本当にこれで、良かったのだろうか。
後ろから藤井の泣く声が聞こえる。
そしてその隣辺りからは木崎の視線を感じる。
間違っては、いないよね。
これが、二人のためだよね。
そう、自分に言い聞かせながらどこかへ向かう。
行き先なんて決めてない。
俺はいつもそう。
歩きながら、その時になってから、答えを出す。
答えという答えを出したことは、一度もないけど。
これで、二人と関わる事は無い。
小さな達成感と、大きな罪悪感を抱きながらただ歩く。
そして藤井の、萌の声が聞こえなくなった頃。
今度は俺の頬を涙が伝う。
やっぱり、俺らは関わってはいけなかった。
あの、教室という限られた空間で一緒に過ごす、それだけの仲で良いんだ。
やっと、気付いた。
今はそれ以下の関係になった。
それならそれで良かった。
そして、これからはもう、近付き過ぎないと決めた。
『お願いだから消えないで』
自分で言ったあの言葉。
そんな事言ったくせに今日は、二度と俺の前に現れるな。
本当、どこまで自分勝手なんだろう。
けど、あそこまで言えば。
もう、断てたよね。
二人との、短く深い関わりは。
青い空の下、俺はそれを見上げながら、どこかへ向かっている。
どこに行こう。
学校に行くほど強い人ではない。
この、罪悪感はかなり強いのに。
俺も、これくらい強くなれたら良いのにな。
二人と、ちゃんとした距離感で居られるような。
それが出来ないから俺は、二人にあんな事を言った。
何も変わらない。
分かってる。
けど、心は後悔で埋め尽くされていた。
頭では、分かってるのに。
今の俺には、二人との関係はこれくらいで良いと。
なのに、心は求める。
二人を、二人の優しさを。
それがいけないのに。
いつかこんな日々にも慣れますように。
姉貴はあの日、どれくらい後悔したくれたんだろう。
後悔なんてしてないか。
母さんのところに行けたんだもんな。
今日も、あの二人が見守ってくれていると信じ、俺は今日
という、長くも短い一日を生きる。
力一杯。
精一杯。
二人の生きれなかった、この日を。
悔いのないように、それだけを気を付けながら。
今日出来た事が、明日にも出来るとは限らない。
明日の事なんて、誰にも分からない。
明日が、あるのかも。
そう思うと、ますます後悔は大きくなった。
傍に、居て欲しいのに。
気付けば俺は、立ってもいなかった。
緑の、自然が作り出したカーペットに座り、それを濡らしていた。
ほんの少しずつだけど、それが人の涙だと思えば、結構な
勢いで。
「龍?」
今度は誰。
聞いた事はある声。
そちらを見れば、店をやってた頃の常連さんが。
「どうも」
「どうしたの?こんなとこで」
学校は?その一言は無かった。
「何と、なく?」
「そっ。今度は何があったか知んねぇけどさ、そのうち
どーにかなっから」
そう言って缶のコーヒーを渡す、お店の神様。
有り難くそれを受け取る。
ホット、だけど。
しかもブラック、だけど。
こんな事考えちゃダメだね。
「あれっ、龍くんブラック嫌いだっけ」
「いえ、全然」
まぁこれくらいなら冬実がよくやってくれる。
この時期のホットは、流石にないけど。
まだ春だからね。
朝と夜は冷え込むし。
「一人じゃねぇから」
「ありがとうございます」
「そんなカチカチしないでくれる?」
とりあえず笑っといたけど、それは難しいかな。
神様だし。
良く言ってたな。
お客様は大事にしろって。
その声を思い出し、目に涙が溜まる。
「辛いよな、そりゃ。まだ、見つかってねぇんだろ?」
「みたいですね」
「まぁ、ね。何も変わりはしないけど、な……」
そう言ったお客様の声は、かなり悲しそうだった。
人の事でよくここまで。
「あ、あれからどちらで買われてるんですか?」
「もうね、そんな必要も無くなったわ」
「えっ……」
「龍くんがお店辞めた頃に、丁度な。良かったよ、あそこ
以外の花持ってく事になんなくて」
何て事聞いちゃったかな。
「あいつも気に入ってたからなぁ。まぁ、今までありがとな」
「いえ、こちらこそですよ」
「学校行くか」
「はい?」
「俺、お前らの先輩だから。そこんトコはまぁ、しくよろって感じ?」
いや、どんな感じ?
俺も慌てて立ち上がる。
「えっ、山田先輩って呼ぶ事になるんですか?」
「おぉ〜、後輩らしいじゃーん」
そう言って腰の辺りを叩く、先輩。
「そうだ、冬実ちゃん元気?」
「冬実ちゃん元気」
これが俺らの挨拶みたいな感じになっていた。
元気で、良いよね。
余計な心配されたら、逆に悪くなりそう。
冬実はそんな奴。
その、親も。
心配、し過ぎちゃったかな。
あの人にとっては。
後ろから藤井の泣く声が聞こえる。
そしてその隣辺りからは木崎の視線を感じる。
間違っては、いないよね。
これが、二人のためだよね。
そう、自分に言い聞かせながらどこかへ向かう。
行き先なんて決めてない。
俺はいつもそう。
歩きながら、その時になってから、答えを出す。
答えという答えを出したことは、一度もないけど。
これで、二人と関わる事は無い。
小さな達成感と、大きな罪悪感を抱きながらただ歩く。
そして藤井の、萌の声が聞こえなくなった頃。
今度は俺の頬を涙が伝う。
やっぱり、俺らは関わってはいけなかった。
あの、教室という限られた空間で一緒に過ごす、それだけの仲で良いんだ。
やっと、気付いた。
今はそれ以下の関係になった。
それならそれで良かった。
そして、これからはもう、近付き過ぎないと決めた。
『お願いだから消えないで』
自分で言ったあの言葉。
そんな事言ったくせに今日は、二度と俺の前に現れるな。
本当、どこまで自分勝手なんだろう。
けど、あそこまで言えば。
もう、断てたよね。
二人との、短く深い関わりは。
青い空の下、俺はそれを見上げながら、どこかへ向かっている。
どこに行こう。
学校に行くほど強い人ではない。
この、罪悪感はかなり強いのに。
俺も、これくらい強くなれたら良いのにな。
二人と、ちゃんとした距離感で居られるような。
それが出来ないから俺は、二人にあんな事を言った。
何も変わらない。
分かってる。
けど、心は後悔で埋め尽くされていた。
頭では、分かってるのに。
今の俺には、二人との関係はこれくらいで良いと。
なのに、心は求める。
二人を、二人の優しさを。
それがいけないのに。
いつかこんな日々にも慣れますように。
姉貴はあの日、どれくらい後悔したくれたんだろう。
後悔なんてしてないか。
母さんのところに行けたんだもんな。
今日も、あの二人が見守ってくれていると信じ、俺は今日
という、長くも短い一日を生きる。
力一杯。
精一杯。
二人の生きれなかった、この日を。
悔いのないように、それだけを気を付けながら。
今日出来た事が、明日にも出来るとは限らない。
明日の事なんて、誰にも分からない。
明日が、あるのかも。
そう思うと、ますます後悔は大きくなった。
傍に、居て欲しいのに。
気付けば俺は、立ってもいなかった。
緑の、自然が作り出したカーペットに座り、それを濡らしていた。
ほんの少しずつだけど、それが人の涙だと思えば、結構な
勢いで。
「龍?」
今度は誰。
聞いた事はある声。
そちらを見れば、店をやってた頃の常連さんが。
「どうも」
「どうしたの?こんなとこで」
学校は?その一言は無かった。
「何と、なく?」
「そっ。今度は何があったか知んねぇけどさ、そのうち
どーにかなっから」
そう言って缶のコーヒーを渡す、お店の神様。
有り難くそれを受け取る。
ホット、だけど。
しかもブラック、だけど。
こんな事考えちゃダメだね。
「あれっ、龍くんブラック嫌いだっけ」
「いえ、全然」
まぁこれくらいなら冬実がよくやってくれる。
この時期のホットは、流石にないけど。
まだ春だからね。
朝と夜は冷え込むし。
「一人じゃねぇから」
「ありがとうございます」
「そんなカチカチしないでくれる?」
とりあえず笑っといたけど、それは難しいかな。
神様だし。
良く言ってたな。
お客様は大事にしろって。
その声を思い出し、目に涙が溜まる。
「辛いよな、そりゃ。まだ、見つかってねぇんだろ?」
「みたいですね」
「まぁ、ね。何も変わりはしないけど、な……」
そう言ったお客様の声は、かなり悲しそうだった。
人の事でよくここまで。
「あ、あれからどちらで買われてるんですか?」
「もうね、そんな必要も無くなったわ」
「えっ……」
「龍くんがお店辞めた頃に、丁度な。良かったよ、あそこ
以外の花持ってく事になんなくて」
何て事聞いちゃったかな。
「あいつも気に入ってたからなぁ。まぁ、今までありがとな」
「いえ、こちらこそですよ」
「学校行くか」
「はい?」
「俺、お前らの先輩だから。そこんトコはまぁ、しくよろって感じ?」
いや、どんな感じ?
俺も慌てて立ち上がる。
「えっ、山田先輩って呼ぶ事になるんですか?」
「おぉ〜、後輩らしいじゃーん」
そう言って腰の辺りを叩く、先輩。
「そうだ、冬実ちゃん元気?」
「冬実ちゃん元気」
これが俺らの挨拶みたいな感じになっていた。
元気で、良いよね。
余計な心配されたら、逆に悪くなりそう。
冬実はそんな奴。
その、親も。
心配、し過ぎちゃったかな。
あの人にとっては。
