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煌龍vsパイレーツ


ロロノアは、地下へと続く長い階段を、一定の歩調で降りていた。
その顔は、朝に煌龍に見せたような不適な笑顔でも、不機嫌な表情でもなかった。ただただ、無表情。
ロロノアの足が、階段の終わりの踊り場に着く。
目の前に、鉄のドアがあった。
ロロノアは、無表情を貫きながらもものすごく憂鬱な気分で、そのドアを開けた。
そのとき。

「なぜ、煌龍に宣戦布告した?」

突然目の前に、見上げるような大男が現れた。パイレーツのリーダーである、ロウだ。
ロロノアは、ロウを睨み付けるように見上げた。
「何か問題でも?」
それを聞いたロウの顔が、怒りでひきつった。
次の瞬間、ロロノアの体がふっとんだ。ロウが、力ずくで殴りとばしたのだ。
「この期に及んでふざけるなっ」
ロウの怒鳴り声が、空気を震わせる。
「もうすでにぎりぎりなのに、お前は何を余裕ぶって宣戦布告なんかして遊んでいる!?今まではよかったが、今はだめだ!煌龍を完全に抹消するまで、ふざけた気持ちで仕事するのはやめろ!」
「……申し訳ありませんでした」
ロロノアは、渋々頭を下げた。
ロウが、不機嫌な顔のまま、部屋の奥に移動する。そこではじめて、ロロノアは部屋の中の様子を見ることができた。
いつもと変わらぬ部屋の中。飾り気のない、机と簡易キッチンだけのリビング。
しかし、そこの雰囲気は、いつもとは180度近く違っていた。
部屋の真ん中に置かれた馬鹿でかい机に、ダンピア、アン、メアリー、そして新人のバーソロミューが、憂鬱な顔で座っていた。醸し出している雰囲気も、いつものふざけたものではなく、まさに憂鬱の一言に尽きるものである。
「……また、何かあったのか?」
ロロノアが訊くと、ロウは背中を向けたまま頷いた。

「オーストラリアの仲間が、皆やられた」

ロロノアは、思わず自分の喉をつかんだ。
「ヨーロッパのやつらが全員殺られて間もないってのに……!」
ロロノアが唸ると、ダンピアが弱い声で言った。
「アフリカのほうもヤバいらしいっす……今日、あっちの新人が二人やられた」
ーーまずい。
パイレーツの正員全員に、珍しく緊張が走った。
そのとき、アンが無言で立ち上がり、部屋のドアを開けた。
「どこにいく?」
背中を向けたままのロウが、低い声で問う。少なからず殺気のこもった声だったが、アンは表情ひとつかえず、答えた。
「吐きそう。風に当たってくる」
その顔は、言葉の通り、今にも戻しそうなほど青かった。

<2016/06/03 07:57 三日月兎>消しゴム
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