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君の淡い涙を
- 第二章 -


「母さん!助けて!!」
オレは天使が放った罠にはまってしまった。

母さんは慌ててオレに駆け寄ったが、動揺してこちらを見つめるばかりでなにもしない。

だんだん力が尽きてきたのを感じていた。
「母さん、痛いよ。これはずしてよ」

「ヒル・トラップ‥‥」
母さんが呟くように放った言葉。

後々知るのだが、ヒル・トラップというのは天使が持つ魔法のようなものらしい。悪魔退治のために作られた、秘密兵器と言うもんだ。

なの通り地獄の罠だ。

ヒル・トラップは、上を悪魔が通ったのを感じると、まるでながいしたを伸ばすように悪魔を捕まえる。そして粉々にするのだ。

村人がオレを見つけて母さんに知らせたらしい。そのあと力持ちが数名やって来た。

どうにかオレは救出されたが、罠のせいで幼い小さな翼は、見事に無くなった。もう永遠にオレは翼がないのだ。大事な部分も失った。腕や、脚、目。

ずっとオレは苦しんだ。

家族みんな苦しんだ。

何で苦しんだかって?



ヒル・トラップはそんなんで終わる品物じゃねーんだよ。

ヒル・トラップは掛かった獲物__オレ__を一生苦しめる。

首を締め付けられたり、体が勝手に動かされたり、眠りから覚めなかったり。



みんなオレのことを邪魔物のように扱い始めたのは、そんな事件が起こってから3ヶ月ほどたった頃だ。

そしてとうとう、母さんはオレを捨てた。

下界に置き去りにしたのだ。











今は洞穴で一人素朴に暮らしている。

なにもない。

ただひたすら自分が老うのをまつだけ。

と、いってもまだジュペタは15歳。




___だからジュペタはある決断を下したのだ。



<2016/08/17 22:25 栗原小雪>消しゴム
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