カイボウ?『解剖』?
俺が?は?
しかもこの人は沙月に殺されて・・・・・・?
「うわあああああああああああああ!!」
俺は走った。
走って走って走って、背後にいる狂気に塗れた沙月、妹から逃げた。
しかしそんなことも束の間。
バチバチッ!
稲妻の飛沫が俺の脇に当たった瞬間、俺は気を失った。
「最近は物騒な世の中になったねー」
俺の妹である沙月(サツキ)は、テレビに流れるニュースを見ながら言った。
「あー、そうだなー」
俺はそんな気もない返事をしてから、朝食のトーストを頬張る。沙月は少しむっとした顔をしてから、俺のようにトーストを頬張った。
「でも怖いよね、【バラバラ殺人事件】。見つかった被害者、全員体バラバラにされて死んでるんだよ?」
沙月は、ブルブルと震えるような仕草をしながら言った。
「・・・・怖ぇよなぁ」
俺はそういいながら牛乳を飲み干す。
「しかも、目撃者の証言、すっごい抽象的だし」
「なんだっけ?【嗤う鬼】・・・・・・だっけ?」
「そうそ。意味わからないよねー」
沙月はそう言うと、トーストを平らげた。俺もトーストを全て食い、そして制服に着替える。
「お兄ちゃん、【バラバラ殺人】に巻き込まれないでね?」
冗談めかした風に言う沙月だが、どうやら本当に心配してくれているようで、目尻には少量の涙が溜まっていた。
「ああ、叔母さんの後を追うような真似はしないよ。しかも、今日は俺の誕生日だからな」
俺はそう言うと、悲しげな顔をする沙月に『行ってきます』と言ってから外に出た。
さて、俺の名前は白柳尚人(シロヤナギ・ナオト)。勉強も運動も平々凡々な、普通の高校二年生だ。
そんなまだ高二の俺が妹と暮らしている理由はこう。
父は沙月が生まれると共に他界し、母も沙月が五歳、俺が七歳の頃に交通事故でなくなった。そして今迄育ててくれた叔母さんは、昨年死亡。死因は、あの【バラバラ殺人事件】に巻き込まれたのだとか。警察からも、親戚からも詳しいことは伝えられていないから、【バラバラ殺人】のことは詳しい訳では無い。
そしてその【バラバラ殺人事件】だが、最近各地で勃発している、今期最大の【未解決事件】だ。
【血飛沫みたいな赤い霧】【紅の結晶】【謎の機械音】【嗤う鬼】。これらが目撃者の証言だというが、複数の目撃者の中、その答えはバラバラだった。まるで、誰かが意図的に消したかのように。
まあとにかく残酷卑劣な未解決事件というわけで、俺がそんな事件に巻き込まれることもなく────────
ゾワッ。
瞬間、俺の背筋が凍りついた。背中の上を凡そ百匹のムカデが這いずり回るような不快感、そして謎の【違和感】。
直感的に、『沙月に何かが起こった』と思った。
プシューと音を立てながら閉まる電車の扉に体を擦り込ませ、そして駅のホームの階段を駆け上がった。何度も人にぶつかって、駅員に注意を受けるもお構い無し。
ずっと走り続けていると、やっと家が見えてきた。
そして家の扉は何故か開いていた。
「沙月ィィィィ!!!」
俺は叫びながら家の中に入った。その瞬間、謎の激臭。
「なんだコレ・・・・・・臭・・・」
そして何故か、家の中は真っ暗。電気がついていなくてもここまで暗くはない。まるで、この家の中だけ深夜になったかのようだった。
べと。
気づけば俺の足は、ナニカを踏んでいた。ベトベトした、大きな物体を。
俺はスマートフォンの光でそのナニカを照らす。
人だった。
なんでこんなところに知らない人が?
俺はその人を触る。
べとべとべと。
何かベトベトした液体に、その人は包まれていた。
俺はその液体がついた手を見た。
赤色。
赤色のベトベトした液体。
つまり、【血】だった。
その人は、血塗れで俺の家で倒れていた。
「・・・・・・・・・は?」
俺はその人をよく見る。服は血で真っ赤だったが、その人の隣にある箱を見れば、その人の正体はすぐにわかった。
宅配便の人だ。
なんで他人である宅配便の担当が、俺の家で、血塗れで倒れているんだ?
しかしその答えは、思ってもみない形ですぐに知ることとなる。
「あれ?お兄ちゃん?」
暗闇の中から現れたのは、沙月だった。
「さ、つき?」
「そうだよー。何?何でそんなにビクビクしてるの?」
「・・・・・お、お前ソレ・・・・・・」
俺は沙月が持っているものを指さした。
沙月の右手には血に塗れた包丁、左手にはバチバチと稲妻の飛沫を飛ばすスタンガンが握られていた。
「あ、これ?これはねー、お兄ちゃんを『解剖』するための道具なんだー。『解剖』ってどうするかわからないからさー、ちょっとその人で試しちゃった」
待て、待ってくれ。沙月が、こいつが何を言っているのか理解出来ない。
カイボウ?『解剖』?
俺が?は?
しかもこの人は沙月に殺されて・・・・・・?
「うわあああああああああああああ!!」
俺は走った。
走って走って走って、背後にいる狂気に塗れた沙月、妹から逃げた。
しかしそんなことも束の間。
バチバチッ!
稲妻の飛沫が俺の脇に当たった瞬間、俺は気を失った。
