付いてこい、と言うコトハルについて行った結果、到着したのは真っ白な正方形の部屋だった。一面だけガラス張りになっており、そのガラス越しに何のかわからないような機械がずらりと並んでいる。コトハルはその機械室で機械をいじっていた。
「お、おいコトハル!なんだよこの部屋・・・」
俺が何回もそう聞くも、コトハルは黙って待ってろの一点張り。俺がイライラしていると、コトハルはやっと俺の方を見た。そして、3D映画の時にかける3D眼鏡みたいなものをを無言で渡された。
「あ?なんだこれ?」
「それかけて」
「・・・ああ」
俺は渋々眼鏡をかける。すると、真っ白な正方形の部屋だったはずが、まるで崖のような岩ばかりの部屋に変わっていた。
「は!?」
俺は慌てて眼鏡を外した。すると、ただの真っ白な部屋に戻っている。
「・・・説明がまだだったな。これは特訓だよ。それで、この部屋は僕達グラヴィオン愛用のトレーニングルーム。その眼鏡をかけるとこの部屋が変化して見え、そして幻の敵も出てくるのさ。『幻闘法』って言うんだ」
「・・・へぇ。スゲェな。つうかお前、千石の前と態度が全然違・・・・・・」
「ほら、さっさと眼鏡かけろ」
「・・・ちっ」
俺は舌打ちをしてから眼鏡をかける。やっぱり部屋は山岳みたいな場所に変化していて、その岩陰から人が飛び出してきた。そしてなんと、その人は銃を抱えている。
「見えたか?そいつが幻の敵だ。タイプは人型、強さは幻闘法の中じゃ最弱。数は百体だ。このメニューは、僕は小五の時に三十秒で終わらせた。制限時間は一時間だ」
コトハルがそう言っている間、幻の敵とやらは銃で俺を攻撃してくる。ヂュンヂュンと鼻先を掠めるが、強さが最弱だけあってあまり当たらない。だが銃は本物のようで、俺の足元を撃った時、幻の岩に風穴が空いていた。
すると、何かを思い出したようにコトハルが言った。
「あ、そうだった。攻撃受けても痛くないし怪我もできないけど、幻闘法は脳に負担がありすぎるから、攻撃受け過ぎたら気絶するからな」
「はぁ!?それ先に言えって・・・・・・うわっ!」
コトハルとの会話の間に、幻の敵が三体に増えていた。いずれもライフルやガトリングガンなどの銃を持っていて、俺の足元を狙って攻撃してくる。
「ふっ、せいぜい頑張れよ」
コトハルはそう笑いながら言うと、どこかに消えた。
────────────────────────────────────
「あ、千石さん」
コトハルは椅子に座って煙草を吸っている千石に声をかけた。
千石はコトハルの方に振り返り、そしてニカッと笑う。
「おうハル。どした?ナオトはどこだ?」
千石が何かと尚人を気にかけていることに少し苛立ちながらも、コトハルは答える。
「はい。今、幻闘法をやらせています」
「ほう、メニューは?」
「人型の最弱タイプ、それを一時間以内に百体です」
「お!それ、お前が小五の時に入ってきてオレがお前に初めてやらせてやつじゃねえか!」
「お、覚えていてくれたんですか!」
コトハルは嬉しそうに言った。千石は煙草を灰皿にぐりぐり押し付けながら、目を瞑って答える。
「ふっ、当たり前だろ?あの頃のお前はトゲトゲしてたからな。三十秒くれぇで終わらせただろ」
「はい!・・・あの、千石さん」
「ん?どした?」
「僕が親に捨てられてスラム街に居た時、助けてくれてありがとうございました」
コトハルは少し照れながら言う。
「・・・・・・グハハハハッ!照れるじゃねえか!そんな昔のこと掘り返すんじゃねえよ」
「ははは、すみません」
コトハルは嬉しそうに謝ると、千石の隣に座った。
「・・・でも、なんであんな奴を入れたんですか?」
コトハルは急に神妙な面持ちになって、煙草を吸う千石に尋ねた。
「ナオトのことか?」
「はい。調べたところ学校での成績は普通ですし、それに中学校時代から高校一年にかけて、親族を失った悲しみで不登校になったことさえあるとのことです。それに運動神経もいいとは言えませんし・・・・・・」
コトハルは尚人の駄目なところや黒歴史を次々の上げていく。しかし、千石はコトハルの言葉を笑い飛ばした。
「勘だよ」
「か、勘?」
千石は煙草を吸うのをやめて、コトハルに向き直った。
「ああ。そんなもんだ。アイツ、オレがナオトの妹を殺そうとしたら、もう死にかけてたのに片足片手で立ち上がって、オレの大砲から妹を庇ったんだよ」
「・・・馬鹿ですね」
「グハハハハッ!そうだな、馬鹿だ。オレは腹が立ったよ。何故なら、昔のオレに似てたからだ。弱いくせに護れもしねえモン命懸けで護って、怖くてガクブルだってのに、自分より強い相手に刃向かって・・・・・・。そのとき思ったんだよ。『あ、こいつ強くなるな』ってよ」
千石は目を瞑ってその時の瞬間の感情に浸りながらそう言った。コトハルはもう何も言わずに、灰皿の上で煙を上げる千石の煙草を見つめているだけだった。
「・・・なんかシンミリしちまったな。あ、そう言えばナオトはどうなったかな?気絶してなきゃいいけどよ!見に行こうぜ」
千石は新しい煙草を出しながら、立ち上がった。
────そしてその後トレーニングルームで、千石とコトハルは同時に驚愕するのだった。
「お、おいコトハル!なんだよこの部屋・・・」
俺が何回もそう聞くも、コトハルは黙って待ってろの一点張り。俺がイライラしていると、コトハルはやっと俺の方を見た。そして、3D映画の時にかける3D眼鏡みたいなものをを無言で渡された。
「あ?なんだこれ?」
「それかけて」
「・・・ああ」
俺は渋々眼鏡をかける。すると、真っ白な正方形の部屋だったはずが、まるで崖のような岩ばかりの部屋に変わっていた。
「は!?」
俺は慌てて眼鏡を外した。すると、ただの真っ白な部屋に戻っている。
「・・・説明がまだだったな。これは特訓だよ。それで、この部屋は僕達グラヴィオン愛用のトレーニングルーム。その眼鏡をかけるとこの部屋が変化して見え、そして幻の敵も出てくるのさ。『幻闘法』って言うんだ」
「・・・へぇ。スゲェな。つうかお前、千石の前と態度が全然違・・・・・・」
「ほら、さっさと眼鏡かけろ」
「・・・ちっ」
俺は舌打ちをしてから眼鏡をかける。やっぱり部屋は山岳みたいな場所に変化していて、その岩陰から人が飛び出してきた。そしてなんと、その人は銃を抱えている。
「見えたか?そいつが幻の敵だ。タイプは人型、強さは幻闘法の中じゃ最弱。数は百体だ。このメニューは、僕は小五の時に三十秒で終わらせた。制限時間は一時間だ」
コトハルがそう言っている間、幻の敵とやらは銃で俺を攻撃してくる。ヂュンヂュンと鼻先を掠めるが、強さが最弱だけあってあまり当たらない。だが銃は本物のようで、俺の足元を撃った時、幻の岩に風穴が空いていた。
すると、何かを思い出したようにコトハルが言った。
「あ、そうだった。攻撃受けても痛くないし怪我もできないけど、幻闘法は脳に負担がありすぎるから、攻撃受け過ぎたら気絶するからな」
「はぁ!?それ先に言えって・・・・・・うわっ!」
コトハルとの会話の間に、幻の敵が三体に増えていた。いずれもライフルやガトリングガンなどの銃を持っていて、俺の足元を狙って攻撃してくる。
「ふっ、せいぜい頑張れよ」
コトハルはそう笑いながら言うと、どこかに消えた。
────────────────────────────────────
「あ、千石さん」
コトハルは椅子に座って煙草を吸っている千石に声をかけた。
千石はコトハルの方に振り返り、そしてニカッと笑う。
「おうハル。どした?ナオトはどこだ?」
千石が何かと尚人を気にかけていることに少し苛立ちながらも、コトハルは答える。
「はい。今、幻闘法をやらせています」
「ほう、メニューは?」
「人型の最弱タイプ、それを一時間以内に百体です」
「お!それ、お前が小五の時に入ってきてオレがお前に初めてやらせてやつじゃねえか!」
「お、覚えていてくれたんですか!」
コトハルは嬉しそうに言った。千石は煙草を灰皿にぐりぐり押し付けながら、目を瞑って答える。
「ふっ、当たり前だろ?あの頃のお前はトゲトゲしてたからな。三十秒くれぇで終わらせただろ」
「はい!・・・あの、千石さん」
「ん?どした?」
「僕が親に捨てられてスラム街に居た時、助けてくれてありがとうございました」
コトハルは少し照れながら言う。
「・・・・・・グハハハハッ!照れるじゃねえか!そんな昔のこと掘り返すんじゃねえよ」
「ははは、すみません」
コトハルは嬉しそうに謝ると、千石の隣に座った。
「・・・でも、なんであんな奴を入れたんですか?」
コトハルは急に神妙な面持ちになって、煙草を吸う千石に尋ねた。
「ナオトのことか?」
「はい。調べたところ学校での成績は普通ですし、それに中学校時代から高校一年にかけて、親族を失った悲しみで不登校になったことさえあるとのことです。それに運動神経もいいとは言えませんし・・・・・・」
コトハルは尚人の駄目なところや黒歴史を次々の上げていく。しかし、千石はコトハルの言葉を笑い飛ばした。
「勘だよ」
「か、勘?」
千石は煙草を吸うのをやめて、コトハルに向き直った。
「ああ。そんなもんだ。アイツ、オレがナオトの妹を殺そうとしたら、もう死にかけてたのに片足片手で立ち上がって、オレの大砲から妹を庇ったんだよ」
「・・・馬鹿ですね」
「グハハハハッ!そうだな、馬鹿だ。オレは腹が立ったよ。何故なら、昔のオレに似てたからだ。弱いくせに護れもしねえモン命懸けで護って、怖くてガクブルだってのに、自分より強い相手に刃向かって・・・・・・。そのとき思ったんだよ。『あ、こいつ強くなるな』ってよ」
千石は目を瞑ってその時の瞬間の感情に浸りながらそう言った。コトハルはもう何も言わずに、灰皿の上で煙を上げる千石の煙草を見つめているだけだった。
「・・・なんかシンミリしちまったな。あ、そう言えばナオトはどうなったかな?気絶してなきゃいいけどよ!見に行こうぜ」
千石は新しい煙草を出しながら、立ち上がった。
────そしてその後トレーニングルームで、千石とコトハルは同時に驚愕するのだった。
