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忘れないで


今日は最高の気分で一日を終えた。

それはきっと、香も一緒。

隣から鼻歌が聞こえる。

なんて分かりやすい人。

私も負けてないけど、香はそれ以上だと思う。

「坂城、仲良くなれるといいねっ」

「何言ってんのさ、仲良くなるのよっ」

香は、いつもそうだった。

〇〇出来ると良いね、じゃなくて、するんだって。

いつも、言ってくれた。

それだけで、かなり楽になった。

出来なかったら…そんな考えは、不思議と浮かばなかった。

きっと、香のあの優しい言い方のせいだろう。

私には出来るんだ。

そう、思えた。

今回もそう。

私には、私達には。

何でも出来る、そんな気がしていた。

「も〜えさんっ、どこ行くんですか〜?」

後ろの方からバカにしたような香の声が飛んでくる。

振り向けば、かなり後ろの方に香が立っていた。

私は香の方へ小走りで向かい、正しい道を進んだ。

あの日とは違い、その道はとても明るかった。

あの、花火大会の日とは、違って。

あの小さな自転車のライトで辺を微かに照らしながら進む
夜道。

「同じ道なのに、全然違うね」

やっぱり、香とは同じ事を考えてる。

「そうだねっ」

そう言った私の声は、自分でも驚くほどに明るいもの
だった。

「あ、じゃあ私、こっちだから」

「はいよんっ」

私達はお互い最高の笑顔で手を振り、別々の道へと進んだ。

私も鼻歌を歌いながら家へと向かった。

坂城は、どこに向かったのかな。

やっぱり、さっきの病院かな。

誰が居るのか分からないけど。

その事でも相談に乗ってあげられる、そんな仲になりたい。

どんな事も、隠さずに言い合えるような。

私と香はいつでも準備万端。

私は歩みを速め、最終的には走って家に向かった。


<2016/08/20 20:11 秋の空>消しゴム
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