龍次とアンが来た時には、その場は悲惨なものになっていた。
あちこちに、顔を腫らした人が放り出され、気絶している。岩の地面には、わずかに血が散っていた。
その真ん中で、霧夜はうずくまっていた。
「おい、キリヤ!」
慌てて、龍次は駆け寄った。
もっと様子を確認しようと霧夜の体に触れた途端、息を飲む。
とても、冷たかった。
「止血しないとっ!」
アンが霧夜に駆け寄り、言う。
龍次は霧夜のスカーフを外し、彼の体を地面に横たえた。
あちこちに深い切り傷がある。それだけならまだいいのだが、胸から腹にかけての大きな傷から、おびただしい量の血が出ている。どうりで体温を失っているわけだ。
霧夜が、わずかに目を開けた。
「リュ……ジ……ごめ…ん、ぐ……っ!…はあ、…うぅっ」
苦しそうに傷を押さえつけ、霧夜が呻く。
その瞳は、濁った黄色になっていた。
ーー暴走、したのか。
龍次は首を振ると、霧夜の傷に布を縛り付け、止血をした。
「喋るな。眠っとけ」
静かな声でそう言うと、霧夜はほんの少しだけ表情を和らげ、目を閉じた。
アンは携帯電話を取り出したが、龍次がそれを止めた。
「普通の病院じゃだめだ」
「え、じゃあどうすれば…!?」
追い詰められたような顔で、アンがきく。
その時、幸人が走ってきた。
「リュージ!アンさん!って、キリヤ!?」
血まみれの霧夜を見て、幸人が足を止める。その幼い顔が、恐怖のような何かで引きつった。
「し、死んでないよね…?」
そうききたい気持ちは、龍次にもわかった。何しろ、あの霧夜が、散々切り刻まれて力なく横たわっているのだから。
「死なないように応急処置してる最中だっつーの。病院見つけてくれないか?」
「それなら、もう見つけたよ……上杉先生が」
ーーはやいな。
さらりと言ってのけ駆け寄る幸人を、龍次はびっくりして見つめた。
あちこちに、顔を腫らした人が放り出され、気絶している。岩の地面には、わずかに血が散っていた。
その真ん中で、霧夜はうずくまっていた。
「おい、キリヤ!」
慌てて、龍次は駆け寄った。
もっと様子を確認しようと霧夜の体に触れた途端、息を飲む。
とても、冷たかった。
「止血しないとっ!」
アンが霧夜に駆け寄り、言う。
龍次は霧夜のスカーフを外し、彼の体を地面に横たえた。
あちこちに深い切り傷がある。それだけならまだいいのだが、胸から腹にかけての大きな傷から、おびただしい量の血が出ている。どうりで体温を失っているわけだ。
霧夜が、わずかに目を開けた。
「リュ……ジ……ごめ…ん、ぐ……っ!…はあ、…うぅっ」
苦しそうに傷を押さえつけ、霧夜が呻く。
その瞳は、濁った黄色になっていた。
ーー暴走、したのか。
龍次は首を振ると、霧夜の傷に布を縛り付け、止血をした。
「喋るな。眠っとけ」
静かな声でそう言うと、霧夜はほんの少しだけ表情を和らげ、目を閉じた。
アンは携帯電話を取り出したが、龍次がそれを止めた。
「普通の病院じゃだめだ」
「え、じゃあどうすれば…!?」
追い詰められたような顔で、アンがきく。
その時、幸人が走ってきた。
「リュージ!アンさん!って、キリヤ!?」
血まみれの霧夜を見て、幸人が足を止める。その幼い顔が、恐怖のような何かで引きつった。
「し、死んでないよね…?」
そうききたい気持ちは、龍次にもわかった。何しろ、あの霧夜が、散々切り刻まれて力なく横たわっているのだから。
「死なないように応急処置してる最中だっつーの。病院見つけてくれないか?」
「それなら、もう見つけたよ……上杉先生が」
ーーはやいな。
さらりと言ってのけ駆け寄る幸人を、龍次はびっくりして見つめた。
