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蒼月海


「あなた……どこかで?」
 私の疑問符が宙を舞った。
 自殺しようとしていた少女の顔に見覚えがある。しかし、どこの誰で何をしたかという情報までは思いだせなかった。喉の奥がつかえたような釈然としないものに、わずかに眉間を寄せた。
 ただ、少女の顔がアフロディアの石像のように、美意識を結集させ、存在させたならば、それは目の前に姿を映している。
(……綺麗)
 私の思考力がたどり着き、内面でつぶやいた言葉に、身体が反応し、喉の奥がゴクリと鳴った。自分の身体を俄かに汗ばむのを感じる。
 私は、折れてしまいそうな彼女の手を強く握りしめた。



<2016/09/18 09:34 ゆきやなぎ>消しゴム
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