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忘れないで


あの人、龍と仲良いのかな。

そう言えば教室入ってくる前にも何か話してたし。

何故か、あの人に期待をしてしまっている自分がいる。

あの人なら、何か教えてくれるのでは、と。

何であそこまで言われたのに、諦められないんだろう。

こんな事言ったらそのうち香にも引かれそう。

「萌」

香の普段通りの声が私を呼ぶ。

それにいつも通りの返事をする私。

「あの人なら、何か知ってるかもよ?」

まさかの同じ事を考えてる。

「香?」

「バカね。私が龍を放っとけるとでも?」

そうだよね。

香は、いつだって私と同じ事を考えてきた。

それで、今までやって来てた。

「とにかく、まずはあの人の情報を集めるわよ。教室は隣。直接会う事も出来るわ」

「そうだよね。昼休み、行く?」

香が頷いた。

少し意外だったけど、凄く嬉しかった。

もう、本気で諦めちゃったのかと思ってたから。

本気で、興味がなくなちゃったのかと、思ってたから。

もう三時間目の休み時間。

あと一時間乗り切って、お弁当を食べれば。

あとは、彼の元へ行くだけ。

彼が、どんな人かを知るためにも。

教えてくれるような人でなければ、私達は大人しく諦める。

そして、香の言った通り、後悔して帰ってくるまで待つ。


彼が、私達の最後の望みだった。

<2016/08/22 23:00 秋の空>消しゴム
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