ゴウンゴウン、ゴウンゴウンと、緩やかに体を揺すられるような感覚に、俺は重い瞼をゆっくりと開いた。すると、予想通り俺がいるのは車の中。それも赤色のオープンカーと、ちょっとはしゃぎすぎなのではと心配するような賑やかさを醸し出している。
車に乗っているのは、運転席に座る千石、助手席で千石と話をしているコトハル、そして俺の隣でゲームをしている天翔奏太だった。
ガンガン頭が痛くなるような音量のロックミュージックが流れ、屋根がないのだから音が垂れ流しになっているということにも気にせず、千石はグハハハと笑いながら運転をしていた。
「お、おい!なんだよ、なんでこんな街中を・・・・・・」
俺は音楽のボリュームに負けないくらいの大声で言った。すると、迷惑そうな顔をしながら、コトハルは振り向いた。
「うるさいな。見ればわかるだろう」
うるさいのは車の音楽のせいだし、見ても見てもわからないから聞いているのだが、コトハルは説明をしてくれそうにない。なので、今度はこの中で最年少ながらも一番まともそうな奏太に聞いた。
「な、なぁ、今からどこに行くんだ?ていうか、俺、さっきトレーニングしてきたところだから疲れてんだけど・・・・・・」
すると奏太は、コトハルと同じような迷惑顔で言った。
「はぁ!?聞いてないの!?」
「いや、だから、聞いてなくて何も知らないから聞いてるんだよ」
「なるほどね。ま、着けばわかるんじゃない・・・っていうのも無神経だし、説明したげるよ。・・・君さ、妹さん、殺されちゃったでしょ?僕らに。つまり、そういうこと」
「あ?そういうことってどういうこと・・・・・・」
「うっわー、理解力乏しっ」
「失礼なっ!」
「はぁ。やれやれ。・・・僕らの目的は、ワンダーを殺すこと。だから君には、今日見学をしてもらうんだよ。僕らがワンダーを殺してる様子を。なんなら手ぇ出してもいいってさ、千石さんが」
「あぁ、成程」
全く敬語を使う気がないのには腹が立つが、まあ先輩というので黙っておくことにした。俺は黙って空を見上げた。天気は悪い方で、雨雲が集まり始めている。そろそろ雨が降り始めるのかもしれない。
「・・・天翔奏太、だよな?」
「奏太センパイでいいよ。よろしくね、・・・えっと・・・シロヤナギナオトだから・・・、シロ!」
「ヤメロ。それ、俺が犬みたいだろ」
「ククッ」
「笑うなクソコトハル!」
「うーん、じゃあナオでいい?」
「ああ、よろしく。奏太セ・ン・パ・イ」
「うぐっ、やっぱり奏太でいい・・・・・・」
「ハハハ、ガキ」
「だ、黙れ!」
そうこうしているうちに、どうやら目的地に到着したようだった。目的地というのは金色に装飾された、派手な教会。千石が急ブレーキをかけ、そして一旦止まる。そして千石は地図を確認すると、ニヤッと笑った。するとエンジンをかけ直し、もう一度強くアクセルを踏む。
「はぁ!?」
俺がそう言った瞬間に、千石率いるグラヴィオンのメンバーを乗せた派手なオープンカーは、教会に突っ込んでいった。
「・・・いっててて・・・・・・」
俺がそうやって呑気に後頭部を摩っていると、他のメンバーはもう車から降りたようで、俺もゆっくりと車から降りた。
「な、何者だ貴様らッ!?」
「神への冒涜者か!?」
ゾロゾロと人が集まり、教会の中は大騒ぎになっていた。それもそうである。神と人をつなぐべき建物である教会に、こんな神が嫌うであろう派手なオープンカーで突っ込んだのだから。警察沙汰じゃないのがおかしいくらいだ。
すると、教会の教壇に立っていた神父らしい穏やかそうな顔のお爺さんが、唸り始めた。
「うぐぐ・・・ウウッ・・・ガグゥッ・・・グァガァア!」
すると顔は変化を始め、やがて金色の装飾が施された、ミノタウロスのような牛に変化した。生憎体はよぼよぼしい神父のまだで、体だけを狙えばすぐにでも倒せそうだ。
「ふっ、ビンゴだぜ。オラてめぇら!あのクソ神父殺すぞ!グハハハハハハハッ!」
千石は今日一番の笑顔で笑うと、神父の方へと走っていった。いつの間にか手は大砲に変化していた。
どうやら今日の標的のワンダーというのが、あの神父らしい。どうやって今日あの人が怪物化すると予測できたのかは謎だが、大方グラヴィオンのメンバーが特定したのだろう。
すると、神父、いや、元新父の牛のバケモノが、顔を爪でえぐり始めた。暴走でもしたのだろうか?
「ウガァァァァッ!?」
そう言いながら、牛のワンダーは顔に張り付いた金箔をぺきぺきと剥がし、そばにいた信徒たちに振りまいた。
「そノ者共を屠レヱヱヱヱヱ!!」
「「「Yes!ゴッド!」」」
金箔がかかった信徒たちは、頭から牛のような角を生えさせ、そして暴走し出したのだ。つまり近づいてあの金箔に触れれば、あの信徒たちのように暴走してしまうということである。接近戦を得意とする千石にとっては酷なのかもしれないが、これからどう戦おうというのだろうか。
────いよいよ、命懸けの殺し合いが始まった。
車に乗っているのは、運転席に座る千石、助手席で千石と話をしているコトハル、そして俺の隣でゲームをしている天翔奏太だった。
ガンガン頭が痛くなるような音量のロックミュージックが流れ、屋根がないのだから音が垂れ流しになっているということにも気にせず、千石はグハハハと笑いながら運転をしていた。
「お、おい!なんだよ、なんでこんな街中を・・・・・・」
俺は音楽のボリュームに負けないくらいの大声で言った。すると、迷惑そうな顔をしながら、コトハルは振り向いた。
「うるさいな。見ればわかるだろう」
うるさいのは車の音楽のせいだし、見ても見てもわからないから聞いているのだが、コトハルは説明をしてくれそうにない。なので、今度はこの中で最年少ながらも一番まともそうな奏太に聞いた。
「な、なぁ、今からどこに行くんだ?ていうか、俺、さっきトレーニングしてきたところだから疲れてんだけど・・・・・・」
すると奏太は、コトハルと同じような迷惑顔で言った。
「はぁ!?聞いてないの!?」
「いや、だから、聞いてなくて何も知らないから聞いてるんだよ」
「なるほどね。ま、着けばわかるんじゃない・・・っていうのも無神経だし、説明したげるよ。・・・君さ、妹さん、殺されちゃったでしょ?僕らに。つまり、そういうこと」
「あ?そういうことってどういうこと・・・・・・」
「うっわー、理解力乏しっ」
「失礼なっ!」
「はぁ。やれやれ。・・・僕らの目的は、ワンダーを殺すこと。だから君には、今日見学をしてもらうんだよ。僕らがワンダーを殺してる様子を。なんなら手ぇ出してもいいってさ、千石さんが」
「あぁ、成程」
全く敬語を使う気がないのには腹が立つが、まあ先輩というので黙っておくことにした。俺は黙って空を見上げた。天気は悪い方で、雨雲が集まり始めている。そろそろ雨が降り始めるのかもしれない。
「・・・天翔奏太、だよな?」
「奏太センパイでいいよ。よろしくね、・・・えっと・・・シロヤナギナオトだから・・・、シロ!」
「ヤメロ。それ、俺が犬みたいだろ」
「ククッ」
「笑うなクソコトハル!」
「うーん、じゃあナオでいい?」
「ああ、よろしく。奏太セ・ン・パ・イ」
「うぐっ、やっぱり奏太でいい・・・・・・」
「ハハハ、ガキ」
「だ、黙れ!」
そうこうしているうちに、どうやら目的地に到着したようだった。目的地というのは金色に装飾された、派手な教会。千石が急ブレーキをかけ、そして一旦止まる。そして千石は地図を確認すると、ニヤッと笑った。するとエンジンをかけ直し、もう一度強くアクセルを踏む。
「はぁ!?」
俺がそう言った瞬間に、千石率いるグラヴィオンのメンバーを乗せた派手なオープンカーは、教会に突っ込んでいった。
「・・・いっててて・・・・・・」
俺がそうやって呑気に後頭部を摩っていると、他のメンバーはもう車から降りたようで、俺もゆっくりと車から降りた。
「な、何者だ貴様らッ!?」
「神への冒涜者か!?」
ゾロゾロと人が集まり、教会の中は大騒ぎになっていた。それもそうである。神と人をつなぐべき建物である教会に、こんな神が嫌うであろう派手なオープンカーで突っ込んだのだから。警察沙汰じゃないのがおかしいくらいだ。
すると、教会の教壇に立っていた神父らしい穏やかそうな顔のお爺さんが、唸り始めた。
「うぐぐ・・・ウウッ・・・ガグゥッ・・・グァガァア!」
すると顔は変化を始め、やがて金色の装飾が施された、ミノタウロスのような牛に変化した。生憎体はよぼよぼしい神父のまだで、体だけを狙えばすぐにでも倒せそうだ。
「ふっ、ビンゴだぜ。オラてめぇら!あのクソ神父殺すぞ!グハハハハハハハッ!」
千石は今日一番の笑顔で笑うと、神父の方へと走っていった。いつの間にか手は大砲に変化していた。
どうやら今日の標的のワンダーというのが、あの神父らしい。どうやって今日あの人が怪物化すると予測できたのかは謎だが、大方グラヴィオンのメンバーが特定したのだろう。
すると、神父、いや、元新父の牛のバケモノが、顔を爪でえぐり始めた。暴走でもしたのだろうか?
「ウガァァァァッ!?」
そう言いながら、牛のワンダーは顔に張り付いた金箔をぺきぺきと剥がし、そばにいた信徒たちに振りまいた。
「そノ者共を屠レヱヱヱヱヱ!!」
「「「Yes!ゴッド!」」」
金箔がかかった信徒たちは、頭から牛のような角を生えさせ、そして暴走し出したのだ。つまり近づいてあの金箔に触れれば、あの信徒たちのように暴走してしまうということである。接近戦を得意とする千石にとっては酷なのかもしれないが、これからどう戦おうというのだろうか。
────いよいよ、命懸けの殺し合いが始まった。
