やっぱり。
俺は今日も目を覚ました。
そして久々の学校へ。
初めて、遅刻しないで学校へ。
そんな俺が教室へ入れば、教室に居る人は全員目を丸く
した。
何だか申し訳ない気持ちになりながら、俺は席に着く。
藤井の、隣の席に。
「龍」
この声を、求めていた。
そんな求めていた、優しい声に俺は何も返さなかった。
返せなかったなんて、そんなものじゃない。
返さなかった。
「やっと会えた。お疲れ様」
「別に」
笑いたかった。
笑って、ああ言いたかった。
「大丈夫だよ。目の前に在るもの、全てが消える訳じゃない。私は、ずっと龍の傍に在り続けるよ」
俺の周りには、そう言って消えて行った人ばかり。
その言葉はもちろん嬉しいし、信じない訳でもない。
けど、やはり近付く事はできない。
俺と深く関わった人間はみんな消える。
小学、中学の頃に仲の良かった人も、高校で離れて。
別にそれくらいの出会いと別れならいくらでもあるから
構わない。
けど、中学の頃。
一番仲の良かった人が消えた。
雲の向こうへ、空の向こうへ。
その頃からどんどん消えていった。
あれは中一の頃。
中三の頃に母親。
その数ヶ月後くらいに姉貴。
そして少し前に祖母。
こんな俺と関わりたいなんて、なんてバカな奴ら。
「だから、お願い。私達に、全て教えて?」
「忘れたか。俺と関わるな、そう言ったはずだ」
「怖いんでしょ?」
その、全てを見抜いているような言葉に、視線は藤井へ。
「人と関わって、仲良くなって。その頃に、その人が消えるのが。自分の元を去るのが」
「俺がそんな繊細な奴に見えるか」
「見えるよ」
藤井は、本気なのだろうか。
本気で俺と関わり、ずっと傍に在り続けようとしているの
だろうか。
「見えるから、私は傍に居るんだよ」
「お前はもう少し人を見極める力を鍛えろ」
そう言って、窓の外へと視線を逃がす。
いつもなら、そのまま屋上へ行くんだろうけど。
今日は何となく、この小さな窓から大きな空の極一部を
見るだけで良かった。
もうそろそろ春が来るせいか、空は明るかった。
その春が来れば、俺らは二年になる。
なれるのかな。
ほぼ毎日遅刻だし。
ほぼ毎日抜けだすし。
まぁなれなければ確実にこの二人とは離れられる。
俺は必死だった。
二人から、早く離れようと。
これ以上離れられなくなる前に、求める前に。
早く、離れなくてはいけなかった。
二人の、未来のために。
俺は今日も目を覚ました。
そして久々の学校へ。
初めて、遅刻しないで学校へ。
そんな俺が教室へ入れば、教室に居る人は全員目を丸く
した。
何だか申し訳ない気持ちになりながら、俺は席に着く。
藤井の、隣の席に。
「龍」
この声を、求めていた。
そんな求めていた、優しい声に俺は何も返さなかった。
返せなかったなんて、そんなものじゃない。
返さなかった。
「やっと会えた。お疲れ様」
「別に」
笑いたかった。
笑って、ああ言いたかった。
「大丈夫だよ。目の前に在るもの、全てが消える訳じゃない。私は、ずっと龍の傍に在り続けるよ」
俺の周りには、そう言って消えて行った人ばかり。
その言葉はもちろん嬉しいし、信じない訳でもない。
けど、やはり近付く事はできない。
俺と深く関わった人間はみんな消える。
小学、中学の頃に仲の良かった人も、高校で離れて。
別にそれくらいの出会いと別れならいくらでもあるから
構わない。
けど、中学の頃。
一番仲の良かった人が消えた。
雲の向こうへ、空の向こうへ。
その頃からどんどん消えていった。
あれは中一の頃。
中三の頃に母親。
その数ヶ月後くらいに姉貴。
そして少し前に祖母。
こんな俺と関わりたいなんて、なんてバカな奴ら。
「だから、お願い。私達に、全て教えて?」
「忘れたか。俺と関わるな、そう言ったはずだ」
「怖いんでしょ?」
その、全てを見抜いているような言葉に、視線は藤井へ。
「人と関わって、仲良くなって。その頃に、その人が消えるのが。自分の元を去るのが」
「俺がそんな繊細な奴に見えるか」
「見えるよ」
藤井は、本気なのだろうか。
本気で俺と関わり、ずっと傍に在り続けようとしているの
だろうか。
「見えるから、私は傍に居るんだよ」
「お前はもう少し人を見極める力を鍛えろ」
そう言って、窓の外へと視線を逃がす。
いつもなら、そのまま屋上へ行くんだろうけど。
今日は何となく、この小さな窓から大きな空の極一部を
見るだけで良かった。
もうそろそろ春が来るせいか、空は明るかった。
その春が来れば、俺らは二年になる。
なれるのかな。
ほぼ毎日遅刻だし。
ほぼ毎日抜けだすし。
まぁなれなければ確実にこの二人とは離れられる。
俺は必死だった。
二人から、早く離れようと。
これ以上離れられなくなる前に、求める前に。
早く、離れなくてはいけなかった。
二人の、未来のために。
