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煌龍vsパイレーツ


「狩俣慎太郎……たぶん、偽名だと思う」
ぽつりとアンが言った。
「まぁそーだろうな。本名でこんなことできねーもんな」
霧夜はややなげやりにそう言うと、癖っ毛をぐしゃっとかいた。
「それにさ、海外でどんどん仲間が死んでいくんだろ?なら、そいつはぼっちじゃない。それなりにたくさん仲間がいるんだろ」
「…それで」
龍次は、しかめっ面で言った。
「その鬼みたいなくそ野郎の居場所は調べなかったのか」
「無理。やってみたけど、弾かれた」
「めんどくせーなぁ」
龍次が舌打ちをする。
そこで、幸人が口を開いた。
「メアリーは、煌龍末梢に一回だけ失敗して、やられたんでしょ?なら……さっきの車の三人、どうなるの?」
部屋が、静まり返った。
「……まずいな」
「そもそも、俺はこの時点で分かんないわ」
霧夜は渋い顔でため息をついた。
「一回失敗しただけで消すか、普通?煌龍末梢したいんなら、失敗しても生かしておいて、集団で襲わせる、とか、そんなふうにしないのか?策略なんだか、ただの馬鹿なんだか」
「それはあるよね。そもそも、メアリーの頭に弾当てられるんなら、自分で煌龍末梢しろってかんじ」
「それは違う」
幸人の言葉に、龍次がすぐさま首を振った。
「あのとき、銃声は何発聞こえた?」
「確か……3発、4発くらい、だっけ?」
「そうだ。俺やパイレーツのスナイパーであるダンピアなんかは、走っている物体も一発で仕留める。俺たちだけじゃない。それなりに訓練積んでりゃ、4発とかいらねーよ」
それに、と龍次は付け足した。
「メアリーの頭に当たった弾丸は、貫通しなかっただろ?ライフルなら貫通してただろうが」
「あー、確かにな」
霧夜は、その言葉に頷いた。アンも同意して頷いている。
「しかも、暗殺するんなら、遠くからライフルでやったほうがいいだろう。だが、音はかなり近かった。何が言いたいか分かるか?」
龍次はそうききながら、アンを含む三人を見回した。
そこで、アンが言った。
「つまり、相手はライフルを使わず、近くから拳銃で撃ったのか」
「そうだな。もしかしたら…」
龍次は厳しい顔でうつむき、呟いた。
「……そいつ、ライフルを使えないんじゃないか?」
その呟きに、全員が目を丸くした。

<2016/06/09 08:14 三日月兎>消しゴム
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