「ーーーーと言う訳で、テメェには行く世界を選ばせてやるよ。俺様の慈悲に感謝しろ雌豚」
「黙れ俺様君。地の果てに堕ちろクソ野郎が」
私は佐藤夕夜、高校生活三年目の女子だ。
血液型はA型で右利き……もうなんというか、普通すぎて笑えるレベルだな、あはは。
うん、冗談は置いておいて、現状を説明しようか。
目の前にいる白髪赤瞳の俺様キャラなクソ男くん。
彼、神様らしいです。
…………いや待て、去り行くなよ。私の頭は通常運転中だぜ。
んでな、このクソ男は私を異世界にトリップさせる気らしいんですよね。
交通事故にあったわけでも、自殺したわけでも、神様(クソ男)の手違いでも、神様(クソ男)の暇潰しでもない。
ただ単純に、『私が可哀想だったから』、それだけの理由だ。
私には私のどこが可哀想なのかわからないが、聞いたらどうせ『頭』とかぬかしやがるだろうから聞きません。
「あぁ? 幾ら雌豚の腐った口でも俺様をクソ呼ばわりするのは許さねーぞ?」
「いやだから貴方のその態度をどうにかしてくれませんかね、殺したくなりますよマジで」
死んでくれ、頼むから。
だってな考えてもみろよ。
私はそれなりに幸せだったんだ。
好きな人もいて、話しかけてきてくれる人もいて、遊びに誘ってきてくれる人もいて。
本当に何も可哀想じゃないんだよな、私。
「あー……わりぃ、もうそろ時間だわ。さっさとトリップすませんぞ」
「了解」
どこにトリップするのかは私の運次第らしい。
直ぐに死ぬ世界は嫌だな。
どうせなら平和な世界にいきたいところだ。
「じゃあ、また何時か……な」
……あ、まさかこいつれツンデレだったのか?
視界が曇り、頭痛が始まる。
意識が遠のいていく感覚が、地味に怖い。
…………嗚呼…母さんと父さんは……いなくなった私を……心配、してくれるかなぁ…。
あんなに…わたしをあいして、くれたん…だから、きっと……ないてくれるよね……?
