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Monster parade
- トレーニングルームにて -

トレーニングルームの隣の部屋、機械室のガラス窓は、幻闘法専用の3D眼鏡と同じ役割をしている。つまり、トレーニングルーム内で起こっている幻を見ることが出来るのだ。
コトハルは千石と共にトレーニングルームの機械室へと向かった。トレーニングルームでは、尚人が何も無い部屋で蠢き回っているだけ。これはこれで見てても面白いな、と思いながらも、コトハルは機械をいじってガラス窓に幻を映させた。
そしてその数瞬後、千石とコトハルは同時に驚愕したのだった。

────なんと、凡そ百人もの幻の敵の千を超える銃撃を、尚人は全て躱していたのだ。

まるで次にくる銃撃が何処からか、どの敵のものからかを事前に理解しているように。糾弾は尚人の鼻先を掠めるは多々あるが、尚人の身体に完全にヒットすることは全くなかった。
しかし。
しかし何故、尚人は攻撃をしない?
千石は機械室の機械をいじると、一時間で設定していた幻闘法を、強制的に終了させた。そしてトレーニングルームのスピーカーへと繋がる機械室のマイクに、千石は怒鳴った。
「オイ尚人!!なんで攻撃をしねぇ!?」
尚人はびっくりしたように、機械室にいる千石の方を見た。そして眼鏡を外すと、その場に、まるでブレーカーが落ちたように崩れ落ちた。
「ぜぇぜぇ・・・・・・ハァ・・・ふぅ・・・も、もう・・・・・・時間切れ・・・・・・か・・・?」
ぜえぜえと肩で息をし、もう限界のように黒目を小さくさせる。千石は呆れたように溜息をつくと、隣にいたコトハルに言った。
「・・・・・・ったく・・・。ハル。こいつ、今日連れてくぞ 」
「・・・・・・!?本気ですか!?まだこいつには速すぎるのでは!?死んでしまうかも知れませんよ!?」
「いいからいいから。団長にゃあ、オレが報告しとく」
「そういう問題では・・・!こいつは、流れ弾で死ぬくらい弱いんですよ!」
「・・・ま、死んだら死んだで自己責任ってやつだ」
「わ、分かりました・・・・・・」
千石は『まさか、な』と謎の言葉を発して煙草を咥えながらどこかに行った。
残されたコトハルは舌打ちをして、気絶してしまった尚人を肩に背負った。



<2016/08/18 15:45 東郷哲太>消しゴム
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