ドゴォン、ドッガァァンと大砲の音が教会全体に響き渡る。千石はこの教会に入ってから、もう既に百発もの弾を撃っていた。あの千石の手の大砲は、弾に限度がないらしい。まさに無敵である。
「お、おい!千石、お前暴れ過ぎだろ!なにも信徒たちまでやらなくても・・・・・・」
俺は高笑いをしながら前に前に突っ込んでゆく千石に、そう怒鳴った。しかし千石が俺の言葉に気づくはずもなく、プレゼントをもらった子供のようにはしゃいで、信徒たちに撃って前に突き進んだ。
すると千石の代わりにとでもいうように、コトハルが言った。
「向こうは僕達を殺そうとしてるんだ。だからこちらもその気でいなければ殺られるに決まっているだろう。それくらい分かれ、ボンクラ」
「なッ!?」
俺が馬鹿にしてきたコトハルに何か言い返そうとした瞬間、暴走した信徒が撃った糾弾が俺めがけて飛んできた。
信徒に、この中で一番俺が弱いということを勘づかれたのかと思ったが、幸いそうではなく、ただ単に信徒が狂って暴発しただけだった。
「・・・チッ」
コトハルは瞬時にその糾弾に反応し、恐怖で動くことが出来ない俺の前に立った。
そしてコトハルの胸目掛けて糾弾が飛び、あと数mmで直撃するという時、異変が起きた。
鈍色の閃光が瞬き、そして一瞬のうちにしてその弾が真っ二つに切れたのだ。
速度と威力を失った弾はどこか明後日の方向に飛んでゆき、そしてゆっくりと瞼を開いた俺の目の前には、真っ白の直刃の剣、いや、骨を持ったコトハルが立っていた。
「あ、ありが・・・・・・」
俺がはっとしてお礼を言おうとした瞬間、コトハルは、俺を睨みながら言った。
「戦闘の邪魔だ。役立たずは出ていけ」
「は、はぁ!?お、俺は前まで普通の学生でっ、お前らとは違うんだよ!しかも、俺、ちょっと前に胸に風穴開いて死にかけたとこでっ、病み上がりっつーかなんつーか・・・・・・」
途中で言い訳になっているということに気づいた俺は、慌てて口を噤んだ。
するとコトハルは、生まれたての子鹿状態でその場に倒れるように崩れた俺を睥睨した。
すると、突然来ていた黒のコートと上の服を脱いだ。
「ッ!?」
俺は驚愕した。
何故なら、コトハルの身体には無数の手術跡と、醜い大きな傷が残っていたからだ。
「・・・僕には殆どの臓器がない。・・・いや、無かった。中国の町外れに住んでいた僕は、男をとっかえひっかえに連れてくる母の酒代欲しさに売られ、そして臓器を殆ど売られてしまった。・・・そんな時現れたのは、ワンダーを殺すために現れた千石さんと団長だった。そして僕に紅の結晶を埋め、僕は生きながらえている。本来なら、もう死んでいるのに、な」
俺は、コトハルの人生の壮絶さに驚愕し、戦慄を覚えた。
コトハルは言葉を紡ぐ。
「だが、これも一時的な救いだ。僕はもう永くない。だから、僕は僕を救ってくれた千石さんと団長の為に戦っている。僕が塵に、灰になるまでな。・・・・・・僕らグラヴィオンは、お前の心臓や僕の多数の臓器、またはそれ以上のものを失ってここに立っている。だから、弱き者は立ち去れ。温室育ちを続けたいのなら、この冷酷な世界から消え失せろ。・・・以上だ」
コトハルは剣を握り直した。そして、左手からもう一つの剣を・・・いや、尖った自らの骨を出し、そして前へと突き進んだ。狂った信徒たちを屠り、薙ぎ、そして千石の背後につき、またもや敵を斬った。
俺は、自分が恥ずかしかった。弱いからと自分に言い訳をし、そして今も尚立ちすくんでいる自分が。
「・・・るっせぇんだよ」
俺はがくがくと震える足を殴って立ち上がった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおッ────!!」
雄叫びを上げ、そして武器も何もなしに荒れ狂った信徒のところへ向かった。
「俺はッ、戦える!!」
強く、強くなりたいと思った。少なくとも、大和琴春という存在を超えたいと。
弱い自分で、そしてその弱い自分に納得している醜い存在だけにはなりたくなかった。
────コトハルは、俺を見て少し笑った。
少なくとも、俺にはそう見えた。
「お、おい!千石、お前暴れ過ぎだろ!なにも信徒たちまでやらなくても・・・・・・」
俺は高笑いをしながら前に前に突っ込んでゆく千石に、そう怒鳴った。しかし千石が俺の言葉に気づくはずもなく、プレゼントをもらった子供のようにはしゃいで、信徒たちに撃って前に突き進んだ。
すると千石の代わりにとでもいうように、コトハルが言った。
「向こうは僕達を殺そうとしてるんだ。だからこちらもその気でいなければ殺られるに決まっているだろう。それくらい分かれ、ボンクラ」
「なッ!?」
俺が馬鹿にしてきたコトハルに何か言い返そうとした瞬間、暴走した信徒が撃った糾弾が俺めがけて飛んできた。
信徒に、この中で一番俺が弱いということを勘づかれたのかと思ったが、幸いそうではなく、ただ単に信徒が狂って暴発しただけだった。
「・・・チッ」
コトハルは瞬時にその糾弾に反応し、恐怖で動くことが出来ない俺の前に立った。
そしてコトハルの胸目掛けて糾弾が飛び、あと数mmで直撃するという時、異変が起きた。
鈍色の閃光が瞬き、そして一瞬のうちにしてその弾が真っ二つに切れたのだ。
速度と威力を失った弾はどこか明後日の方向に飛んでゆき、そしてゆっくりと瞼を開いた俺の目の前には、真っ白の直刃の剣、いや、骨を持ったコトハルが立っていた。
「あ、ありが・・・・・・」
俺がはっとしてお礼を言おうとした瞬間、コトハルは、俺を睨みながら言った。
「戦闘の邪魔だ。役立たずは出ていけ」
「は、はぁ!?お、俺は前まで普通の学生でっ、お前らとは違うんだよ!しかも、俺、ちょっと前に胸に風穴開いて死にかけたとこでっ、病み上がりっつーかなんつーか・・・・・・」
途中で言い訳になっているということに気づいた俺は、慌てて口を噤んだ。
するとコトハルは、生まれたての子鹿状態でその場に倒れるように崩れた俺を睥睨した。
すると、突然来ていた黒のコートと上の服を脱いだ。
「ッ!?」
俺は驚愕した。
何故なら、コトハルの身体には無数の手術跡と、醜い大きな傷が残っていたからだ。
「・・・僕には殆どの臓器がない。・・・いや、無かった。中国の町外れに住んでいた僕は、男をとっかえひっかえに連れてくる母の酒代欲しさに売られ、そして臓器を殆ど売られてしまった。・・・そんな時現れたのは、ワンダーを殺すために現れた千石さんと団長だった。そして僕に紅の結晶を埋め、僕は生きながらえている。本来なら、もう死んでいるのに、な」
俺は、コトハルの人生の壮絶さに驚愕し、戦慄を覚えた。
コトハルは言葉を紡ぐ。
「だが、これも一時的な救いだ。僕はもう永くない。だから、僕は僕を救ってくれた千石さんと団長の為に戦っている。僕が塵に、灰になるまでな。・・・・・・僕らグラヴィオンは、お前の心臓や僕の多数の臓器、またはそれ以上のものを失ってここに立っている。だから、弱き者は立ち去れ。温室育ちを続けたいのなら、この冷酷な世界から消え失せろ。・・・以上だ」
コトハルは剣を握り直した。そして、左手からもう一つの剣を・・・いや、尖った自らの骨を出し、そして前へと突き進んだ。狂った信徒たちを屠り、薙ぎ、そして千石の背後につき、またもや敵を斬った。
俺は、自分が恥ずかしかった。弱いからと自分に言い訳をし、そして今も尚立ちすくんでいる自分が。
「・・・るっせぇんだよ」
俺はがくがくと震える足を殴って立ち上がった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおッ────!!」
雄叫びを上げ、そして武器も何もなしに荒れ狂った信徒のところへ向かった。
「俺はッ、戦える!!」
強く、強くなりたいと思った。少なくとも、大和琴春という存在を超えたいと。
弱い自分で、そしてその弱い自分に納得している醜い存在だけにはなりたくなかった。
────コトハルは、俺を見て少し笑った。
少なくとも、俺にはそう見えた。
